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もの・こと  |    2024.12.01

大阪万博で開催決定!大人の本気が炸裂、製造業の未来を照らすミニ四駆大会|東大阪市

第4回製造業対抗ミニ四駆大会-整列する出場マシン

2024年10月12日、東大阪市のとある町工場を会場にして、製造業対抗ミニ四駆大会が開催されました。製造業全体の活性化を目的としたこの大会は、2025年大阪・関西万博での開催が予定されているイベントです。

モノづくりに携わる製造業の方や学生さんが白熱のレースを繰り広げた、第4回ザ・クラフターズカップの模様をご紹介します。

※ミニ四駆は株式会社タミヤの登録商標です。
 

幅広い世代に親しまれる「ミニ四駆」で、業界の活性化を

第4回製造業対抗ミニ四駆大会-今大会のオブジェ

ミニ四駆大会を主催するのは、製造業の中小企業が集まるモノづくり集団「ザ・クラフターズ」です。
会長を務める「株式会社MACHICOCO」の代表取締役、戸屋加代さんにお話を伺いました。

「町工場といっても、『その工場でどういうものを作っているのか、どういうことができるのか』が地域の方の目に触れる機会が少ないんです。業界に若い子が来なくて、人材不足にも陥ってしまう。製造業のことを知ってもらい、興味を持ってもらうためには、何か分かりやすいツールが必要だと考えました。そこで、老若男女に認知度が高いミニ四駆はどうか?となったんです」

第4回製造業対抗ミニ四駆大会-大会当日の様子

時代ごとに度々ブームを起こしているミニ四駆。かつて熱中した世代の技術者が多く、戸屋さんの提案に対して、工場の職人さんはかなり盛り上がったのだそうです。
ミニ四駆というテーマで自分たちの技術を思う存分に表現し、モノづくりの楽しさを知ってもらおう!
そんな想いから、2023年以降、定期的に大会が開催されています。

戸屋さんは「モノづくりを楽しんでいる大人の姿を見せることで、子どもたちに夢を与えたい」とも話してくださいました。

サーキットやトロフィーにも発揮されるモノづくり魂

レースに出場するミニ四駆には「自社、自分の技術を1つ以上取り入れること」がルールとなっています。が、モノづくりの技術が光るのは競技車だけではありません。

物理学者監修による競技サーキット

第4回製造業対抗ミニ四駆大会-職人がつくるサーキット

レースに使用するサーキットはクラフターズのメンバーが設計製作しており、東京工業大学助教・山崎詩郎先生の監修のもと、大会ごとにアップダウンやオフロードなどのギミックを追加しています。

第4回製造業対抗ミニ四駆大会-職人が作ったサーキット
最難関は第4コーナーのジャンプ台、通称「ファクタスネイル」(写真左)

目玉企画「大会中にトロフィー作ります!」

第4回製造業対抗ミニ四駆大会-今大会のトロフィーはタイヤを模している

せっかくモノづくりの町工場で大会をするのだから、工場でしかできないことをしよう!と企画されたのが、「トロフィーをレース中に作る」というものです。会場である株式会社FACTASの設備を稼働させ、今回はタイヤを模した部品の一部を加工機で削り出して仕上げます。

第4回製造業対抗ミニ四駆大会-大会中にトロフィーを製作

できたてほやほやのトロフィーが贈呈されるとは、さすがモノづくり企業ならではですね。

個性豊かなミニ四駆たちをご紹介

今大会には、岩手県から専修大学北上高等学校の生徒さんがエントリーしました。
岩手県北上市は製造業を中心とした工業都市。モノづくりに携わる人材発掘のための教育が盛んで、東大阪市とはモノづくりのまち同士です。

第4回製造業対抗ミニ四駆大会-専修大学北上高等学校メカニックエンジニアリング科のお二人

メカニックエンジニアリング科に通うお二人は、3DCADと3Dプリンターを駆使してボディを設計・製作しました。今後はさらなる工業技術を取り入れていきたいとのことで、次回のエントリーにも期待が高まります。

第4回製造業対抗ミニ四駆大会-北上高等学校のマシン
イルカをイメージしてデザインしたというボディ(写真上)

