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スポット  |    2025.01.21

博物館の挑戦を応援しよう!昆虫展示を640点増やしたい!|生命の星・地球博物館

神奈川県立「生命の星・地球博物館」は国内外の自然史資料を研究し、1万点以上の実物標本を展示する大規模な博物館です。

色鮮やかな蝶が舞う展示コーナーで、昆虫担当の学芸員・渡辺さんは肩を落として言いました。

「日本の昆虫が28点しかないんです」

2,619点の昆虫標本が並ぶ「世界の昆虫コーナー」、展示のほとんどは外国の昆虫なのです。

身近な日本の昆虫こそ、すぐれた観察対象。自然科学への入口である博物館で、子どもたちの自然体験を増やしたい。そんな思いから始まった、学芸員・渡辺さんの昆虫展示拡充の挑戦をお伝えします。

神奈川県在住の方は「寄附」で、神奈川県以外に在住の方は「返礼品アリのふるさと納税」で応援できます。ぜひ最後までお読みください。

実物標本に触れられる「生命の星・地球博物館」

神奈川県立生命の星・地球博物館

神奈川県小田原市にある「生命の星・地球博物館」は、1995年に開館した自然史をテーマにした博物館です。

前身は1967年に横浜市で開館した「神奈川県立博物館」。建物が重要文化財に指定されていたため、収蔵物が増えても増築ができなかったことから、自然系の博物館として分離しました。

2024年度に開館30周年を迎え、新たな挑戦として昆虫展示の拡充プロジェクトに取り組んでいます。

隕石やネギ石?実物展示が人気

壁一面に広がるアンモナイト化石

「生命の星・地球博物館」には、1万点以上の実物標本が並びます。太古の岩石や恐竜の化石、現代の生き物など、地球の歴史を物語る展示がそろっています。壁一面に広がるアンモナイト化石など、実際に触れる展示も特徴的です。

入り口で出会う巨大な隕石

1911年に発見された「マンドラビラ隕石」

館内に一歩足を踏み入れると、すぐに目に飛び込んでくるのは、ごつごつとした石。これは、1911年にオーストラリアで発見された「マンドラビラ隕石」です。赤いライトに照らされ、マグマの上で燃えたぎっているように見えます。ところが、触ってみると「ひんやり」。その冷たさと、鉄の感触に予想を裏切られました。

バズった「ネギ石」

「ネギ石」として親しまれるリチア電気石

入館するや否や「ネギ石ありますか?」と聞く人もいるほど人気を集めているのは、通称「ネギ石」。正式名称は「リチア電気石」です。

企画展の展示で注目され、細長い形状とその色合いがネギに似ていると話題に。SNSでバズったことをきっかけに、全国各地の博物館から貸し出し依頼が殺到しました。当初は企画展用だった「ネギ石」は、業界で引っ張りだこになり、今では常設展示の人気者になっています。

子どもたちが夢中になる昆虫展示

世界の昆虫コーナー

「世界の昆虫コーナー」は、1階の順路の最後に設置されています。多くの子どもたちが立ち止まる館内でも人気のスポットです。

数ある展示の中でも、子どもたちが日常生活で実際に出会えるのが「昆虫」。展示ケースに顔を近づけ、食い入るように見つめる姿から、その好奇心が伝わります。

日本の昆虫展示を増やしたい

昆虫について熱く語る学芸員の渡辺さん

ところが、この「世界の昆虫コーナー」には大きな課題がありました。展示されている2,619点の昆虫標本はほとんどが外国の昆虫で、日本産はわずか28点のみなのです(※)。

1995年の開館当時、外国の生き物を見る機会は限られていました。世界の多様な生き物を知ってもらうことは重要であり、外国の昆虫は憧れの存在でもあります。自然な流れで、外国の昆虫の展示が多くなりました。

ところが、インターネットの普及で状況は大きく変わります。いつでも簡単に外国の昆虫が見られるようになり、子どもたちの知識も増加。一方で、野山で虫を採って観察した経験がある子は減っています。

「身近な昆虫こそ、子どもたちの観察意欲をかきたてる最高の教材。博物館は自然科学への入り口だと考えています」と渡辺さん。

(※博物館全体では日本産の昆虫標本は合計1,802点展示されていますが、「世界の昆虫コーナー」における展示数は28点です)

日本の昆虫展示の拡充計画とは?

