こんにちは!Mediallライターのシライシです。
今回は、宮城県の県庁所在地・仙台市の青葉区にある「縛り地蔵尊」に行ってきたので、その模様を紹介しようと思います。
住宅街の一角にある「縛り地蔵尊」。お地蔵様といえば普通なのですが、なんと「縛り地蔵尊」は縄が身体にぐるぐるに巻き付けられているのです。
全国にもいくつか「縛られ地蔵」などという名で、縛られているお地蔵様があるらしいのですが、その一つが仙台にもあります。
ちょっと変わった珍スポットなので、ぜひチェックしてみてください!仙台市について知りたい方は、「緑と水で癒される「小松島公園」をのんびり散策|お子さん連れでも楽しめます」で紹介しているので、ぜひ併せてご覧ください。
「縛り地蔵尊」とは
「縛り地蔵尊」は仙台市青葉区の米ケ袋(こめがふくろ)地区の、広瀬川河川敷公園内にあります。身体に縄がこれでもかというほど巻き付けてあり、何も知らずに見かけると、少し怖い印象を抱くかもしれません。
お地蔵様が縛られているうえ、場所がもともと刑場だったことから、「縛り地蔵尊」はオカルト的な場所としても知られています。
身体が縄で縛られているのは、願掛けの一種のようです。誰かの心をつなぎとめるため、災いをなくすため、苦しみを取り除くためなど、土地ごとで願掛けの種類は変わるそうです。
毎年7月23日と24日には「縛り地蔵尊」の例祭が行われ、年に1回だけ縄がほどかれます。とてもレアな瞬間なので、この日を狙って行ってみるのもアリです。
ここに供養されているのは烈士伊東七十郎重孝(れっし いとう しちじゅうろう しげたか)という人で、仙台で誕生し、米ケ袋の刑場で斬罪に処せられた人物です。
烈士伊東七十郎重孝は「伊達騒動」という、伊達家内で起こった仙台藩の主導権をめぐるお家騒動に深い関わりがあります。
事の発端は、仙台藩3代藩主・伊達綱宗(だて つなむね)。綱宗は酒や女遊びに没頭し、藩の仕事をまったく行っていませんでした。そこで家臣たちは怒り、綱宗は強制隠居させられることになります。
4代目藩主には綱宗の長男である伊達綱村(だて つなむら)が選ばれましたが、当時まだ1歳だったため、周りの大人たちが権力を使うようになります。
そこで、烈士伊東七十郎重孝が仙台藩を乗っ取ろうとしていた伊達政宗の十男・伊達 宗勝(だて むねかつ)を討とうとするのですが、逆に捕らえられてしまいました。
その後、寛文8(1668)年に、当時建てられていた誓願寺(せいがんじ)で烈士伊東七十郎重孝は36歳で斬首。一族も切腹や追放など、重い罪を課せられました。
この一連の「伊達騒動」は『樅ノ木(もみのき)は残った』という小説になっているほか、1970年にNHK大河ドラマで放送されました。
一般的に、身体が縄で縛られているのは願掛けの一種ですが、ここの「縛り地蔵尊」は、正義のために立ち向かった烈士伊東七十郎重孝を弔い、供養するために建てられたとも言われています。
ちなみに、現在ある「縛り地蔵尊」は昭和34(1959)年に再建されたもので、初代は昭和20(1945)年に争いによる火事で焼け崩れてしまったようです。
「縛り地蔵尊」に行ってみた!
ということで、実際に「縛り地蔵尊」へ足を運んだ模様をお届けします!「縛り地蔵尊」は仙台市青葉区米ケ袋の住宅街に突然現れました。


場所自体は狭いですが、赤いのぼりがあるのでわかりやすいとは思います。入口には、「縛り地蔵」と書かれていました。

中に入ってみると、いきなり「縛り地蔵尊」があるのかと思いきや、すべり台と乗り物の遊具がありました。

ここは「米ヶ袋ちびっこ広場」という名前らしく、ちょっとした遊べる広場のようです。

逆側には広瀬川が広がっており、とても心癒される場所でした。

この下にはちょっとした広場があり、私が足を運んだときにはご年配の方々がゲートボールをしていました。
そしてついに、「縛り地蔵尊」のお目見えです…!

赤い頭巾と前掛けは普通のお地蔵様と変わらないのですが、上から下まで、生で見てもしっかり縛られていました。


私はここまで縄でぐるぐる巻きにされているお地蔵様を見たのは初めてだったので、少し唖然としてしまいましたが、これが願掛けの一種として行われていた時代があったことを思うと、歴史を感じられました。
事前に、「縛り地蔵尊」は願掛けの一種として行われていたことを知っているのと知らないのとでは、感じ方が違ってくると思います。
歴史を感じられるので、ぜひ、事前情報を入れたうえで行ってみてください。
ここの「縛り地蔵尊」を訪れることをきっかけに、全国の縛り地蔵・縛られ地蔵をめぐってみるのもおもしろいかもしれません!宮城県にもいくつかあるようなので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
「縛り地蔵尊」の情報
施設の情報
施設名:縛り地蔵尊
住所:〒980-0813 宮城県仙台市青葉区米ケ袋3丁目5−13
アクセス:仙台駅から車で約10分、仙台市地下鉄南北線「愛宕橋駅」から徒歩約15分