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もの・こと  |    2024.10.14

関東で初めて!海上保安大学校の練習船「いつくしま」一般公開デーに行ってきました|横浜・みなとみらい

横浜の港というと大さん橋などを思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。横浜には、大型の客船やシーバスなどの観光用の小型船が寄港する港だけでなく、海の安全を守る、海上保安庁の基地もあります。

2024年9月23日、横浜・みなとみらいの横浜海上防災基地で、海上保安大学校の練習船「いつくしま」が一般公開されることを知り、行ってみました。

今回は、関東では初めての寄港となった、海上保安大学校の練習船「いつくしま」の一般公開の模様をレポートします!

海上保安大学校・練習船「いつくしま」とは?

海上保安大学校の練習船「いつくしま」とは、2024年7月に配備された最新の練習船。広島県呉市にある幹部海上保安官を養成するための学校、「海上保安大学校」の学生の洋上実習用として建造されました。

船内見学に多くの人が集まっています

長さ134メートル、幅16.3メートル。100名規模の実習生が乗り込める船として、これまでの練習船よりも大きく造られたとのこと。その費用、なんと約122億円!

現在、尖閣諸島周辺などの日本の領海は近隣諸国と緊張状態にあります。こういった事情もあり、海上保安官の任務も増加。海上保安能力を強化する政府の方針で「いつくしま」は建造されました。

「いつくしま」は海上保安官の卵である学生が実習で乗る船ではありますが、緊急時には警備や救難といった実際の任務に就くことも想定されているそう。

そんな実習生たちを乗せた練習船「いつくしま」が、関東では初めて横浜・みなとみらいにある横浜海上防災基地に寄港。一般公開されるということで、岸壁には多くの人々が集まっていました。この日1日で約2,500名の方が一般公開に訪れたそうです。

練習船ならではの船内を見学

甲板も広いです

練習船「いつくしま」の船内は、新しい船ということもあって、壁や廊下もきれいです。新築のおうちのような感じ。就役して1か月ほどなので、当たり前ですがきれい。そして船内は広いです!

「いつくしま」の特徴は、「船橋」がふたつあること。「船橋」とは、航海の指揮や操船を行う場所で、操縦室のようなところ。通常であればひとつですが、「いつくしま」は実際に船を操縦する場所と実習用の2段構造になっています。

「船橋」はすっきりとしています

さらにレーダーなどの機器もメーカーを変えるなど、実習生がどんな船でも対応できるように造られているそうです。

見学に来られた船マニアの方や小さなお子さん連れの方が、機器のそばにいる実習生や海上保安官に熱心に質問をしていました。

ハイテク化が進んでもコンパスや鉛筆は必須

見学に来られた方々は、ボタンや舵、「船橋」の窓から見える風景の写真を撮るなど、楽しんでいました。

多目的室など、充実した設備

広々とした多目的室

練習船「いつくしま」には、「船橋」がふたつある以外にもうひとつ初めての設備があります。それは、「多目的室」と呼ばれるホール。

何に使われるのかというと、海洋実習で訪れた国と文化交流などをするのが目的だそう。レセプションなどの式典だけでなく、柔道場としても使われるとのこと。今回は一般公開ということで、海上保安ジャーナリストの米田堅持氏が撮影した海上保安官や実習生の素顔が見られる写真展が開催されていました。

コンパクトな実習生たちの居室

実習生たちの居室やお風呂場、ランドリースペース、食堂なども公開。

明るくてきれいな食堂

実際に練習船「いつくしま」で実習をしている海上保安大学校第3学年の鳥居心さんによると、この船ではまだ大きな揺れを感じたことがないそうです。旧練習船「こじま」よりも広く、快適な船内ライフを送れていると話していました。

大人気のあつこお姉さんと「特殊救難隊」による海難救助訓練

今回の一般公開は、練習船「いつくしま」の船内を見学できるだけでなく、海上保安庁が誇る、精鋭部隊「特殊救難隊」による海難救助訓練の様子も公開されました。

練習船「いつくしま」から訓練を見学

「特殊救難隊」は、潜水士と機動救難士の技能を持ち、さらに火災や危険物対応など、高度な知識・技術、能力を兼ね備えた海難救助のスペシャリスト。オレンジの制服がまぶしい部隊です。

海難救助訓練は、海の事件や事故の緊急通報用電話番号「118番」のイメージモデルであり、NHKの番組で歌のお姉さんを務めた小野あつこさんも参加し、会場を盛り上げます。

訓練の舞台裏をこっそり撮影

訓練の内容は、島に見立てた練習船「いつくしま」で、海釣りを楽しんでいた人が孤立。

島から救助するといった内容。

通報を受け、出動要請を受けた「特殊救難隊」が現場に向かいます。途中、ロープを張るのを子どもたちに手伝ってもらうなど和やかなムードでしたが、ひとたび救助訓練が始まるとあっという間にロープを伝って登り、要救助者を島から脱出させます。

地上からわずか数十秒で救助にやってきました!

あまりの速さに驚くばかり。会場で観ていたお客様も「おお~」と驚いたリアクションをされていました。

要救助者を先に地上へ送ります

訓練自体は15分程度であっという間。海上保安官のみなさんが、普段からさまざまな想定のもと訓練をされていることが改めてわかりました。

訓練の最後は、海の事件・事故の緊急連絡番号「118番」を確認。その後、「特殊救難隊」の方々は子どもたちとの写真撮影に笑顔で応じていました。

まとめ

2024年7月に配備された最新の練習船「いつくしま」。9月23日(日) 横浜・みなとみらいにある横浜海上防災基地に寄港し、一般公開されました。

これまでの練習船と違う点は、「船橋」がふたつあること。より実践を意識した訓練ができる練習船となっています。また、訪れた国や場所で交流ができるよう、多目的室を配備するなど新たな試みも垣間見られました。

日本の領海周辺ではさまざまな動きがあり、海上でも日々事件や事故が発生するなか、海上保安官のみなさんはお仕事をされています。練習船「いつくしま」が、安全に実習をするためだけの船であり続けることを願わずにいられません。

公式キャラクター「うみまる」も「特殊救難隊」のユニフォームで記念撮影に応じていました

多くの方が来場された、練習船「いつくしま」の一般公開。あなたの街の港に寄港する機会があれば、ぜひ船内を見学し、海の安全や平和について考えてみてくださいね。

取材場所:海上保安資料館横浜館 横浜海上防災基地岸壁(※岸壁の開放は通常行っておりません。)
住所:神奈川県横浜市中区新港1-2-1
アクセス:みなとみらい線「馬車道駅」または「日本大通り駅」下車 徒歩8分
JR根岸線・市営地下鉄「桜木町駅」から汽車道経由 徒歩17分
TEL: 045-662-1185
開館時間 10:00~17:00(閉館30分前に受付終了)
定休日:月曜日(祝祭日と重なる日は翌日)/年末年始(12/29~1/3)
※臨時休館となる場合があります。(くわしくはホームページをご確認ください)
入場料:無料
ホームページはこちら
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この記事を書いた人

chillco

神奈川県横浜市在住。生まれも育ちも横浜取材・インタビューを中心に活動するWebライター。旅・酒・食・音楽がテーマ。訪れた国は25か国を超える。お酒やグルメ、スィーツ、イベントなど地元・横浜の魅力を発信していきます!

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