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人  |    2025.07.17

「誰かの“好き”に寄り添えるものをずっとつくっていたい」|アミューティ代表 津本美千子さんインタビュー【後編】

小さなときめきが、誰かの背中をそっと押してくれる。

前編では、津本さんが服飾からアクセサリーの世界に飛び込み、自身のブランド「三丁目六番地Tokyo」を立ち上げるまでの軌跡を伺いました。

後編では、製品づくりの裏側や、お客様と日々向き合うなかで大切にしている想い、そしてこれからの展望について、さらに深く掘り下げていきます。ものづくりに込められた「やさしさ」と「情熱」の源を、ぜひ感じてみてください。

前編はこちら

【東京都墨田区】津本美千子さんインタビュー|アクセサリーブランド創設までの33年間【前編】

■ 「三丁目六番地Tokyo」という名前に込めたもの

2020年10月、長年の経験と技術を注ぎ込んだアクセサリーブランド「三丁目六番地Tokyo」が誕生しました。ネーミングのインパクト、細部にまでこだわり抜いた仕上がり、そして“ここでしか買えない”と評される着け心地。そのすべてに、津本さんの美意識が宿っています。

「まず、東京発のブランドであることを名前から伝えたかったんです。それに、耳に残ってどこか懐かしい響きがある。そしてインパクトがあるけれど、押しつけがましくない。そんな名前を探していた時、“三丁目六番地”という言葉がふと浮かんで、ソウルナンバーを調べたらしっくりきたんです」

ブランド名には読みやすさ・言いやすさだけでなく、津本さんのルーツや直感も反映されています。都内の展示会やポップアップでは、そのネーミングと商品力の相乗効果で、着実に認知を広げています。

■ デザインの軸は「誰でも楽しめる、でもどこにもない」

三丁目六番地Tokyoのアイテムは、一見シンプルでありながら、どこかに「あ、ちょっと違う」と感じさせる魅力があります。

「尖りすぎると日常で使いにくくなる。でも、”どこにでもある”に落ち着くのはつまらない。そのちょうどいいバランスを大切にしています。たとえばイヤーカフなら、耳に負担がなくて長時間つけられることが大前提です」

デザインだけでなく、着け心地や使いやすさも徹底的に追求。実際に何度も職人の方と試作品を製作しながら完成させるといいます。

「アクリル、真鍮、シルバー。それぞれに信頼している下町の職人さんがいて、その技術の高さにはいつも驚かされます。手で削っているのに、まるで型に入れたように仕上がるんです」

静かな工房に響く研磨の音。無駄のない動きに、年月の積み重ねがにじみます。

「同じ素材でも、職人さんの手にかかるとまるで表情が違ってくるんです。それぞれの素材が一番美しく見えるように、角度や厚み、光の入り方まで計算してくれていて。私の中で漠然としていたイメージが、彼らの手を通して“カタチ”になる。その瞬間が、ものづくりの中でいちばんわくわくするんです」

■ 対面で届く「あなたのだから選びました」という声

展示会やポップアップイベントでお客様と直接話す時間は、津本さんにとって特別なものだといいます。

「“ここで買ったイヤーカフじゃないともう無理なんです”とリピートしてくださるお客様や、SNSで毎日のコーディネートと一緒に身につけてくださっているインフルエンサーの方も対面販売の時にご購入いただいています。そういう“自分だけのとっておき”として選んでもらえることが何よりの励みです」

Instagramでは、コーディネートの一部として三丁目六番地Tokyoのアクセサリーを日々紹介してくれるファンも増加中。リアルとオンラインの両軸で、ファンに選ばれるブランドとしての地位を着実に築いています。

■ 百貨店品質を「もっと自由に・身近に」

現在、三丁目六番地Tokyoはオリジナルブランドの展開に加えて、百貨店ブランドのOEM制作も行っています。

「百貨店は品質チェックがとても厳しいんです。最初は何度も返品されました。でもその経験を経て、製品の完成度をさらに磨くことができました」

その厳しさがあったからこそ、今では百貨店クオリティの製品をブランド独自のクリエイティビティで展開できるようになったといいます。

■ さりげなく、特別。三丁目六番地Tokyoの逸品たち

「日々の暮らしに、ほんの少しのときめきを。」
三丁目六番地Tokyoが大切にしているのは、「さりげなさ」の中に宿る特別感。
身につける人の想いに寄り添いながら、ふとした瞬間に心を灯すようなアクセサリーたち。そんな世界観を体現する3つのおすすめアイテムをご紹介します。