「生命の星・地球博物館」では、2024年10月から2025年3月まで、日本の昆虫展示を拡充するために寄附プロジェクトに挑戦しています。標本はどこから調達し、どのように展示するのでしょうか。昆虫展示の拡充計画について、お話を伺いました。

すると、学芸員の渡辺さんはあっさり言います。「昆虫の標本はもうあるんですよ。裏に60万点くらい」

収蔵庫には60万点の標本が眠っている

収蔵庫に眠る昆虫標本

「生命の星・地球博物館」では、30年にわたり昆虫標本を収集してきました。その結果、収蔵庫に眠っている昆虫標本は60万点以上に。展示に活用できる標本は、すでに十分そろっているのです。

学芸員の渡辺さん自身も、昆虫を求めて全国各地を飛び回り、熱心に「昆活」を続けています。また、博物館を信頼して、貴重なお宝(昆虫の標本)を寄贈してくださる方もいます。

寄附プロジェクトで、これまで眠っていた昆虫がついに日の目を見られるかもしれません。

子どもの目線に寄り添った展示を

子どもの目線にぴったりなスペース

「このスペース、まるまる空いているんですよ」と渡辺さんが指さしたのは、床から50cmほどの高さにあるデッドスペースでした。大人にとってはかがみ込まないと見えない位置ですが、小さなお子さんにとっては、しゃがむだけでちょうど目線に合う高さです。

小さなお子さんでも観察しやすいスペースに展示して、より多くの昆虫を身近に感じられる空間を目指しています。

昆虫展示を640点増やしたい

どれくらいの拡充を目指しているか伺うと、渡辺さんは「640点」と即答。「640」は昆虫好きのラッキーナンバー「むし(64)」にちなんでいるそう。渡辺さんの遊び心と昆虫への深い愛情が感じられます。

展示の拡充にあたっては、現在空いているスペースを最大限に活用する予定です。昆虫標本をより魅力的に見せるため、照明の配置や光量を工夫するなど、来館者が楽しみながら学べる環境づくりに余念がありません。

寄附金が目標金額に届けば、640点の展示拡充が実現します。渡辺さんは「昆虫コーナーを虫まみれにして、子どもたちがもっと興味を持てるような博物館にしたい」と意気込みます。

デリケートな昆虫を守る展示装置

昆虫を守る頑丈な展示ケース

昆虫標本は触れれば崩れてしまうほど繊細です。安全に長期間展示するためには、頑丈なケースが使用されています。この展示ケースは、博物館の開館当初から30年にわたり使われ、耐久性には定評があります。

実は、今回の展示拡充でも、開館当時のストックを利用する予定です。新たに購入せずにケース代を節約し、必要最低限の費用でプロジェクトを進められるよう工夫しています。それでも、新たな展示スペースや照明設備の設置には資金が必要です。

寄附プロジェクトに挑戦するにあたり、照明の角度や光量、標本を設置する金網の強度など、細部まで展示方法を検討しました。

「どうしても必要な資金を集めて、より多くの人に昆虫の魅力を伝えたい」と語る渡辺さん。昆虫標本を安全に保管するだけでなく、その魅力を最大限に引き出す展示を計画しています。

ふるさと納税で返礼品をもらえて応援もできる

画像出典:ふるさとチョイス(ランキングは集計時期によって異なります)

「生命の星・地球博物館」の日本の昆虫展示を拡充する挑戦は、ふるさと納税や寄附を活用して支援を募っています。

ここからは、以下の3点をご説明いたします。
(1)寄附の特典
(2)寄附金の目標額と募集期間
(3)応援(寄附)の方法
順に見ていきましょう。

(1)寄附の特典

神奈川県に1万円以上の寄附(ふるさと納税を含む)を行い、「生命の星・地球博物館(生命展示室の昆虫コーナーの拡張と展示コンテンツの大幅な充実)」を指定してくださった方には、金額に応じて、以下の4つの特典をご用意しています。

①特別講演会への招待
寄附金1万円以上で、「生命の星・地球博物館」館長の特別講演会へご招待します。
1口につき、対象は寄附者ご本人1名様です。2名様で参加希望の場合は1万円×2口の寄附が必要となります。合計2万円にせず、2口に分けてください。

②整理休館日の博物館への招待
寄附金3万円以上で、普段一般公開していない整理休館日の博物館へご招待します。通常は禁止されている三脚での写真撮影も可能です。寄附者ご本人様と同居のご家族(年齢制限なし)1名様までが対象です。
口数でカウントされるため、仮に大人2名、お子さん2名の4人家族でご参加希望の場合、お父様1口、お母様1口の寄附をしていただくと、ご家族全員で参加できます。

③博物館の収蔵庫見学
寄附金20万円以上で、普段一般公開していない収蔵庫を学芸員がご案内します。所要時間は1時間半。寄附者ご本人様と同居のご家族1名様までが対象です。

④標本箱への陳列作業
寄附金50万円以上で、収蔵庫見学と展示する昆虫を標本箱に陳列する作業を体験できます。所要時間は6時間。寄附者ご本人様と同居のご家族1名様までが対象です。

この展示は、10年、20年、その先の未来まで博物館に残ります。「あの昆虫は、子どものころにお父さんと一緒に展示したんだ」「これは、おじいちゃんと並べた思い出の昆虫なんだよ」。世代を超えて語り継がれる、特別な思い出となるはずです。

