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聖地  |    2024.03.04

「渡良瀬橋」歌手 森高千里さんの名曲に登場する橋は実在する?【後編】

前編では、森高千里さんの名曲「渡良瀬橋」に登場する実在の「渡良瀬橋」と渡良瀬橋から見る風景、そして歌碑についてご紹介しました。

後編では、実在する曲中の名所や名所にまつわるエピソード、楽曲「渡良瀬橋」の意外な使われ方をご紹介します。

八雲神社

曲のサビに「今でも 八雲神社へお参りすると あなたのこと祈るわ」とありますが、八雲神社も実在します。八雲神社はこちらです。

平安時代前期860年頃に建てられ、1000年以上の歴史ある神社となります。
栃木県足利市緑町にあり、主祭神は牛頭天王・素盞嗚男命(スサノオノミコト)です。

由緒ある神社で、創建は日本武尊命(ヤマトタケルノミコト)が東征の際に、出雲大社の御祭神を勧請したのが由来とされています。
貞観11年(869年)に清和天皇が京都の八坂神社、愛知の津島神社と共に八雲神社を勅願所と定め、東国の第一勅願所となりました。
また、鎌倉幕府 初代将軍 源頼朝の祖先に当たる源頼家や、その長男である義家は、前九年の役・後三年の役に際し、戦勝祈願をした神社となります。
古くから名だたる武将の戦勝祈願や、地域住民の信仰を集めてきた足利市を代表する神社の1つです。

拝殿がこちらです。

ヒノキ材で建てられたまだ真新しい雰囲気の神社です。
2017年12月に再建されましたが、2012年12月に発生した火災が原因で焼失しています。

ここで再建に関する奇跡のようなエピソードがあります。使用された木材は伊勢神宮の式年遷宮(建て替え)に伴い解体された社殿「月読荒御魂宮(つきよみのあらみたまのみや)」のヒノキ材になります。
様々な偶然が重なり譲渡が決まったそうですが、伊勢神宮のヒノキ材が使用されることは、全国的にも珍しく極めて稀です。
八雲神社は強運の神社ですね。
再建したばかりの頃に参拝に来ましたが、ヒノキのよい香りが神社周辺に漂い、とても神聖な気持ちになったことを覚えています。

森高さんはコンサートの収益金、ファンの皆さんは募金を募るなどして多額の寄付が集まり、多くの方の支援・協力により再建となりました。

森高さんご本人が植樹された藤の木も境内にあります。

2013年3月、足利市内にある「あしかがフラワーパーク」から移植しました。
毎年ゴールデンウイーク頃には見事に咲き誇ります。

渡良瀬橋がデザインされた御朱印帳もあります。

オリジナル御朱印帳で、日本全国でも扱われているのは八雲神社だけです。
森高さんファンだけでなく、御朱印帳を集めるのが好きな方にとってもたまらない御朱印帳ですね。

足利市は神社仏閣が多い街なのですが、市内には八雲神社が多数存在し、足利市役所が把握しているだけでも最低8か所はあります。
森高さんご本人も「曲中の八雲神社はこの神社です」と断定していませんが、八雲神社といえば緑町の八雲神社をご紹介しています。

床屋の角の公衆電話

「床屋の角にポツンとある 公衆電話覚えてますか」の公衆電話。
主人公の女性が別れてしまった彼と連絡を取りたくて、何度も受話器を取ったと歌っている公衆電話はこちらです。

交差点の角にある床屋の前にポツンと電話ボックスがあります。まさに歌の世界そのままです。床屋の名前は「BAR BER OZAWA」です。

電話ボックスの中に入ってみました。

まだ電話を使用できます。携帯電話の普及が進んでいる現代において、公衆電話の存在自体が珍しく、街中で見かけることはなかなかありません。

ここで、曲に登場する公衆電話にまつわる心温まるエピソードがあります。

1990年代後半には携帯電話が急速に普及し、公衆電話の需要は減っていく傾向にありました。それに伴い、全国的に公衆電話の撤去が徐々に進みました。
2008年には「渡良瀬橋」の公衆電話も撤去の話があがったのですが、「BAR BER OZAWA」店主と足利市がNTTに掛け合ってくださいました。
「今でも多くの森高さんのファンが公衆電話を見に来てくれているので、撤去は中止にしてくれないでしょうか」とお願いし、今でも残っているのだそうです。

駅のホームで流れる「渡良瀬橋」

「電車にゆられこの街まで あなたは会いに来てくれたわ」と歌詞にありますが、足利市は電車の到着・発車時のメロディーに「渡良瀬橋」が使われています。
東武足利市駅では到着時に、JR足利駅では発車時に「渡良瀬橋」が流れます。
「渡良瀬橋」が電車の到着・発車時のメロディーで流れるのは、日本でも2駅だけです。
JR足利駅 北口には、森高さんの写真と直筆サイン、そして森高さんからのメッセージが掲示されています。

メッセージには「渡良瀬橋」は思い出深い大切な曲になりましたと感謝の意が述べられています。
また、昨年の栃木県宇都宮市で開催されたライブで「栃木の方は気持ちが温かく、第2の故郷と思っています」と仰ってくださいました。
日本を代表する女性シンガーの森高さんに特別な場所と思っていただけるのは、本当に光栄です。

「渡良瀬橋」後編 まとめ

「渡良瀬橋」に登場する「八雲神社」と「床屋の角の公衆電話」、そして電車の到着・発車のメロディーとして使用される「渡良瀬橋」をご紹介しました。
楽曲「渡良瀬橋」が足利市の街に溶け込み、一部となっているのがお分かりになっていただけたと思います。
ぜひ一度足を運んでいただき、「渡良瀬橋」の世界を味わってみてください。

「八雲神社」の情報

住所:〒326-0816 栃木県足利市緑町1-3776
電話番号:0284-21-8801
八雲神社公式サイト:總社 八雲神社(足利市)公式サイト (yagumojinjya.com)

【最寄り駅】
 JR足利駅 徒歩約30分
 東武野州山辺駅 徒歩約25分

【最寄り駐車場】
 隣接する足利公園との併用駐車場

「床屋の角の公衆電話」の情報

住所:〒326-0814 栃木県足利市通7丁目3134 (BAR BER OZAWA)

【最寄り駅】
 JR足利駅 徒歩約25分
 東武足利市駅 徒歩約25分

【最寄り駐車場】
 織姫観光駐車場(織姫神社昇り口前) 徒歩約10分

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この記事を書いた人

ヒロ

栃木県佐野市に住む40代男性。趣味は旅行、ドライブ、バスケ観戦。佐野市周辺地域は、全国に誇れる観光スポット、食、特産品、名所、歴史など魅力がたくさんあります。記事を通してこの地域の魅力を皆さんに少しでも知っていただき、「行ってみたい!」「来てよかった!」と思ってもらえるような記事を書いていきたいと思います!

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