【Ice Ear Cuff & Pinky Ring(#5)】¥4,180 税込 アクリル製

まるで氷が溶けはじめた瞬間を閉じ込めたような、やわらかなカットが魅力のイヤーカフ。耳元にさりげなく光を集めるデザインは、エレガントなのにどこかラフで、日常にも特別な日にもぴったりです。

内側は丸みを帯びたラインで仕上げているので、サイズが合えばピンキーリングとしても楽しめます。微細な口開きサイズは、職人さんが0.1mm単位で調整し、丁寧に仕上げました。

世代を問わず人気のアイテム。ポップアップではいつも、幅広い年代の方が「これ、探してた!」と手に取ってくださいます。

ひとつでふたつの表情を。あなたらしい使い方で、毎日をちょっとだけ輝かせてみませんか?

【Meteor Shower(流星群)Bangle】¥8,800 税込 アクリル製

夜空にふと願いをかけたくなるような——
そんな気持ちから生まれたシリーズです。

透明な板に、金糸と銀糸を重ねた瞬間、まるで流星群のようなきらめきが生まれました。直感で「これだ」と感じ、2枚の板を重ねて、オリジナルの素材を制作。さらにもう1色、「宇宙」をイメージしたベージュマーブル×金糸も加えました。

デザインはできる限りそぎ落とし、けれども印象に残る存在感を大切にしています。

「見るたび、願いを重ねて叶いますように。」
そんな想いを込めて。
バングルは、春夏は素肌に、秋冬はニットの上から。
季節を問わず、あなたのそばで輝きます。

【Water Surface Bracelet (M / L) 2サイズ展開】¥8,580 税込 アクリル製

一般的なアクリルバングルのイメージをくつがえす、
まったく新しい発想から生まれた一本です。

板を曲げるのではなく、厚みのあるアクリルをバングルの形にカットし、カット面はすべて職人が手削りで丁寧に仕上げました。工程を減らして価格を抑える案もありましたが、それでは理想に届かず。最後はコストよりも「納得」を選び、ようやく形になった一作です。

“氷が溶けはじめた”ような、丸みを帯びたカット。水面のゆらめきを思わせる透明感。控えめなのに目を惹く存在感は、時計のような感覚で日常にすっと溶け込みます。

春夏の素肌にも、秋冬のニットにも寄り添う、
一年を通して楽しめるバングル。

33年のものづくりの中でも、とびきりの自信作です。

■ 「一人でも、必要としてくれる人がいるなら作り続けたい」

アミューティの今後の事業展開は、OEMでの製品づくりと並行しながら、三丁目六番地Tokyoのブランドの認知をさらに高めていく展開を計画しています。

「33年、長かったようで走り抜けてきた感じです。でも今、自分が納得できるものを作れるようになって、ようやく“ここから再スタートだ”と思えています」

三丁目六番地Tokyoのアクセサリーは公式ECサイトで購入可能。そして展示会やポップアップイベントの開催も予定しており、最新情報はSNSや公式サイトで随時発信中です。

つくることをやめなかった人の言葉に、背中を押される

取材を通じて強く感じたのは、津本さんのものづくりに対する一貫した誠実さと、時代に流されない芯の強さでした。

たとえ環境が変わっても、つくることをやめなかった人の言葉には、どこか静かな説得力があります。
そして何より、その“つくる”の先にいる「誰か」のことを、いつも想っている——。

だからこそ、三丁目六番地Tokyoのアクセサリーは、見るだけで終わらない。身につけたとき、ふっと気持ちが上を向くような、そんな“あと押し”をしてくれる存在です。

人生の転機を経て生まれた、温度のあるアクセサリーたちは、きっとあなたの毎日にも静かに寄り添ってくれるはずです。ひとつひとつ丁寧につくられた“とっておきの一点”を、ぜひ手に取ってみてください。

店舗情報
事業者名アミューティ(amueux T)
取り扱いブランド三丁目六番地Tokyo
公式ECサイトhttps://36tokyo.official.ec/
Instagramhttps://www.instagram.com/36tokyo/
Facebookhttps://www.facebook.com/amueuxT
X(旧Twitter)https://x.com/amueux9

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この記事を書いた人

ハラカズコ

大田区出身・在住のメディアライター&アロマクリエイター。普段はアロマ・フレグランスに関するお店「KAORINO/カオリ乃」の店長をしています。Mediallでは多種多様な文化や伝統、価値観が混ざり合ってモノづくり・まちづくりをしているカオス・レトロ・最先端な大田区、そして東京の魅力を発信します。

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