2024年9月22日(日)に横浜市役所アトリウムで、神奈川県初のシニア層対象のeスポーツ全国大会が開催されました。9月は認知症月間であり、9月21日は認知症の日でもあります。
今回は、認知症やその予防策(神奈川県では認知症の「未病改善」と呼んでいます)について楽しく学べるイベントとして開催された「SUNSHINE eスポーツフェスタin Kanagawa 」の模様をレポートします!
「SUNSHINE eスポーツフェスタin Kanagawa」って?
「SUNSHINE eスポーツフェスタin Kanagawa」は、2024年9月22日に、横浜の馬車道駅近くにある横浜市役所アトリウムで開催されました。
神奈川県と一般社団法人日本認知症予防学会、スポーツのイベントの企画・運営をしているFusion LLC.が主催。
そもそもeスポーツとは何か。eスポーツ(esports)とは、「エレクトロニック・スポーツ」が省略されたもの。電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツ全般を指す言葉で、コンピューターゲームやビデオゲームを使った対戦をスポーツ競技としてとらえた場合の名称。
(参照:一般社団法人日本eスポーツ連合オフィシャルサイト)
認知症の未病改善策には、主に食事や運動、さらに人との交流も有効と言われています。eスポーツは、手足を動かすだけでなく、対戦を通じて人との交流を可能にします。
こういった観点から、認知症の発症を遅らせ、進行を緩やかにすることができる未病改善効果が期待されており、神奈川県ではシニア層にもeスポーツを推奨する取り組みを行っています。
eスポーツの魅力は、どんな人でも参加できること。オンラインを通じての対戦もできるので、どこにいてもできること。
神奈川県では、認知症月間に連動して認知症に関する各種イベントや施策を展開。そのひとつとして、シニア層を対象にしたeスポーツの全国大会「SUNSHINE eスポーツフェスタin Kanagawa」を開催しました。
今大会のプログラムは次の通り。
- eスポーツ関東大会予選
- プロレスラー・蝶野正洋さんによるトークショー
- ご当地キャラ eスポーツグランプリ
- パネル・ディスカッション
- シルバー eスポーツ全国大会
- シンガーソングライター・白井貴子さんのアコースティック・ライブ
と、盛りだくさんの内容となっています。
eスポーツ関東大会には30組が出場
午前中は関東大会の予選を開催。今大会のeスポーツの種目は『太鼓の達人』と『ぷよぷよeスポーツ』。
『太鼓の達人』とは:
“楽曲のリズムにあわせて和太鼓を叩くだけ”というシンプルなあそびで、こどもからおとなまでみんなで楽しめる和太鼓リズムゲーム。(参照:太鼓の達人ホームページ)
『ぷよぷよ』とは:
コンパイルおよびセガから発売されている落ち物パズルゲームシリーズ。
(参照:ピクシブ百貨事典)
ご存知の方や実際にプレイしたことがある方も多くいらっしゃることでしょう。関東大会には、約30組のプレイヤーが参加。飛び入り参加される方もいらっしゃったそうで、全国大会には、どちらの種目も4名が選出される予定。
『太鼓の達人』の関東大会の課題曲は『となりのトトロ』。レベルは初心者向けですが、出場者の腕前に驚かされます。関東大会は、参加者のご家族や友人の方が応援に駆けつけ、終始和やかなムードで進行。
午後の全国大会には『太鼓の達人』部門5名、『ぷよぷよeスポーツ』部門2名の出場が決まりました。
『太鼓の達人』や脳体力トレーナー体験も!
「SUNSHINE eスポーツフェスタin Kanagawa」では、体験ブースも設置されていました。体験できたのは『太鼓の達人』と脳体力トレーナーの2種類。せっかくの機会なので、脳体力トレーナーをやってみることに。
「脳体力トレーナー『Cog Evo』」は、株式会社トータルブレインケアが提供している脳トレーニングで、神奈川県の※ME-BYO BRANDにも認定されています。12種類のゲームから、空間認識力や記憶力、注意力などを数値化し、現時点での認知機能の状態がわかるようになっています。
※ME-BYO BRANDとは:
神奈川県では、未病の状態を見える化したり、未病の改善につながることが期待できる商品・サービスのうち、優れたものを「ME-BYO BRAND」として認定しています。(参照:神奈川県ホームページ)
今回はお試し版として5つのゲームをやってみました。ゲームが進んでいくと難易度があがります。ちなみに私の結果は、こんな感じでした。
記憶力と注意力が、他と比較すると少し下がっています。なんとなく、自覚があります。
年代別のデータは集計中とのことで、平均の比較は現段階ではできませんでしたが、ひとまずは大丈夫なよう。
日常生活で注意すべき点や対処方法も教えてくれるので便利です。定期的にやれば、自分の認知機能の観察ができるのでいいですよね。
「SUNSHINE eスポーツフェスタin Kanagawa」では、進化し続ける認知症未病改善についても体験できました。
ご当地キャラもeスポーツにチャレンジ!
