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もの・こと  |    2024.11.07

わかってくれる人がそこにはいる!発達障害者の心のオアシス「Neccoカフェ」とは?|東京・西早稲田

わかってくれる人がそこにはいる!発達障害者の心のオアシス「Neccoカフェ」とは?|東京・西早稲田

飲食店や学生が賑わう東京新宿区の早稲田通り(高田馬場周辺)に、発達障害者の憩いの場である「Neccoカフェ」は店を構えます。

このカフェのオーナーである金子磨矢子さんは、発達障害の当事者であり「発達障害者が、行きたいときにいつでも行ける居場所を作りたい」との想いから2011年に、発達障害者の憩いの場である「Neccoカフェ」をオープン。

聞くところによると、このカフェはユニークな特徴を持つそうです。そこで、カフェのオーナーであり、発達障害当事者協会の副代表としても活動されている金子磨矢子さんに、お店の特徴について伺ってきました。

リピーターが多い居心地のよい店内

リピーターが多い居心地のよい店内
ローズヒップ・ハイビスカス・ローゼル・オレンジピールがブレンドされているお店自慢のハーブティー

カフェに入ってすぐに目につくのは、まず本の多さ。ブックカフェでもある店内には、発達障害者向けの書籍類が豊富に用意されています。

店内では、パンケーキやサンドイッチ類などの軽食や、さまざまなドリンクメニューが選べます。中でもお店の一押しメニューは、コーヒーとハーブティー。

「カフェを開こうと思った時、ちょうどコーヒーマスターの元で修行してバリスタになった友人がいたんです。友人が厳選したコーヒー豆を使い、美味しいコーヒーの淹れ方も教えてくれました。さらに、知り合いのハーブティー先生が、お店専用にハーブを調合してくれています」

その友人も発達障害の当事者であり、ボランティアでお店のお手伝いをしています。当事者同士のつながりがあったからこそ、お店が成り立ったと金子さんは振り返ります。

接客については「一般的なカフェだったら、積極的にお客さんに話しかけることはないと思いますが、Neccoカフェでは私の方からお客さんに歩み寄り、話しかけることは日常茶飯事のことです。とはいっても、初対面で話しかけられたくない人もいると思うので『ひとりでいたいです』などメッセージカードも用意しているんですよ」とお客様に寄り添います。

Necco カフェ店内

また、発達障害者には照明のライトや音に敏感な方も多いことを考慮し、店内の照明の明るさやBGMの音量を控えるなど、落ち着いて過ごせるような配慮も欠かしません。

主催者、参加者ともに自己肯定感があがる!さまざまなイベント

主催者、参加者ともに自己肯定感があがる!さまざまなイベント

Neccoカフェでは、当事者向けのさまざまなイベントを毎週開催しています。ハーブのワークショップ、手芸会、野球好きの会などの同じ趣味を持つ同士で盛り上がる会から、当事者の親の会、雇用やライフワークについて考える会など多岐に渡ります。

「イベントは、主に当事者であるお客さんからの企画で開催されています。今度こういう企画をやってみたい!という相談を受けお店がバックアップし、自由にカフェの中でやっていただくんです」

特に人気があるイベントは「ライフアンドワーク」だそう。仕事や就職、生活面での不安や悩みを話し合うこのイベントは、発達障害の未診断・グレーゾーンの方、どなたでも参加可能。障害者雇用の経験者から「こうしたらうまくいったよ!」といった経験談も聞ける皆の交流の場です。

イベントの反響については、「自分達で企画してイベントを成功させることで、開催者側の自信につながるし、参加する側も交流を通して、普段ため込んでいることを話してみたり、人の意見も聞いてみたり、心が軽くなることがあると思います」と、双方にとって有意義であることも伺いました。

「Neccoカフェ」がオープンするまでの道のり

「Neccoカフェ」がオープンするまでの道のり
Neccoカフェのオーナーである金子磨矢子さん

金子さん自身は、これまで生きづらさを抱えながら、子供の発達障害がきっかけで、約20年前の50歳で発達障害だとわかりました。

当時流行っていたSNS(ミクシィ)で、自分と似たような特徴を持つ仲間を見つけ、やり取りをする中で実際に会ってみようという流れへ。最初は居酒屋で、その後は区の施設を借りて話し合う場を作り、参加者もだんだん増えたそうです。

その中で、月1回では足りないと感じる人が多く「いつでも行きたい時に行ける場所が欲しい」という思いが強くなりました。そこで、行きたい時にいつでも集まれる場としてNeccoカフェをオープンすることになったのです。

しかし、「発達障害の人たちが集まる場所を作ると話すと、不動産屋さんで断られてしまい、カフェの場所をみつけるのに1年ぐらいかかりました」と、オープンまでの道のりは決して平坦ではなかったと言います。

わかりあえる空間「Neccoカフェ」が広げる当事者たちの絆

わかりあえる空間「Neccoカフェ」が広げる当事者たちの絆

Neccoカフェは、多くの当事者達の憩いの場所となっています。

「首都圏のお客様が中心ですが、北海道や沖縄からも来てくださいます。最近では、SNSを見て訪れる外国のお客様も増えてきましたね」

そして、カフェの居心地の良さについて、金子さんは温かな表情でこう答えます。

「ここでは気兼ねなく過ごしてほしいんです。相談したいことがあれば打ち明けてもらえばいいし、ただゆっくりしたいならそれでいい。みなさんの好きなように時間を過ごしてほしいですね」

お店の情報

Neccoカフェ

〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2丁目18−21羽柴ビル2階
TEL: 03-6233-7456

店舗の詳細やイベント情報はお店のホームページで確認できます。

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この記事を書いた人

hiyo

普段はWebマーケティング企業で編集・ライターとして働く2児の母です。東京・武蔵野市~小金井市エリアを中心に魅力的な「お店・人」を取材します!前職のコーヒーショップ店員時代から、珈琲は私の元気の源です!

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