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もの・こと  |    2024.11.15

畑から食卓まで。飯能の秋を味わう「くるくるはんのうマルシェ」|埼玉県 飯能市

以前にご紹介した、飯能市内の生産者と飲食店などのクリエイターをマッチングさせる取り組み「くるくるはんのう」。

今回は、そのマッチングから生まれた飯能産の美味しいものが一堂に集まるイベント「くるくるはんのうマルシェ」にお邪魔してきました。

農業を軸に

ものからヒトへ想いを繋ぐ「くるくるはんのう」|埼玉県 飯能市

「農」でつながる「くるくるはんのうマルシェ」

会場となったのは西武池袋線「飯能駅」の改札前と、駅から徒歩5分の場所にある商店街の「日替わりシェフのお店」。イベントでは珍しく、二つの会場に分かれて開催していました。

“来場された方に駅から商店街までを行き来してもらうことで、街の活性化につなげたい。飯能のことを知ってもらうきっかけになってほしい”という想いから、二回目となる今回も二つの会場で開催したようです。

年に一度、一日限定で開催されたこの日。二か所の会場では開始前から行列ができるほど、飯能市内外から集まった多くの方で賑わいをみせていました。

飯能駅の改札前とコンコースエリアに出店していたのは、飯能産の農産物をつくっている生産者や、その農産物で作られたパン、焼き菓子、ドーナツ、ハーブティー、お酒などを取り扱う幅広いジャンルの飲食店。どれも量は限られてはいますが、生産者たちがつくる自慢の商品が並んでいました。

【西武池袋線『飯能駅』改札前&コンコース】

純国産蜂蜜 まほら屋( @mahraya.honey )
固定種野菜生産販売 めぐるみどり( @megurumidori )
わんぱく農園( @wanpaku_nouenhanno )
芋はん( @imohan_hanno )
農楽里食楽里
ロータスベーグル( @lotus_bagel )
ömatsu( @omatsu.ig )
and A( @and.a2.2 )
西川バウム合同会社( @nishikawabaum )
菓子屋 吉川製作所( @yoshikawa_seisakujyo )
Garden Mieli( @garden.mieli )
ohanaぱん( @pan_ohana )
輪ぐりや( @waguriya2023 )
やまね酒造( @yamaneshuzo )
エシカル・スピリッツ株式会社( @ethicalspirits_jp )

出店者のテーブルに使用されていたのは飯能市のブランド材である「西川材」。市内で西川材を取り扱っている「西川バウム合同会社」と「くるくるはんのう」のメンバーらによって当日の早朝から設営され、木のぬくもりを感じる温かい空間がつくられていました。

写真提供:くるくるはんのう(photo by @sauyaru) 西川材を使用した什器の設営中

スーパーでの買い物とは違って、生産者のお話を聞きながら商品を選ぶ。飯能でつくられた農産物の種類を知り、手間暇かけてつくる大変さを直接聞ける貴重な機会。そこに足を運んできた方たちと生産者たちの交流は、ひとの想いにあふれた、やさしい時間が流れていました。

商店街のなかにあるもう一つの会場「日替わりシェフのお店」。ここは、飯能商工会議所が運営する施設で、飲食店をはじめたい方や準備中の方を応援する目的でつくられた飲食店運営体験型施設。

ここで出店していたのは、5つのお店。パンにスイーツ、コーヒー、スリランカ料理などなど。お目当ての商品を求めて、ここでもオープン前から大行列。

【日替わりシェフのお店(飯能銀座商店街内)】

スイーツラボ ピニョン( @sweets.pignon )
てまりか菓子店( @temarika.kashiten )
サリガマ食堂( @sarigama_shokudou )
森見ル焙煎所( @mori.mill )
Hilltops( @hilltops_startour703 )

今回のマルシェでは、秋の代表的な味覚「栗」をつかった商品をたくさん見かけました。モンブラン、シフォンケーキ、パン、焼き菓子など。使われているのは、もちろん飯能市内にある栗園から採れた栗。

ひとつの農園で作られたものが、複数のつくり手と交わることで、いろいろなカタチに変わって、消費者に届いていく。一般的なフードイベントとは違って、地元の食材を上手く美味しく地域で循環させていく仕組みの「くるくるはんのうマルシェ」。

商品を選ぶお客さんの表情からも、このマルシェを通じて飯能の食材やお店のことを初めて知り、飯能を感じ取っている様子が印象的でした。

飯能市内の飲食店は、個人経営のお店も多いため営業日数や営業時間が短いお店がいくつもあります。そして、子育て世代の方も多く、今回のマルシェでは子連れでお店に立つパパさん、ママさんも多く見かけました。

そんな様子を見て、列に並ぶお客さんからは「土日に食べられるなんてうれしい」「子連れで接客されているママを見て、応援したくなった」という声も聞こえてきました。

こうしたヒトの温かさに触れられる距離感で開催された「くるくるはんのうマルシェ」。日頃から、飯能産の食材やものづくりを大切にされている出店者が集まっているからこそ、市内外から多くの方が集まる注目のイベントになっています。

飯能産の農産物をもっと暮らしのなかへ

「食べることに限らず、暮らしにつながるような農産物の在り方を探っていきたい」と話すのは「くるくるはんのう」の中心メンバーの片野陽介さん。

市の農業振興課の片野さんは、流通にのせられなくなった農産物の相談を生産者から受けるたびに、クリエイターさんと一緒に農園を訪れています。猛暑や豪雨、こうした気候変動の影響をうけるのが農産物。ただ廃棄することなくあたらしいカタチにつなげられないかと、クリエイターと共に模索を続けています。

こうしたつながりが広がって、新たに生まれた商品のお披露目の機会となっている「くるくるはんのうマルシェ」。来年は、どんな新しい商品が並ぶのか、今から楽しみです。

くるくるはんのう

Instagram  @kurukuru_hanno

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この記事を書いた人

ハネジユキエ

沖縄出身、埼玉在住のフリーライター。30代、二児の母。ものづくり、伝統芸能、暮らしを豊かにするモノ、地域を元気にするヒト、大人からこどもまで楽しめるコトを取材しています。

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