
社殿・奥之宮・稲荷山への参拝を終えたあとは、穴守稲荷神社ならではの少し個性的なスポットへ。境内の静けさとはまた違った魅力を感じられる、ちょっと特別な場所が待っています。
無窮の鳥居ネオンが導く、神秘の御神穴へ——「ネオン浴」でご利益アップ
稲荷山を下りた後、次に向かうのは「御神穴」。入口付近にある「無窮の鳥居ネオン」が迎えてくれます。

無窮の鳥居ネオンは、ハーフミラーを使った“合わせ鏡”の仕組みで作られていて、人が近づくと人感センサーでパッと点灯します。光が鏡の中で何度も反射して、まるで千本鳥居がどこまでも続いているかのような、不思議で美しい光景が広がります。
その幻想的な美しさは、思わず立ち止まって見入ってしまうほど。
この印象的なネオンを作ったのは、大田区池上に本社を構える「アオイネオン」さん。ネオンサインのデザインから製作・施工までを手がける、ネオンのプロフェッショナルです。
今回の作品も、伝統的な鳥居をモチーフに、現代的な光の演出を加えて仕上げられていて、見る人の心に残るデザインになっています。夜になると、ネオンのやわらかな赤い光が周囲をほんのり照らし、まちの景色にやさしく溶け込みながら、存在感を放っています。
神秘の力を秘めた「御神砂」──穴守稲荷神社の幸運の砂
無窮の鳥居ネオンの参拝後は、御神砂(あなもりの砂)をいただきます。

「幸運の砂」と言われている由来は、以下のような言い伝えがあります。
ある時、老人が漁に出て釣り上げた魚を篭に入れていましたが、中を見るとなんとそこには、湿った砂があるばかり。翌日も翌々日も大漁でしたが、老人が篭をみると、やはり湿った砂があるばかりででした。
老人はい不思議に思い、このことを村人たちに話しました。これは狐の仕業に違いない、と村人たちは稲荷神社を取り囲み、ついに一匹の狐を捕まえました。
狐を哀れに思った老人は、彼を許してそれを解き放しました。それ以降、老人が漁にでると必ず大漁となり、篭には多くの魚とわずかばかりの湿った砂が残るようになりました。老人が砂を持ち帰って家の庭にまいたところ、客が途切れることなく訪れるようになり、老人の生活は豊かになりました。
このお砂は、備え付けの紙袋に入れて自宅に持ち帰り、玄関や寝室に置いておきます。
ラストは水琴窟(すいきんくつ)の音色と花手水を楽しむ
ラストは、社務所の玄関のお向かいにある「水琴窟」へ。

水琴窟とは、地面に甕(かめ)などを埋めて空洞を作り、その中に水滴が落ちる音を響かせて、まるで琴のような美しい音色を楽しむ仕掛けのことです。水滴が静かに落ちる音が反響して、幻想的で心地よい音が広がります。

お狐さまにそっとお水をかけ、静かに腰を低くして耳を澄ませてみると、地面の下からまるでお琴のような、やさしく澄んだ音色が響いてきます。その音は水と音が織りなす小さな奇跡のようで、心にふわりと残ります。

水琴窟の美しい音色と、可憐な花手水を見ていると、とても心が癒されます。
花手水に使われているお花は、季節ごとに内容が変わります。そのときどきの季節感を大切にしていて、旬の花が彩りを添えています。訪れるたびに違った表情を見せてくれるのも、花手水の楽しみのひとつです。
穴守稲荷神社の魅力総まとめ──神秘的な体験と豊かな伝説
穴守稲荷神社は神聖な雰囲気に包まれた静かで心落ち着く場所です。長い歴史を持ち、地域の人々に大切に守られてきたこの神社には、訪れる人の心を癒す力があります。その深い歴史とともに、どこか懐かしさを感じさせる空気も、この場所ならではの魅力です。

美しい景観と霊験あらたかな雰囲気の中で、訪れる人々に心の安らぎと祈りを提供しています。歴史と共に受け継がれるこの神社の魅力は、訪れるたびに感動を与えてくれます。ぜひ参拝にいかれてみてくださいね。
基本情報
・名称:穴守稲荷神社
・住所:東京都大田区羽田5-2-7
・電話:03-3741-0809
・駐車場:あり
・公式HP:穴守稲荷神社
アクセス
・京急空港線
『穴守稲荷駅』より徒歩3分
『天空橋駅』より徒歩5分
・東京モノレール
『天空橋駅』より徒歩5分