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もの・こと  |    2024.09.23

古き良き日本の風景が広がる日本遺産・有松地区で絞りの歴史を感じよう

皆さんは、有松という場所をご存じでしょうか?愛知県名古屋市内の東海道沿いにある有松地区は、古くから絞りの街として栄えてきた歴史ある場所です。

今回は、そんな有松地区の魅力を、町を散歩して見つけた素敵な風景とともにお届けします。

有松ってどこにあるの?

有松は、愛知県名古屋市緑区内にある町です。最寄り駅は名鉄名古屋本線有松駅で、近くには『桶狭間の戦い』の舞台になった桶狭間、酒蔵が3つもある大高などがあります。江戸と京都を結ぶ東海道沿いにあるこの町は、同じく近くにあった宿場町「鳴海宿(なるみしゅく)」とともに栄えました。

有松と絞りの関係

有松地域が集落として開かれたのは1608年のこと。丘陵地帯で稲作が難しかったこの地域は宿場町としての発展は難しく、そこでスポットライトを当てられたのが絞りの生産でした。

絞りは日本に古くからある染色技法で、生地の一部を決まった技法で縛ったり縫い締めたりすることで、独特の模様を作り出す技法です。絞り染めともいうこの技法は、日本最古の染色技法ともいわれています。

尾張藩が有松絞りを藩の特産品として保護したこともあり、有松の絞り染めは東海道一の名産品となっていきました。

絞りの作業はほとんどが手作業です。また有松では一人の職人がひとつの技法のみを担当する一子相伝の技術が多く、職人の数が減りつつある今、有松絞りの希少価値は日々高まっています。

街のいたるところに絞りにちなんだデザインが

有松では、町のいたるところに絞りをイメージさせるデザインが施されています。

こちらは有松駅前にそびえるモニュメント『藍流(あいる)』。昼間は見えづらいのですが、ブロック状のオブジェには有松絞りが描かれており、夜になると8パターンのライトアップで街を彩ります。

バス停のベンチにも絞りの柄を発見。

なんと駅前のお手洗いも絞り柄です。

繁栄の後が残る豪華な日本建築が現存しており、街道を進んでいるとなんだかタイムスリップした気分になります。

6月にはお祭りも開催される

有松では、毎年6月に『有松絞りまつり』というお祭りが開催されています。絞りの技術の実演や、絞りで染色した和紙を使ったうちわづくりといった多彩な取り組みが実施されています。

有松絞りまつり

絞り製品の販売もあり、浴衣や着物が好きな方にはたまらないイベントとなっています。

噂によると、有松の反物が市場の半額のお値段で買えてしまうのだとか。B反と呼ばれる、いわゆるアウトレット品も多数販売されているそうです。

祭りの日限定で開放する蔵もあるらしく、愛知の反物ツウな方は、みんなこの祭りで有松絞りを買っていかれるようです。

今年は行きそびれてしまったのですが、私も来年はぜひ取材に行きたいと思っています。

日本遺産・有松

有松は、2019年5月に、文化庁から日本遺産に認定されました。

日本遺産とは、伝統文化に対して、その歴史的経緯や伝承された技術・風習などを「ストーリー」として遺産に位置づけるもので、地域のブランド化、アイデンティティの再確認を推進する文化庁の取り組みです。

日本遺産とは-文化庁

有松で和を感じてみませんか?

有松の町並みは、国から「重要伝統的建造物群保存地区」にも指定されています。そして、有松は奈良県の今井町・長野県の妻籠とともに全国町並み保存連盟を立ち上げた地でもあります。今年2024年は全国町並み保存連盟の設立50周年。古き良き日本の風景を、これからも大切にしていきたいですね。

この記事では、有松の絞りの歴史と町の魅力をご紹介しました。これをきっかけに、有松に興味を持っていただけると嬉しいです。

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この記事を書いた人

桐田 えこ

大阪から愛知に引っ越してきた主婦ライターです。趣味はカメラとスポーツ観戦で、阪神タイガースの大ファン。金魚やカメなど水生生物が大好きです。おもに名古屋市緑区のローカル情報をたくさん発信していきます。

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