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もの・こと  |    2024.09.19

営業マンから人気店オーナーへ転身!「バッグ修理Reterra(リテラ)」寺阪司氏に学ぶ自分らしく生きる方法とは【後編】|愛媛県松山市

大学卒業後、5年間のサラリーマン生活を経て、業界未経験からものづくりの世界に飛び込んだ「バッグ修理Reterra(リテラ)」のオーナー・寺阪司さん。

今でこそ、フリーランスや起業する働き方が認知されてきているものの、2010年頃は「安定」が重視される傾向にありました。やってみたいけど、未経験の仕事に踏み切れない方も多いでしょう。

今回は、起業から今までの経緯や将来の展望などについて、インタビューさせてもらいました。

「実直・ひたむき・熱心」などの言葉がぴったりな司さんから、自分らしく生きるコツを学べる内容です。最後まで見逃せません。

>>>>前編はコチラ

「頼めるのはあなたしかいない」全国から依頼殺到・バッグ修理Reterraとは?【前編】|愛媛県松山市

友人の一言でものづくりが好きだったことを思い出す

インタビューに答えながらも流れるように作業を進める司さん

ーーー未経験の分野への転職だったと思うんですけど、勇気いらなかったですか?

司さん「サラリーマンして2年目3年目ぐらいのときに、友達から人それぞれ戦えるフィールドがあるっていう言葉をもらって。それで自分が戦えるフィールドって何だろうと思ったときに、もの作りが昔から好きだったことを思い出したんです。

縁あって靴職人さんが埼玉にいらっしゃったんで、そこの教室に通い出してから、もの作り楽しいってなりました。いつしか靴職人の方の教室が楽しすぎて、もの作りで飯を食えたら幸せやなって思うようになっていました。

そんなときに東日本大震災があったんです。サラリーマンの安定収入も捨てがたいけど、人生一度きりだからということで会社を辞めました

最初は大変でしたけど、好きこそものの上手なれで、やってると、どんどん上手くなりました。少しずつ仕事をもらえるようになって、食えるようになった感じです」

人生を変えた東日本大震災

高校生の時に初めて作ったという財布のデザイン。ミリ単位でサイズが設計されている

ーーー震災をきっかけに、本当に人生が激変したんですね

司さん「震災があったとき、東京にいたんですけど、テレビをつけるとずっと悲惨な映像が流れてて。広い日本がこんな大変なことなってんのに、僕は東京で何してんだっていう感じで思っていました。人材派遣の営業の仕事って今役に立つんかっていう思いで。

だからといってボランティアに行くような勇気もないし、っていうので悶々としてたんですよ。そんなある日に、友人から一緒に行かへんみたいな感じで誘ってもらったのが、ある起業家の人の講演会だったんです。

講演会翌日に辞表を提出

高校生の時からものづくりに対する熱意は人並み外れている

その人が、『今亡くなられた方々が命をもって伝えたかったことがある。それは今を大切に生きることだよ』って一言目でいわれたんです。その瞬間雷が落ちて、何下を向いて悶々というか、くよくよしてんだと。

もっと楽しく生きろよって、生きたくても生きられへんかった方とかいっぱいいらっしゃるのに、何してんだみたいに、亡くなられた方々からいわれてるような気がして。

前を向いて生きるって何やろうと思ったら、楽しく笑顔で生きる。そして、毎日楽しく生きるってなったら、自分が好きな仕事をする

だったらもう、この先どうなるかわからんけど、サラリーマン辞めて今やってるその趣味のもの作りで、飯食っていこうと思って、その講演を聞いた翌日に辞表を出しました。紆余曲折ありましたけど、今こうやって何不自由なく生活させてもらえてるんで、ありがたいなっていう感じですね」

週7日無我夢中で働く日々

修理関連の道具たち

ーーー行動力がすごいです!修行期間は大変だったんじゃないですか?

司さん「食うのに必死やったっすね。未経験で失敗してもいいからやってみろって感じで、仕事をくださった方がいらっしゃり、当時からご縁に恵まれていました。

週6日修理屋さんで働きながら、日曜日は別の修理屋さんでバイトしてました。それに、許可を得たうえで、仕事が終わったあとも自分で受けた仕事を夜な夜なやらせてもらっていましたね。

修行から一年足らずで、勤め先が新しくイオン系列の修理工場を立ち上げる話になり、そこで2年ほど働かせてもらいました。そのあと愛媛で起業したという流れです。当時はやればやるほど技術も収入も上がるので、楽しかったですね。

