いつもは山形県の庄内地方を中心におすすめのスポットを紹介していますが、今回は少し足を延ばして山形県の内陸地方、高畠町にある全国的にもめずらしい神社を紹介します。
犬と猫のための神社
山形県の南に位置する置賜地方。ワインの生産地でも有名な高畠町に犬の宮と猫の宮が対になっているめずらしい神社があります。全国の愛犬・愛猫家が健康祈願に訪れる、知る人ぞ知る犬猫のためのパワースポットです。
規模はそれほど大きくありませんが、ひっそりと佇むその場所は訪れる人に癒しと穏やかな気持ちを与えてくれます。私も毎年お参りに行っています。そのおかげか我が家の猫たちは大きな病気もなく健康に過ごしています。



犬の宮・猫の宮の由来
とてもめずらしい犬と猫のための神社。その神社が建てられた由来を紹介します。
犬の宮
和銅年間(西暦708年~711年)飛鳥時代から奈良時代のころ、都の役人になりすまして村人から年貢を取り立てていた古狸がいました。あるとき、年貢の代わりに子供を差しだすようにといわれた村の人たちは、悲しみ困ってしまいます。その役人を懲らしめようと2匹の犬が放たれて古狸を倒しますが、その二匹の犬まで命を落としてしまうのです。村を大難から救い、村を守った犬を崇め祀ったのが犬の宮の由来です。
犬の宮の入り口、鳥居をくぐるとそこには静かな森が広がります。石段をのぼり少し高いところにひっそりと佇むように宮が建っています。4匹の狛犬が宮を守っていて、お参りにきた人を迎えてくれます。勾配が少しキツイので、帰りも安全に下りていけるように見守っているようです。





猫の宮
延暦年間(西暦782年~806年)奈良時代から平安時代にかけてのころ、この地に暮らす仲の良い夫婦がいました。子供に恵まれなかった夫婦ですが、玉という猫を可愛がって暮らしていました。しかし、その猫は妻から一時も離れないように過ごしたり、便所へ行くときまでついてきて、天井を睨みつけたりする不思議な行動をとるようになります。それをあやしく思った夫婦は、あるとき猫の首を切り落としてしまうのです。切り落としたその瞬間、猫の顔だけが天井に向かっていき、屋根裏に潜んでいた大蛇めがけて噛みつき、退治したそうです。その大蛇は以前2匹の犬に退治された古狸の怨念をもった大蛇でした。夫婦は猫が大蛇から守ってくれていたことを知り、自ら手をかけてしまった猫を手厚く葬るために猫の宮を建てたといわれています。
犬の宮とはまた違った趣きがある猫の宮。鳥居の前には桜がキレイに咲いていました。優しく穏やかな気持ちで鳥居をくぐります。その先には、小さいながらも堂々とした屋根構えの宮があります。屋根の造りは見事なほど手が込んでいて、村の人や夫婦の強い供養の想いが感じられます。





愛犬・愛猫の健康祈願に訪れたい場所
犬の宮、猫の宮はどちらも人を救った犬と猫が祀られています。私たちと暮らしている犬や猫たちは、立派な家族の一員です。私たちは毎日その家族に幸せを与えてもらっています。そんな毎日への感謝を込めて、健康祈願へ訪れて欲しい場所です。通常は無人で観光スポットとしては規模は大きくありませんが、祀られている犬や猫のパワーが感じられる、素敵な神社です。お参りにいくおすすめの時期は春の桜が咲くころ、それも朝早い時間帯です。空気が澄んで鳥がさえずり、とても気持ちがいいです。ほかの人も気にせず、ゆっくりお参りすることができます。
駐車場の一画が「犬猫やすらぎの里公園」となっており、犬猫・小動物のための納骨堂や休憩できる東屋があります。毎年7月には供養祭も行われます。
愛犬・愛猫が健康で健やかに毎日を過ごせるように、お参りにいってみてはいかがでしょうか?




犬の宮・猫の宮の詳細
住所 〒992-0313 山形県東置賜郡高畠町高安910
問い合わせ 犬の宮 0238-52-0229(林照院)
猫の宮 0238-52-2153(清松院)
駐車場 約30台
※敷地内にトイレあり
※年中無休
※近隣に民家があります。マナーを守って参拝しましょう。