
横浜市磯子区文化センター 杉田劇場を活動拠点にする「杉劇リコーダーず」。18年ほど前に横浜市磯子区民の発案で結成された、リコーダー・アンサンブルです。
リコーダーを通じて、磯子区内だけでなくその他のエリアでも演奏会をするなど、地域に貢献する活動は横浜市でも注目されています。
「杉劇リコーダーず」は、小学生から80代までの幅広い世代の方が音楽を楽しんでいるのが大きな魅力。今回は、そんな「杉劇リコーダーず」を紹介します!
横浜市磯子区発!区民参加型「杉劇リコーダーず」とは

「杉劇リコーダーず」は、2006年7月に結成。磯子区民の方による発案で生まれた、区民参加型のリコーダー・アンサンブル。
メインで使う楽器は、もちろんリコーダー。学校の音楽の授業で、誰もが一度は触れたことのある楽器ですよね。ソプラノやアルト・リコーダーは、たいていの方は持っていたのではないでしょうか。

おなじみのソプラノやアルトだけでなく、テナーやバスなど普段はあまり見かけないリコーダーを加えた、4つのパートで演奏をしています。

メンバーは小学生からシニア世代まで、年齢も性別もさまざま。始めは12人の小さなグループでスタートしましたが、現在は約50名が在籍するまでになりました。

練習場所は、横浜市磯子区文化センター杉田劇場のリハーサル室。練習は6月から翌年3月までが1クール。練習日は年によって変わりますが、だいたい月2~3回で、練習時間は約2時間。

メンバー募集の時期は毎年6月頃からと決まっていますが、区民ならだれでも参加できるのが特徴。楽器の演奏をしたことがない。譜面の読み方がよくわからないといった音楽初心者の方も参加されています。
参加の条件は、次の通り。
- 磯子の街がすきなこと
- リコーダーを愛する気持ちがあること
- 楽器を用意できること
これらの条件に当てはまれば、どなたでも参加できます。

過去には、テレビ番組『題名のない音楽会』に出演。さらに音楽の教科書にも掲載されるなど、区民参加型のアンサンブルの枠を超えた活躍をしています。
指導にあたるのはリコーダー界の重鎮、吉澤実先生

「杉劇リコーダーず」の指導にあたるのは、日本リコーダー界の重鎮ともいえる、吉澤実先生。
吉澤実先生は、リコーダーのみならずフルート奏者としても知られ、海外でも活躍される「笛のスペシャリスト」。約20年間、NHK教育テレビ「ふえはうたう」や「趣味悠々」などの講師も務め、後進の育成や執筆に至るまで、音楽に関するさまざまなお仕事をされています。

そんな吉澤実先生は「杉劇リコーダーず」結成当初から指導されていらっしゃるとのこと。
リコーダーを通じて「メンバーのみなさん、ひとりひとりが持っている内なる感情や個性などを引き出し、紡いでいく」ことをモットーに指導しているのだそう。
「音楽は聴こえるものだけが音楽ではないんです。聴こえない音や間も聴いて、せまいものを広く感じる力を身につけてほしいですね」と語る吉澤実先生。

やさしく、わかりやすい指導が特徴。「ソプラノはバスの音に融合するように」「水をかくような抵抗を感じながら演奏してみて」「強い音も表にパンと出すのではなく、内面に強く感じるような音を」と、練習中にメンバー全員に語りかけます。

時には冗談を交えたり、武闘家のマネをしたり、コスプレをしながらメンバーのみなさんを楽しく導いているのが印象的でした。
こんなすてきな先生の指導を受けられることもあり、「杉劇リコーダーず」のメンバーは長く在籍されている方が多いのも頷けます。
定期演奏会に向けて、和やかに練習中

2025年3月22日(日)、横浜市磯子区文化センター杉田劇場にて、「杉劇リコーダーず」は定期演奏会を開催します。
取材に伺ったのは2024年12月22日で、定期演奏会に向けて熱のこもった練習をしていました。

「杉劇リコーダーず」に約18年間在籍しているバス・リコーダー奏者の方は、活動や定期演奏会について、こんな風に語ってくれました。
「何と言っても達成感が味わえる定期演奏会が楽しいです。リコーダーは音がかんたんに出る分、緩急をつけた演奏をするのに技術がいる楽器。みんなの音がピタッと合ったと感じたとき、うれしくなりますね」

定期演奏会は「杉劇リコーダーず」主催のメイン・イベントなので、そこに向かって一丸となって練習していますが、間に行われるさまざまなイベントでも演奏しています。
当サイトでも取材した「横浜ハンマーヘッド5周年記念ライブ」や静岡県御殿場市の障害者支援施設での演奏会。沖縄県の宮古島まで演奏に行くなど、その活動は横浜市内だけにとどまりません。

2023年から参加しているアルト・リコーダーの奏者の方は、静岡県御殿場市の障害者支援施設での演奏会に参加し、モチベーションがさらにあがったそう。
演奏会を経験しただけでなく、「杉劇リコーダーず」を通して、これまで知らなかった世界を知れたことが、大きな糧となったと語ってくれました。

地元のお祭りやイベントなど、お声がかかれば可能な限り出向く方針にしているそうです。
定期演奏会では曲の演奏だけでなく、詩の朗読なども入るとのこと。約50名のメンバーが奏でる音は圧巻。

リコーダーのノスタルジックでかわいらしい音色だけでなく、ダイナミックなプレイも楽しめる定期演奏会に行ってみたくなりました。
まとめ

「杉劇リコーダーず」は、横浜市磯子区に暮らすだれもが音楽を通じてつながれる楽しく温かい場所です。リコーダーを通じて、世代や立場を超えた交流が広がります。
音楽が好きな人はもちろん、何か新しいことを始めたいと思っている方にもおすすめ。指導の吉澤実先生やメンバーの方は、みなさんやさしくて感じのよい方ばかりでした。

メンバー全員が楽しみにしている定期演奏会。ぜひ、2025年3月22日に横浜市磯子区文化センター 杉田劇場で開催される「杉劇リコーダーず」の定期演奏会に行ってみてくださいね。
取材場所:横浜市磯子区文化センター 杉田劇場
住所:神奈川県横浜市磯子区杉田1-1-1 らびすた新杉田 4階
アクセス:JR根岸線・京浜東北線「新杉田駅」下車 徒歩約3分
京浜急行線「杉田駅」下車 徒歩5分
TEL: 045-771-1212
開館時間: 9時 – 22時(施設点検による休館日あり)
休館日:毎月第二火曜・年末年始
駐車場:あり(有料)
ホームページ: https://www.sugigeki.jp/
Instagram アカウント: @sugita_gekijou
YouTube:杉田劇場
Google マップ:
※休館日やイベントは変更となる場合がありますので、最新の情報は公式ホームページ等をご確認ください。