特典の詳細は2025年3月に博物館のホームページでお知らせし、同年11~12月に実施する予定です。

(2)寄附金の目標額と募集期間

目標額は750万円です。この資金で、ケースを壁に固定する金網や照明など、展示に必要な設備を整える予定です。2024年12月27日時点の申込額は352,000円。まだ目標額の5%に届きません。みなさまのご協力が必要です。

寄附金の募集期間は2025年3月31日までです。(目標額に達した場合は、期間内でも募集を締め切る可能性があります)

(3)応援(寄附)の方法

応援の方法は神奈川県にお住まいの方と、神奈川県以外にお住まいの方で異なります。先に共通事項をお伝えし、次に、神奈川県にお住まいの方と、神奈川県以外にお住まいの方の応援の方法をご紹介します。

【共通事項】
寄附先は「神奈川県」です(神奈川県内の市町村ではありませんので、ご注意ください)。寄附申込後の「アンケート」に、事業プラン番号の「240102」または「生命の星・地球博物館(生命展示室の昆虫コーナーの拡張と展示コンテンツの大幅な充実)」と記載してください。

2025年2月2日までに寄附する際は、ふるさと納税サイト「ふるさとチョイスGCF」の利用がおすすめです。特設サイト「【県立博物館】昆虫コーナーの展示を充実させたい!」が開設されており、スムーズな寄附が可能です。「お礼の品を選んでこのプロジェクトへ寄附をする」をクリックして進んでください。

利用可能な寄附サイトの一覧はこちらから確認できます。寄附の方法の詳細は「生命の星・地球博物館」のホームページにも掲載されています。

【神奈川県にお住まいの方】
神奈川県内にお住まいの方は、通常の寄附として応援が可能です。確定申告などで寄附控除の対象となり、金額が1万円以上の場合は(1)の寄附金特典を受け取れます。返礼品はつきませんが、上記のふるさと納税のサイトを利用して寄附ができます。

【神奈川県以外にお住まいの方】
ふるさと納税制度を利用することで、税制上の優遇措置を受けながら応援できます。返礼品付きのふるさと納税を選択すると、通常通り返礼品が受け取れます。さらに金額が1万円以上の場合は(1)の寄附金特典も受け取ることができます。

未来へつなぐ昆虫の展示

応援メッセージの展示コーナー

昆虫の多様性は全生物の中でもトップレベルです。日本には3万種以上の昆虫が生息し、そのうち神奈川県内だけで1万2,000種以上が確認されています。

渡辺さんはヒメバチ研究の第一人者。新種の名前を180種も命名した実績を持ちます。このプロジェクトには、昆虫の多様性を伝えることで子どもたちの観察力や好奇心を育みたいという強い思いが込められています。

「生命の星・地球博物館」の昆虫展示拡充の目的は、単に展示数を増やすことではありません。子どもたちが身近な昆虫に出会い、自然への興味を育むきっかけとなる場所を作ること。その感動を次の世代へとつなぐこと。それが、このプロジェクトの本当の目的です。

館内には応援メッセージを展示するコーナーも。プロジェクトの支援は、博物館でも受け付けています。展示を見て、実際の活動を確かめた上で、その場で寄附することもできます。

「1番の特典は、実際に博物館に来たときに日本の昆虫に出会えることです。子どもたちの目が輝く瞬間を、ぜひ見に来てください」と渡辺さんは笑顔で語ります。

あなたのご支援が、子どもたちと昆虫との出会いを生み出します。未来の自然科学者を育むかもしれない、この挑戦に、ぜひご協力ください。

「生命の星・地球博物館」の基本情報

箱根にほど近い神奈川県小田原市にある「生命の星・地球博物館」は、箱根登山鉄道「入生田(いりうだ)」駅から徒歩3分とアクセス抜群。無料駐車場も110台完備しています。

【住所】〒250-0031 神奈川県小田原市入生田499
【開館時間】午前9時~午後4時30分(入館は午後4時まで)
【休館日】月曜日(祝日・振替休日にあたる場合は翌平日)、館内整備日(8月を除く、原則として毎月第2火曜日、12月・1月・2月の火曜日)、年末年始
【観覧料】20歳以上65歳未満(学生を除く)520円、15歳以上20歳未満・学生(中学生・高校生を除く)300円、高校生・65歳以上100円、中学生以下無料

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この記事を書いた人

藤本ゆう子

【神奈川県公認Mediallライター】神奈川県小田原市在住。 おいしいもの・旅行・美術館が大好きで、日々の体験や取材記事を「伝わる言葉」で届けています。 教育・旅行分野を中心に、わかりやすく読者の心に響く文章を執筆。新たなジャンルにも積極的に挑戦しています。 ◆保有資格:クラウドワークス WEBライター検定1級、化粧品検定2級

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