秋田県の秋は、山も滝も湖も全てが黄金色に染まる素敵な季節。
今回は、風景写真家の筆者が実際に訪れた紅葉の絶景3選「鳥海山・善神沼(ちょうかいさん・ぜんじんぬま)」「栗駒山」「安の滝(やすのたき)」をご紹介します。
はじめに
「秋田の紅葉」と聞くと、皆さんどんなイメージをお持ちでしょうか?
この季節、山々は瞬く間に黄金や朱に染まり、まるで絵画のような風景が広がります。
この記事では、風景写真家の視点から見た、秋田で必ず訪れたい紅葉スポット3選をご紹介します。
自然が見せる秋の美しさを、ぜひ感じてもらえたら嬉しいです。
鳥海山・善神沼|鏡のように映る「天空の紅葉」

鳥海山の秋、ここでしか見られない光景
秋田と山形の県境にそびえる「鳥海山」。
東北屈指の名峰として知られ、紅葉シーズンには中腹の「善神沼(ぜんじんぬま)」が幻想的な風景を見せてくれます。
風が止まると、水面には赤や黄色の紅葉、そして鳥海山の姿が鏡のように映り込み、息をのむほどの美しさです。
撮影・観賞のベストタイミング
例年10月上旬〜中旬が見頃。
風の弱い朝に、湖面のリフレクションが美しく現れます。
日の出直後〜午前9時頃がおすすめ。
鳥海山の初冠雪が早いと、紅葉と雪化粧が同時に見られる年もあります。
アクセスと注意点
由利本荘市から国道108号を経由し、矢島口登山道方面へ。
駐車場から坂を下るとすぐに到着します。
リフレクションは沼の中に入っていかないと見れないため、本格的に撮影したい方は長靴を持っていくといいでしょう。
※2025年10月1日現在、木々が繁茂し、散策道の安全が確保出来ない状況のため、立ち入り禁止となっております。(由利本荘市観光協会公式サイトより)
栗駒山|「神の絨毯」と呼ばれる紅葉のパノラマ

山全体がキャンバスになる秋
「東北の紅葉といえば栗駒山」と言われるほどの人気スポット。
標高1,626mの山肌一面が赤・黄・橙に染まり、「神の絨毯」と呼ばれるほどの美しさです。
登山初心者にもやさしいルート
須川高原温泉側からの登山コースが人気。
早い人だと1時間半ほどで山頂に到達でき、途中の「昭和湖」では蒸気が立ち上るエメラルドブルーの湖面と紅葉のコントラストを楽しめます。
標高差があるため、下山時には登山道入口にある須川温泉でのんびり体を癒やすのもおすすめです。
ベストシーズン
10月初旬〜中旬がピーク。
天候が安定し、朝夕の冷え込みで色づきが一層深まる時期です。
安の滝|日本の滝百選に輝く「紅葉の楽園」

滝と紅葉の競演が見事
北秋田市・阿仁地区にある「安の滝(やすのたき)」は、日本の滝百選にも選ばれた名瀑です。
落差が90メートルを超える二段の滝と、周囲を包むブナやモミジの紅葉が見事に調和します。
滝までの道のりも楽しい
滝までは徒歩約40分のトレッキングコース。
途中、渓流のせせらぎや鳥の声が聴こえることも。
道は整備されていますが落ち葉で滑りやすい箇所があるため、トレッキングシューズがおすすめです。
撮影のコツ
午前中の光が柔らかい時間帯に訪れると、水しぶきが虹のように輝きます。
滝の全景を撮るなら、展望デッキから広角レンズを使用するのがおすすめです。
まとめ|黄金色の季節に、秋田でしか見られない景色を

秋田の紅葉は、どのスポットもそれぞれ魅力的です。
鳥海山では静寂の湖面に映る秋、栗駒山では圧倒的な神の絨毯、安の滝では自然の雄大さを感じられる水の流れ。
写真を撮る人も、ただ自然に癒されたい人も、秋田の紅葉はきっと心に残る時間をくれるはず。
地元グルメや温泉も一緒に楽しみながら、秋田の紅葉を満喫してみてください。
鳥海山・善神沼
住所:秋田県由利本荘市矢島町元町
アクセス:由利高原鉄道・矢島駅から車で約40分
栗駒山(須川高原温泉口)
住所:秋田県東成瀬村椿川字仁郷山国有林
アクセス:秋田市内から車で約2時間半
安の滝
住所:秋田県北秋田市阿仁打当字仙北沢外11国有林
アクセス:秋田内陸縦貫鉄道・阿仁マタギ駅から車で約30分、「安の滝登山口」から徒歩約40分
Akari