サラリーマンを辞めてから東京にいた間はずっと仕事してました。たまにレンタカーに乗ってバス釣りに行く以外は笑」

メディアの後押しを受けた最高のスタート

愛媛新聞にデカデカと掲載された司さん

ーーー起業して自分の能力を最大限発揮されている感じですね

司さん「出だしの頃、移住者という形で結構メディアに取り上げていただいて。その中で一番反響があったのが、愛媛新聞の記事です。半年ぐらい愛媛新聞の特需でした。新聞見ました、っていうお客さんにたくさん来店してもらえました。

本当、ちょうど移住ブームのタイミングに移住してたんで。一時期、愛媛を代表する移住者みたいな感じで、結構取り上げていただきました。

愛媛の移住のパンフレットとかあるじゃないすか。それにデカデカ、乗せてもらったりとか。会社員としてではなく、愛媛で商売してますみたいなのが、大きかったんじゃないすかね。

あともういろいろラッキーというか、この三津浜商店街自体も、松山市が道後についで2番目にプッシュしてる地域なんですよ。

テレビ出演による反響

一つひとつの作業が丁寧に進められていく

そこに移住したっていうのもあって、テレビにも5回か6回出演させてもらっています。1回全国放送にも出させてもらったことありますし。全国放送って市役所にアポっていうか、こういう移住者いませんかみたいな連絡が入るそうです。

そのときに僕がその条件に該当してて、市役所の人から連絡が来て、こういう番組から取材の話がきているんですけどどうですかといわれました。こちらとしては、あざっすみたいな笑

『イチから住〜前略、移住しました』っていうテレビ朝日系列の番組で、日曜日の夜に15分ぐらい丸々取り上げてもらいました。放送中にここの店の紹介みたいな感じで、SNSのアカウントとかをポンッて出してくれはったんですよ。

そしたらFacebookの登録がなり止まず、そのあと全国から10数件ぐらい修理の依頼がありました」

ブルーオーシャンでの商売

職人の手は美しい

ーーー運がいいですね

司さん「そうですね。そもそも愛媛にバック修理屋さんとして看板出してるのうちぐらいじゃないですか。靴修理屋さんとして看板出してて、バック修理も承りますよみたいなお店さんは何件かあります。けどバック修理をメインにしてるとこってないですね。

競合が少ない分、愛媛でバックを修理したいってなったら、グーグルの検索順位で上位にくるんです。

営業マン✕バッグ修理職人=オンリーワン

カラフルなシャツで接客や修理にあたる司さんはセンスの塊

大体職人してる子って、どっちかというと直接お客様とコミュニケーションを取りたがらない人が割と多いっていうか。

基本的にみんな外注で仕事を受けてる人がほとんどですね。自分で店やってる人って周りにはいないので、自分で折衝してどうのこうのっていったら、みんなすげえっていうか、ようやるなっていう話をする。業界的にも、全部一通り自分でやる人って少ないかもしれないです。

僕もどっちかっていうと、人と接する仕事ってあんまり好きじゃなかったんですけど。それはやっぱり営業マンの経験が今に活きてますね。営業経験があったから今これをできてるし、お客様のニーズを聞いてとかそういうこともできるのもそうっすよね。

営業経験が活きてるので、まさに『Connecting the dots(過去の経験が思いもよらなかったことに活かせることを意味)』です。スティーブジョブスの名言ですね。いやけど本当に営業経験しててよかったなと」

ーーー貴重なお話をありがとうございます。

インタビューを終えて

店に飾られている2019年制作の独創的なオブジェ

東日本大震災をきっかけに、本当にやりたい仕事で起業し、自分らしい成功を掴んできた寺阪司さん。

人とのご縁や自治体・各メディアのサポートを受けてきたという話から、司さんは多くの人から愛されたり、幸運に恵まれたりしてきたことがわかります。運命の女神がいるとするなら、本当にやりたい仕事に心血を注ぐ人を応援したくなるのも納得できます。

東日本大震災、講演会、友人のアドバイスなど、司さんのように運命の転機はいつ訪れるのかわからないものです。収入や世間体などの条件ではなく、自分の心に素直に生きることが自分らしく成功するコツなのかもしれません。

>>>>前編はコチラ

店名バッグ修理Reterra(リテラ)
住所〒791-8062
愛媛県松山市住吉1-3-28
営業時間・土・日: 10時から17時
・月:10時から16時
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電話番号089−916−3889
メール・info@reterra-bag.com
・reterrabag@gmail.com
修理依頼方法・電話
・メール
・Instagram

※掲載している情報は2024年8月時点のものです

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この記事を書いた人

渡邉 謙

愛媛県松山市でWebライターとしてお仕事させてもらっています。 県外の出身だからこそわかる、愛媛の人の暖かさや街の魅力。 自信を持ってオススメしたい商品やサービスなどを、わかりやすく発信します。 気になるお店にはぜひ足を運んでください♪

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