今回はシニアだけでなく、ご当地キャラもeスポーツにチャレンジするコーナーがあり、大会に花を添えます。
出場したご当地キャラは、次の通り。
- かながわキンタロウ(神奈川県)
- つるゴン(埼玉県鶴ヶ島市)
- 出世大名家康くん(静岡県浜松市)
- アルクマ(長野県)
ご当地キャラたちは『太鼓の達人』で対戦。この対戦の模様が、かわいくてシュール。まさかの真剣勝負に会場は湧きました。
優勝したのは、片手で太鼓を打ち続けた埼玉県鶴ヶ島市のつるゴン。片手なのに圧倒的な強さでした。その後、つるゴンと黒岩祐治神奈川県知事、シンガーソングライターで、今大会のアンバサダーも務める白井貴子さんがエキシビジョンマッチをするなど、盛り上がりをみせました。
こういった様子を見ているとeスポーツが手軽に始められるスポーツであることが、よくわかりますよね。
シニア•プレイヤー白熱の全国大会
ご当地キャラによるeスポーツグランプリ、パネル・ディスカッションを経て、いよいよeスポーツの全国大会です。午前中の関東大会で勝ち残った7名が壇上にあがり、全国大会がスタート。
『ぷよぷよeスポーツ』部門は男性2名、『太鼓の達人』部門には女性が5名と、種目によって性別が分かれたのもなんだか意外な結果でした。
全国大会は『ぷよぷよeスポーツ』部門からスタート。先に3ゲームを取った方が勝ちです。大きなビジョンに対戦の模様が映し出されています。久々に『ぷよぷよeスポーツ』を観ましたが、今になって改めて見ると、なかなか頭を使うゲームで脳トレにもよさそう。
続いての『太鼓の達人』は、じゃんけんで勝った方が課題曲を決めます。選べる曲は、関東大会でも使われていた『となりのトトロ』と『ゆめをかなえてドラえもん』。こちらの種目でも『ぷよぷよ』同様、頭と体を使います。
eスポーツを始めて半年くらいといった方が、観客がいる大きな会場で緊張に負けず、ほぼミスなくクリアしていたのにはただ驚くばかりです。
また応援に来られていたご家族やお友達だけでなく、プレイヤーのみなさんが笑顔で対戦されている姿が印象的でした。
eスポーツは認知症の予防だけでなく、勝負することの楽しさや悔しさを体験でき、自分の世界を広げてくれる可能性のあるスポーツだと思いました。
まとめ
「SUNSHINE eスポーツフェスタin Kanagawa」は2024年9月22日に横浜・馬車道駅近くの横浜市役所アトリウムで開催されました。
プロレスラーの蝶野正洋さんのトークショー。シンガーソングライターの白井貴子さんのアコースティック・ライブや黒岩祐治神奈川県知事も参加されたパネル・ディスカッション。ご当地キャラによるeスポーツグランプリなど、盛りだくさんの内容。
神奈川県で初めて開かれたシニア層のeスポーツの全国大会は、盛況のうちに幕を閉じました。
プロのプレイヤーも生れるほど盛り上がっているeスポーツ。ゲームの枠だけでなく、年齢や性別の枠を超えていく可能性を感じました。今後はシニアの認知症未病改善としてだけでなく、ゲームをしなくなったミドル世代にも広がっていきそうです。私もやってみたくなりました。
次回の開催については未定ですが、ぜひ「eスポーツ」をチェックしてみてください。
取材場所 横浜市役所 アトリウム
住所:神奈川県横浜市中区本町6-50-10
アクセス:みなとみらい線「馬車道駅」下車直結
横浜市営地下鉄/JR「桜木町駅」から徒歩約3分
開催期間:2024年9月22日(日)13~16時30分
ホームページ:https://sunshine.fusion-e.jp/
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