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もの・こと  |    2025.04.03

世界に誇れるIT産業を福島から。郡山市の学生起業家集団が描く未来

地元の未来にさらなる光を

 「福島県で、世界に誇れるIT産業を築きたい」。地元の活性化を願う福島県郡山市の大学生5人組が、今年2月に教育系IT企業「Stands Us」を設立した。「ITのわくわくを伝える」「ITを通して成長し続ける」「学びと可能性を広げる」という3つの柱を企業理念に掲げ、α世代(デジタルネイティブ世代)特化型のプログラミングスクール運営やITの魅力を子どもたちに伝えるイベントの企画をメインに活動している。

大学での学びを活かして地域を盛り上げたい

 Stands Usのメンバーは日本大学工学部情報工学科2年の小貫譲司さん、阿部雅史さん、五十嵐舜太さん、 小圷来夢さん、伊藤歩夢さんの5人。Stands Us代表を小貫さんが務めている。


 設立のきっかけは、昨年11月。幼い頃から起業を志していた小貫さんが「大学での学びを活かし、地元地域の発展に貢献する会社を興したい」との想いを学友たちに打ち明けた。小貫さんの熱い想いに共感した阿部さん、五十嵐さん、小圷さん、伊藤さんが「譲司の目指す未来を一緒に支える」と共に立ち上がった。

Stands Usのメンバー。左から阿部さん、五十嵐さん、小貫さん、小圷さん、伊藤さん

情報教育で社会課題を解決する

 創業に向けて、まずは「福島県内の不登校生徒数」と「ひとり親世帯」に着目した。文部科学省が実施した全国の小中学校における不登校やいじめなどの調査(令和5年度)では、福島県で約4300人余りが不登校という結果が出ている。

「情報教育で子どもたちひとり一人の可能性を広げることが、地域の発展に繋がる」。
Stands Usは、
①不登校の子どもが安心して学べるプログラミングスクールを創り「個別の状況に応じた学びの機会」を生み出す
②親子で共にプログラミングを学ぶカリキュラムを用意し、ひとり親世帯を中心に、親子の絆を深める機会をサポートする
ことを事業の方向性として固め、情報教育の観点から福島県内のIT人材育成・人材増加にアプローチすることで地域IT産業の活性化を企図した。

子どもたち一人ひとりの個性に寄り添い、学ぶ楽しさを伝えて

 現在Stands Usでは、郡山市の学習塾「佐藤塾」と共同で、小学生向けのプログラミングスクールを運営している。プログラミングスクールでは「ゲームの時間をプログラミングに変える」という考えのもと、「ゲームをする → ゲームを作る → プログラミングを学ぶ」というプログラミングのカリキュラムをゲーム感覚にするプロセスを打ち出し、「やる気」「集中力」のベクトルをプログラミング学習へと向かわせる仕組みを確立した。

 具体的には、ブロックを組み合わせてプログラムを作成する「Scratch」やビデオゲーム「Minecraft」を用いたプログラミング指導を行っている。

 プログラミングスクールに加えて、Stands Usでは、郡山市でひとり親家庭を支援している団体と共に、小学生から高校生を対象とした学習支援を実施している。オンラインで月に一度、教科問わず1時間サポートしている。

プログラミング指導の様子

宇宙サミットin福島

 そして今年8月にはStands Usが中心となり、郡山市の日本大学工学部キャンパスにて、JAXA関連企業のエンジニアによる講演や、小中学生・高校生によるグループディスカッションなどを盛り込んだ「宇宙サミットin福島」を企画している。「宇宙」をテーマに科学技術の魅力を子どもたちに伝え、創造力・表現力の向上や、将来の進路、キャリアの選択肢の拡大に繋げる。

子どもが学ぶことの楽しさを知れる「きっかけ」を

 このほか、小中学生向けのプログラミング検定や資格、長期的なゲーム開発プログラム、プログラミング大会など、長期的に子どもたちの「やる気」「達成感」「継続力」を伸ばすことのできる事業を構想している。

 「学校や企業、地域と共に未来を創造し、教育を通じて日本のIT発展と社会の成長に貢献したい」。Stands Usのメンバーは、力強く未来を見つめ、子どもが学ぶことの楽しさを知れる「きっかけ」を生み出し続ける。

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この記事を書いた人

今野 花菜

宮城県出身・宮城県在住。「人の心が通じ合うこと」が社会に笑顔を増やすために必要なことのひとつと考え、「想いは別の誰かの力になる。人々の想いを繋ぐ仕事がしたい」と、自分も幼いころ新聞に取り上げていただき、想いをつないでもらえた経験から、記者として地方新聞社に勤務後、フリーライターとして活動を開始。

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