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滋賀県長浜市のJR長浜駅から徒歩4分(駐車場の反対側)の場所に、旧長浜駅舎を利用した『長浜鉄道スクエア』があります。
旧長浜駅舎は1882(明治15)年に北陸線の始発駅として建設されました。建設されたのは、日本で初めて新橋~横浜間を鉄道が走ってから、たった10年しか経っていない頃です。
現存する駅舎としては日本最古のもので、イギリス式の建造物となっています。文明開化の雰囲気が色濃く残されているのが大きな特長です。
敷地内に足を踏み入れると、駅舎の手前にはトンネルの石額や分岐器ポイント部のレールが設置されています。石額はかつて北陸本線の各トンネルに掲げられていたもの。年月を感じる赤色が魅力的な分岐器ポイントはイギリスから輸入されたものです。
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設置してあるトンネルの石額は、伊藤博文(初代内閣総理大臣)や黒田清隆(第二代内閣総理大臣)、後藤新平(鉄道院総裁)がそれぞれ書いたものでした。
当時の鉄道事業が、いかに重要な役割を果たしていたかがよく理解できます。
北陸線電化記念館
駅舎に入ると、昔のままの改札口や切符売り場がありました。切符売り場には、料金表や時刻表が掲げられ、明治時代の様子をイメージできます。
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改札口をくぐり、北陸線電化記念館に足を踏み入れると、真っ黒なD51と真っ赤なED70が出迎えてくれます。
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D51はかつて北陸本線の米原~福井間を走っていた蒸気機関車で、「デゴイチ」の愛称で広く親しまれていた列車です。1970(昭和45)年まで、現役で走っていたとのこと。
一方、真っ赤なED70形は電化される際に採用された列車です。旧長浜駅舎内にあるED70形は、日本で唯一現存しているものになります。それぞれの列車の中に入ることもできます。
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さらに、館内には当時販売されていた駅弁やお茶、列車の模型なども展示されていました。鉄道マニアは必見です。
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長浜鉄道文化館
ここまでは「北陸線電化記念館(長浜と北陸本線)」の様子でしたが、続いて「長浜鉄道文化館」へと進みます。
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長浜鉄道文化館では、蒸気機関車の動く仕組みやプラレール、長浜駅を模したジオラマなどが展示されています。
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目を引くのは、ジオラマのなかを走る模型列車です。JR長浜駅の模型部分にあるボタンを押せば、下記の動画のように模型列車が走り出します。
再び改札口へ戻り、「北陸本線の歴史」を学びましょう。
北陸本線の歴史を学ぶ
順路に従って進むと、当時の駅長室や待合室の様子を垣間見ることができます。
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待合室の一角には、行先が書かれた荷物が置かれていました。明治時代にも、荷物だけを配送するサービスがあったようです。
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当時の鉄道には、「鉄道略則」という23か条からなる営業に関する規則がありました。じつは、駅舎の建物やレールだけでなく、規則に関してもイギリスに見習って作られたものです。
長浜駅舎が営業を開始した1882(明治15)年から、「鉄道営業法」が制定される1900年(明治33)年までの間の基本法規として使用されていました。
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鉄道の歴史を学んだあとは、鉄道に関するお土産物を見てください。
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鉄道は国運をかけた一大事業だった(まとめ)
人々が大きな荷物と未来への希望を抱えて利用した旧長浜駅舎は、当時の歴史を知ることのできるレトロな施設です。当時は維新政府が国運をかけて鉄道を建設したとのこと。北陸本線は日本海と太平洋を結ぶ重要な路線だったようです。
当時の人々が、どのような思いで利用していたのかを想像してみてはいかがでしょうか。もしかすると、文明開化の音がするかもしれません。
また、長浜鉄道スクエアはお子さんにも人気のスポットです。実際にD51(デゴイチ)の操縦席に立ち、操縦士の気分を味わえます。お子さん向けには「駅長さん制服」の試着コーナーもあり、記念撮影にも最適です。
長浜鉄道スクエアの詳細情報
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長浜鉄道スクエアの詳細情報は以下のとおりです。
料金
- 大人:300円
- 小中学生:150円
開館時間
9:00~17:00(16:30までに入館)
詳細は下記公式サイトをご確認ください。
アクセス
〒526-0057 滋賀県長浜市北船町1-41
JR北陸本線 長浜駅より徒歩4分(350m)
周辺情報
長浜鉄道スクエア周辺にはいくつかの観光スポットがあります。
- 慶雲館:鉄道スクエア向かい側(徒歩0分)
- 長浜城歴史博物館:徒歩5分
- 黒壁スクエア:徒歩10分
長浜観光には、黒壁スクエアもおすすめです。