Mediall(メディアール)

オンリーワン・ナンバーワンをキュレーションする地方創生メディア

もの・こと  |    2024.09.25

立山を仰ぐ 立山であおぐ|SNS発の立山連峰扇子

標高3000メートル級の立山連峰の雄大なパノラマを収めた扇子が発売され、注目を集めています。
元は富山市のノベルティ(非売品)だったこの扇子、商品化のきっかけはSNSでした。
商品化を企画した富山市観光協会に開発の経緯をお聞きしました。

◾️立山連峰扇子って?

立山連峰扇子:1本 2,500円 (税込) ※お支払いは現金のみ

富山市観光協会が9月6日から販売している「立山連峰扇子」は、その名の通り立山連峰の大パノラマを収めたもの。青い山肌に白い雪を戴いた立山連峰の姿が鮮やかに浮かび上がっています。
実際の風景と並べてみると……

「立山あおぐ特等席」のひとつ・富山市役所展望塔から望む立山連峰(富山市観光協会提供)

「雄山」や「剱岳」といった山の名前や標高もわかるため、実際の眺めと照らし合わせて楽しむことができます。また、通常のポスターなどでは入りきらないことが多い「毛勝山」から「薬師岳」まで入っているのも特徴です。

裏面は無地ですが、これは明るいところで扇子を仰ぎ見るときに、表面の図柄の邪魔にならないようにするため。骨組みなどは職人さんがひとつひとつ手仕事で作っているのだとか。

裏面
かぶせ箱付きなので、贈答品としてもおすすめ

◾️SNSの反響が後押しに

立山連峰扇子を商品化した経緯について、富山市観光協会主査・太田直さんにお話を伺いました。

「立山連峰扇子は、もともと富山市のノベルティ(非売品)でした。
暑い日に、ふと思い立って使ってみたのですが、雪化粧の涼しげな図柄も相まって暑さが和らぐように感じたんです。
それを富山市観光協会のX(旧Twitter)に上げてみたところ、思わぬ反響がありました」
(富山市観光協会・太田直さん)

そのポストがこちら。

すると、このポストに
「涼しそう」
「どうして非売品なんですか」
「商品化してほしい」

といったコメントが相次いで寄せられました。

その反響の大きさから、改めて立山連峰の人気ぶりを実感した太田さん。
富山市の了解を得て富山市観光協会で商品化を進め、およそ2ヶ月の準備期間を経て販売を実現しました。

商品化にあたって山の名前を追加で増やすなどの工夫を凝らした

◾️キラーコンテンツとしての立山連峰

立山連峰は、富山市観光協会のSNSが広く認知されるきっかけとなった、思い入れのある存在なのだそう。

「国道8号線から見る立山連峰がすごい」
以前から、運転するたびにそう感じていた太田さん。ある晴れた冬の日、たまたま職員2人で外出していた際に、雄峰大橋から絶景を撮影するチャンスを掴みました。(※車の助手席で撮影)

「目の前に広がる光景の素晴らしさ、この感動をどうやって伝えたらいいだろうと思って撮影しました。
大きな車に視界を遮られたりしながら、何度も往復して挑戦したのを覚えています。
タイミングが合ってようやく視界が開けた瞬間、夢中で動画に収めました」(太田さん)

そうしてX(旧Twitter)に上げたのが、2023年1月のこの動画でした。

このポストが大バズりし、「立山連峰」は全国トレンド入り。SNSを超えてさまざまなメディアに取り上げられました。その後も継続的に立山連峰の画像や動画を投稿したことで、フォロワーも劇的に増えたとのこと。

「SNSを10年間運用してきましたが、立山連峰のポストをきっかけに、より多くの人、より広い層にメッセージを届けられるようになりました。立山連峰は富山が誇るキラーコンテンツ。圧倒的なパワーがあります。当たり前の日常の中にこの絶景があることは、富山の誇りですね」(太田さん)

◾️現地でしか販売しないわけ

この立山連峰扇子を購入できるのは、富山市の富山城址公園内にある富山市まちなか観光案内所だけ。需要がありながらも通信販売を行わないのには理由がありました。

「富山市内に足を運んでもらうために、あえて富山市まちなか観光案内所だけで販売することにしました。
『富山駅は通過駅』などと言われることもありますが、コンパクトな街並みに魅力的なものが散りばめられているんです。立山連峰扇子をきっかけに、富山市の観光スポットや食を楽しんでもらえたら」
(太田さん)

◾️磨けば宝石に 富山のポテンシャルの高さ

富山市観光協会は、これまでにも「ガラスのホタルイカ」や「お寿司のスノードームボールペン」など、富山の特色を活かしたモノをPRしてきました。

どちらも反響は大きく、あっという間に完売しました。


「富山の持つポテンシャルの高さを感じさせられましたね。富山には磨けば宝石になるものがまだまだあります。のびしろしかないです」(太田さん)

よく知られた観光スポット以外にも、未発掘の観光資源がまだまだ眠っているかもしれない富山。
あなたも立山連峰扇子を片手に富山の街中を散策してみませんか?

Information

販売所:富山市まちなか観光案内所
住所:富山県富山市本丸1-45
販売時間:9:00~17:00
HP : http://www.toyamashi-kankoukyoukai.jp/?tid=101590

参考:https://www.toyamashi-kankoukyoukai.jp/?tid=102692

記事をシェアする

この記事を書いた人

いよはち

富山県出身・在住の取材ライターです。以前の職は、記者/秘書/司書の三段活用。富山の魅力を余すところなくお伝えします。 ペンネームは私の身長に由来します。恐らく富山で一番小さいライター。 その場にいなければわからないこと、知り得ないことをお伝えする記事を書きます!

関連記事