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もの・こと  |    2025.01.17

福島・能登・世界を繋ぐ「きずなドリップ」|福島県のNPO法人「チームふくしま」の復興支援 

震災を経て生まれたきずなドリップ

震災を経て生まれた絆

「震災で多くを失った。けれど被災から生まれた絆もある。福島が世界から受けた恩を、返したい」。2024年1月1日に発生した能登半島地震から1年。かつて東日本大震災を経験した福島県のNPO法人「チームふくしま」は、石川県七尾市にある喫茶店「中央茶廊」と協働で「きずなドリップ」の販売を開始しました。売上の一部を石川県の人々に贈り、復興を支えます。


1953年に創業した老舗喫茶店の中央茶廊は、地震によって店舗が全壊の被害に遭いました。店主の窪丈雄さんは逆境の中でも屈することなく、震災直後からボランティアで七尾市を訪れた人に「コーヒーで元気をチャージしてほしい」と無償でコーヒーの提供を行い、その後、七尾市中心部の一本杉通り商店街の仮設店舗で営業を再開しました。


きずなドリップは、窪さんがコーヒー豆を焙煎します。ドリップの袋詰めは福島県内の福祉作業所が担当しているため、福祉雇用創出にも繋がっています。さらに、内戦にて心身共に傷ついた多くの子どもたちが暮らすルワンダ共和国産のコーヒー豆を使用し、復興支援に加えて平和の尊さや教育の大切さを考えるきっかけも生み出しています。


一杯の珈琲を通じて、能登・福島・ルワンダの3つの地域へ心を寄せることができる、多くの人々の願いと希望が詰まったドリップです。
いずれも税込みで5個セット1,100円、50個セット11,000円、100個セット22,000円で販売しています。

石川県に直接行けずとも、「今ここから」自分にもできることがある。遠くからでも、コーヒーで心を繋いで、支え合うことができる。「大丈夫だよ」「応援しています」「ひとりじゃない」。想いは繋がり、復興の大きな力になる。大切な人と石川県に想いを馳せて、コーヒーを味わってみませんか?

きずなドリップは以下の「チームふくしま ネットショップ」にて購入できます。

きずなドリップの購入はこちらから

復興に向けて日々奮闘する中央茶廊・店主の窪さん

「困った時はお互いさま」の恩送り

協働事業に加えて、中央茶廊ではチームふくしまが普及を進めている「地域で互いに助け合い、思いやりと優しさにあふれた街づくり」を目的とした「お互いさまチケット」制度(恩送り・ペイフォワード)が実践され、「困ったときはお互いさま」の恩送りの輪が石川県でも広がり続けています。


「お互いさまチケット」制度は、来店者が⾒知らぬ誰かの為にチケットの代金を先払いし、その後に訪れた人は、チケットを利用して、飲食やサービスを無料または割引価格で受けられる「恩送り」の仕組みです。


中央茶廊で購入したお互いさまチケットでは、飲食代からチケットに記載された金額分が割引となり、誰でも自由に利用することができます。


「For you for Japan」。あなたのためになることが日本のためになる。   
「For you for next」。あなたのためになることが次世代のためになる。


お互いさまチケットには、恩を受け取ったら、今度は別の誰かへ恩を送ってほしい、という願いが込められています。恩は返すものではなく「送る」もの。世界中で「善意のバトンタッチ」が行われ、いつの日か世界が思いやりの温かな気持ちで溢れ、誰もが「ひとりじゃない」と感じる地域社会になると信じて。

住民の笑顔は、地域の元気に。今日も、中央茶廊ではお互いさまチケットで笑顔と感謝の輪が生まれ、復興に向けて確かな一歩を重ねています。

商店街の仮店舗に設置されたお互いさまチケット

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この記事を書いた人

今野 花菜

宮城県出身・宮城県在住。「人の心が通じ合うこと」が社会に笑顔を増やすために必要なことのひとつと考え、「想いは別の誰かの力になる。人々の想いを繋ぐ仕事がしたい」と、自分も幼いころ新聞に取り上げていただき、想いをつないでもらえた経験から、記者として地方新聞社に勤務後、フリーライターとして活動を開始。

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