「BOE東大阪」こと、東大阪市教育委員会の教育長もレースに参戦しました。東大阪市マスコットキャラクター・トライくんを乗せた「トライくん号」は大会の常連で、子どもたちに大人気なのだとか。

第4回製造業対抗ミニ四駆大会-BEO東大阪のトライくん号
乗っているトライくん人形は東大阪市の小学校に配布されたオリジナル防犯ブザー
第4回製造業対抗ミニ四駆大会-ダイマル鈑金工作所のマシン
鈑金加工の技術を詰め込んだ、ダイマル鈑金工作所のマシン。ドレスアップ賞を受賞しました。

異彩を放っていたのは、アロマオイルの販売をおこなう株式会社ベル・クウォーレです。ハーブなどから精油を抽出してアロマをつくる――たしかに製造業に違いありません。

第4回製造業対抗ミニ四駆大会-アロマを纏わせたベルクォーレのマシン
アロマが香るマシン。「皆さんが元気になるような匂いをつけてます」

大人が本気で楽しむミニ四駆レース

大会当日は小さなお子さん連れの観戦者も多く、親子で楽しめるワークショップやミニ四駆キットの販売を行っています。会場内に設置されたコースでは、テスト走行する出場者や、自分で改造したマシンを走らせる子どもたちの姿が見られました。

第4回製造業対抗ミニ四駆大会-コースを走るミニ四駆に見入るお子さん

開会宣言、マシンの紹介を終えて、いよいよレース本番です。
エントリー車は全26台。制限時間内にサーキットを5周すれば勝ち抜けとなります。

第4回製造業対抗ミニ四駆大会-レースの様子
第4回製造業対抗ミニ四駆大会-レースの様子
トライくんを追う、FACTORY KURAの鏡餅号(写真左)
第4回製造業対抗ミニ四駆大会-ファクタスネイルの餌食になる紫龍号
ファクタスネイルの餌食になった三輪鉱油の紫龍号

予選、敗者復活戦、準決勝を経て、勝ち残った4組が決勝戦へと駒を進めました。
惜しくも準優勝だった「やおりんゴム部」は、ゴムの練り加工、練り生地の販売、設計などの企業7社による合同チームです。前回出場時の経験を生かし、ゴムの配合や成型にこだわったミニ四駆のタイヤを製作して臨んだレースでした。

そして優勝に輝いたのは、北斗電子工業株式会社!

第4回製造業対抗ミニ四駆大会-優勝した北斗電子工業株式会社のマシン

「コースアウトを減らすこと」を重視して改造したマシンだそうです。
見事レースで優勝し、1位予想企画で自社に投票して景品をゲットし、さらには特別賞まで掻っさらっていくという大活躍を見せていました。

第4回製造業対抗ミニ四駆大会-トロフィーを掲げる入賞者たち
入賞おめでとうございます!

おわりに

第4回製造業対抗ミニ四駆大会-エントリーマシンが勢揃い

技術力を結集した熱戦が繰り広げられたザ・クラフターズカップ。
次回は東大阪市を飛び出して、他府県での大会をはじめ、大阪・関西万博での開催も決定しました。ミニ四駆を通じて、日本の技術を世界へと発信していきます。

モノづくりの魅力が詰まった職人たちの本気のバトル、次世代への夢をつくるイベントにぜひご注目ください!

大会のアーカイブ動画が視聴できます。

製造業対抗ミニ四駆大会

主催:ザ・クラフターズ
HP:https://thecrafters.jp/

株式会社MACHICOCO

所在地:大阪府東大阪市川俣本町11-10
TEL :06-6720-8735
FAX :06-6720-8736
HP:https://www.machicoco.co.jp/
Instagram:@machicoco72

株式会社FACTAS

所在地:大阪府東大阪市若江東町2-6-18
TEL :06-6747-9195
FAX :06-6747-9196
E-MAIL:info@factas.co.jp
HP:https://www.kk-factas.jp/

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この記事を書いた人

九重 十彩

生まれも育ちも東大阪市。カフェ巡りから一人飲みまで、美味しいものと共に在りたいWebライター。 実は調理師免許を持ってるけど、ほぼほぼ持ってるだけ。 大阪の中核市としての一面と、生駒山系の自然、振り幅の広~い「モノづくりのまち東大阪」の魅力を発信していきます。

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