今や、仮装・コスプレの代名詞となった毎年10月末のイベント、ハロウィン。
広島は西区横川に、今年で10周年を迎えた、一風変わったハロウィンの催しがあります。
その名も、「横川ゾンビナイト」!
今回はそのイベントの内容を、筆者の参加レポも交えて前・後編にわたり紹介したいと思います。
イベントの概要と歴史
「横川ゾンビナイト」は、その名の通り「ゾンビ」をテーマとしたイベントで、2015年から開催されています。
JR横川駅周辺から、駅前を縦断する横川商店街が主な舞台となっています。子どもから大人まで楽しめるステージや屋台の他、さまざまな出し物が目を引きます。過去には、近くにある映画館でゾンビに関する映画の上映、通りではゾンビAR(拡張現実)、プロジェクションマッピング、謎解き脱出ゲームなどがありました。
右を向いてもゾンビ、左を向いてもゾンビの2日間。界隈にあるお店のいくつかは「ゾンビ歓迎」の貼り紙がしてあり、ハロウィンらしくちょっぴり不気味な特別メニューもあったりもします。
もちろん、ゾンビはちょっと…という人のために「人間専門店」もちゃんとありますのでご安心を。ゾンビ以外の仮装やコスプレも見られ、ひと足早いハロウィンを思いおもいに楽しむことができます。
コロナ禍の試み
広島・横川のハロウィンといえばゾンビ…昨今それが定着しつつありました。しかし2020年、新型コロナウイルスが流行。感染防止のため「横川ゾンビナイト」は数年間、規模こそ縮小されたものの、「三密」(密閉・密集・密接)を避ける工夫を凝らしながらの開催となりました。
開催期間を、参加者が密にならないよう約一週間と長めに設定。また、例年行っていたゾンビメイクの代わりに、マスクが必須という状況を逆手にとり「ゾンビになれるマスク」の販売を行いました。
否応なくコロナを意識せざるを得ない状況から、少しずつ元の活動の兆しを見せていたのが一昨年、2022年のゾンビナイトです。オーディションで選ばれたゾンビ(!)のフラッシュモブなど、地域の人々がより参加しやすい形でイベントは発展していきました。
2024年の開催は…
そして今年、ゾンビに変身できる場が復活して3年目を迎えました。ステージが至るところに設置され、商店街ではゾンビが通りを練り歩くパレードも展開。ゾンビ販売所では、自分でフェイスペイントを施せる絵具「クロマクリル」(説明は後述)も売られていました。
ゾンビに変身!
ここまで読んでくださった人の奥底には、こんな思いがふつふつとたぎり始めたことと思います。
「来年は自分もゾンビになってみたい…」
なりましょう! ゾンビになってしまいましょう!
横川駅の市内電車乗り場付近に、「DANGER」(危険)の黄色いテープが張り巡らされたテントがあります。
ここでゾンビになれます。
昨年までの「横川ゾンビナイト」も何度か参加したことのある筆者ですが、ここのゾンビ販売所(注: 昨年・一昨年は「ゾンビ製作所」、2019年以前は「ゾンビ感染所」表記)ではほぼ毎回、かなりの行列を待っています。時間帯によっては30~40分待つこともザラにありました。
テーマパークのアトラクション並みの人気といっても過言ではありません。すごい熱気です。
ここで行列をなす人々は皆、何者かに変わりたいのです。
ゾンビになりたいのです。
行列に並んで待つ間、受付でまごつくことのないよう感染レベルと覚悟(?)を決めます。
Level 1~4と4段階の感染度があり、レベル数(と値段)が大きくなるほど人間離れしたドギツイ顔に……。
その中で筆者は「Level 3」(¥1500-)、
顔色も変わる本格的なゾンビと化すことにしました。
後編へ続く…