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もの・こと  |    2025.02.16

70年以上の歴史『長浜盆梅展』と国指定 名勝『慶雲館』

『長浜盆梅展』は、毎年1月初旬から3月中旬まで、国指定 名勝『慶雲館』で開催されます。2025年は1月10日(金)から3月10日(月)まで開催中。日本最大級の盆梅展です。

1月はまだ開花前の盆梅も多いのですが、満開の梅の花だけでなく、つぼみやしなやかな枝ぶりも盆梅の魅力です。梅の香りも楽しめます。

盆梅は「花」「幹」「枝ぶり」「鉢」を愛でるものだそうです。筆者は盆梅初心者のためまったく知識がありません。今回は初心者でも楽しめる盆梅の魅力を紹介します。

慶雲館と盆梅展の始まり

盆梅は長い年月をかけ、現在の幹や枝の形に成長しています。それぞれの盆梅は個性的で、一つ一つに異なる世界観があり、感じ方も人それぞれ。

室内外に並べられた盆梅は、朝焼けのグラデーションのような空をイメージさせるピンク色、まだ何にも染められていない新雪のような純白、蝋細工のように繊細な黄色の花びらなどさまざまです。

どれをとっても同じ盆梅はなくそれぞれの個性を楽しめる

盆梅の感じ方に正解はありません。ぜひ、すぐそばまで寄り、間近で見てみてください。何百年も生き続けている梅の力強さや繊細さを感じられるのではないでしょうか。

梅は幹が枯れても長く生き続けるそうです。なかには幹部分がほとんど枯れて皮一枚でつながっているようなものや、樹齢400年を超えるような貴重な盆梅も展示されています。

会場では解説員からの詳しい説明も聞けるため、盆梅の知識が無くても不安を感じることはまったくありません。

慶雲館と浅見又蔵

メインとなっている会場にずらりと並ぶ盆梅

慶雲館は1886(明治19)年の明治天皇の訪問に合わせ、浅見又蔵氏が私財を投じて建設しました。浅見又蔵氏は、長浜を代表する絹織物の浜ちりめんをニューヨークへ輸出するなどして成功を収めた人物。また、『慶雲館』の名称は、当時の総理大臣・伊藤博文が命名したそうです。

慶雲館の敷地は約6千平方メートル。前庭、玄関前庭、主庭の景観は見る人を圧倒します。

また、庭園には豊臣秀吉公による朱印地区域や約5メートルもある自然石の巨大な灯籠、松尾芭蕉の句碑などもあり、盆梅展が開催されていない季節も楽しめる名勝です。

長浜盆梅展の父といわれれる高山七蔵

高山七蔵氏の作品「昇龍梅」は皮一枚でつながっている奇跡の盆梅(推定樹齢250年)

高山七蔵氏は、1951(昭和26)年に「より多くの人に見ていただき、喜んでもらえれば」と、約50鉢の盆梅を長浜市に寄贈しました。当時は長浜市役所に展示されたそうですが、好評であったために展示場所を慶雲館に移動したそうです。

以来、新春の風物詩として親しまれ、歴史・規模ともに「日本一の盆梅展」として開催されています。

おすすめは夜間ライトアップ期間

ライトアップされたメイン会場の盆梅

2025年の長浜盆梅展では、1月25日(土)から2月24日(月・祝)までの期間の土日祝日のみ夜間ライトアップを行っています。ライトアップの時間は、日没から19時30分まで。

ライトアップされた空間は、昼間とはまったく異なり幻想的です。また、夜間特別展示もあり、昼間には立ち入り禁止となっている区域が解放されます。

夜間特別展示の盆梅

特別展示というだけのことはあり、筆舌に耐えがたい雰囲気を味わえます。まるで、異次元に迷い込んだかのような錯覚を覚えるかもしれません。

夜間ライトアップ期間の観覧はおすすめです。ぜひ慶雲館と盆梅の幻想的な空間を堪能してみてください。

盆梅カフェコーナーとお土産コーナー

盆梅カフェコーナー
お土産コーナー

盆梅カフェコーナーでは、温かい抹茶や梅茶、ジュースなどのドリンクと茶菓子が楽しめます。慶雲館の景色を眺めながらのんびりするのもおすすめです。

お土産コーナーには、長浜市の地場産品や銘菓、長浜盆梅展グッズなどを販売しています。

盆梅の1年

盆梅展は1月から3月のみですが、1年間を通して盆梅の管理が必要です。長浜市では約2,000本(内盆梅が約300鉢)もの梅木を管理しています。

主な手入れとしては2~3月に剪定、5~6月に芽摘み、11月に植え替えを経て、12月に搬入という流れです。このように手塩にかけて育てられた盆梅は、盆梅展にて一般の人にも販売しています。

ミニ盆梅を購入して楽しもう

屋外ではミニ盆梅や桜などの盆栽を販売

屋内の盆梅を順路に沿って見学し終えて会場の外に出ると、多くのミニ盆梅や桜などが販売されています。お土産としての購入もおすすめです。

販売員さんに桜の盆栽を「デスクの上にいかがですか?」と勧められたため、植物を育てるのが苦手だと伝えたところ「育てようなんて考えが間違ってますよ。勝手に育つんだから」とのこと。

盆梅展で購入した桜の盆栽

人間の感情を押し付けようとするのではなく、植物本来の力を信じればよいのかもしれません。もちろん、ある程度の手入れは必要だと思いますが、草花や観葉植物などと比べると簡単なようです。

つぼみの付いた盆梅は、室内に入れるとすぐに花を咲かせるとのこと。小さな盆梅は2,000円前後で購入できるため、コレクションしてみてはいかがでしょうか。

長浜盆梅展の詳細情報

ライトアップされた慶雲館

長浜盆梅展の詳細情報は以下のとおりです。

開催期間

2025年は1月10日~3月10日(毎年1月初旬から3月初旬まで)

夜間ライトアップ期間

2025年は1月25日(土)~2月24日(月・祝)の土日祝日

開館時間
  • 通常期間:9時~17時(入館は16時30分まで)
  • 夜間ライトアップ期間:19時30分まで(入館は19時まで)
入館料
  • 大人:800円
  • 小・中学生:400円
アクセス

慶雲館
〒526-0067 滋賀県長浜市港町2-5
JR長浜駅より徒歩4分(長浜鉄道スクエア向かい)

長浜鉄道スクエアについては、下記の記事を参考にしてください。

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この記事を書いた人

のがわ

滋賀県担当のアラフィフライター「のがわ」です。地元の滋賀県や隣県の福井県に関する情報をお届けします。趣味の剣道は練士七段ですが、試合は中学生にも負けるレベルです。色々な地域に出稽古に行き、出会った方々の物語や観光情報などを記事にします。

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