
宮城県登米市の長沼フートピアで開催されている「東北風土マラソン」は、全国各地から大勢のランナーが集まるマラソン大会。2014年の開催以降、リピーターが多く私も第1回から参加しています。
では、なぜそんなに人気なのか…?その理由を、実際に走った視点から詳しく紹介します。
走りながら”美味い”を堪能できるエイドステーション
東北風土マラソンでは、エイドステーション(コース上で水分やエネルギー等を補給できる場所)でさまざまな“ご当地グルメ”を食べることができます。しかも、その種類がとても多く、これがランナーを惹きつける大きな魅力の一つ。ちょっと、その一部を紹介しましょう。

秋田県の代表的な郷土料理といえる「いぶりがっこ」。大根を燻製にしたうえで漬け込んだ漬物です。最近は東北以外でも“いぶりがっこチーズ”を提供する飲食店が多いので、ご存じの方は多いかもしれません。汗をかいたランナーにとっては、良い塩分補給にもなります。

こちらは「はっと汁」。開催地である、宮城県の登米地域で親しまれている郷土料理です。小麦粉を練って作られた“はっと”は、モチモチ&ツルツルの食感が特徴的。さらに、同じく登米で昔から伝わる食材である「油麩」も入っており、お腹を満たしてくれました。

こんな高級食材も!?と驚いてしまうのが、「ふかひれスープ」です。宮城県気仙沼市は、なんと国内でサメの水揚げ量が日本一。フカヒレの生産量も非常に多いのですが、まさか走っている途中で食べられるとは…。旨味の詰まった温かいスープは、疲れた体を癒してくれます。















そのほかにも、これだけたくさんのご当地グルメが…!
コースは長沼の周りをハーフマラソンが1周、そしてフルマラソンは2周します。ハーフマラソンは食べられるのが半分の種類だけですが、それでも十分に満足できるボリュームです。とはいえ、せっかくならすべて食べたい…ということで、フルマラソンを選んでいる方は多いことでしょう。

ちなみに、東北風土マラソンは給水もちょっと特殊。日本酒を造る際に使用される、“仕込み水”を飲むことができます。仕込み水は硬水でミネラル成分を多く含んでいるので、まさにランニング中には最適です!
初心者にも優しい自然に囲まれた走りやすいコース

コースはアップダウンが少なく、ほぼフラットなので初心者でも安心。周囲には高い建物がないので、頭上の空が広く感じられます。参加者が多い大会なので、常に他のランナーが周囲にいるのも走りやすさのポイント。見通しの良い場所では離れた場所にいるランナーも見えるので、「自分も頑張ろう!」という気持ちが湧いてきます。

開催時期が春なので、タイミングが良いと美しい桜を楽しめます。思わず足を止め、写真を撮るランナーの姿もありました。

こんな桜の絨毯を走れるなんて、とても贅沢な時間ではないでしょうか。自然に囲まれたコースもまた、東北風土マラソンの大きな魅力といえます。景色に目を向けながら走っていると、なんだか疲れも吹き飛んでしまいそうです。
フード&日本酒のフェスティバルが同時開催!

走り終えると、完走賞でもご当地グルメがもらえました(完走賞の内容は開催年によって異なります)。2025年はお米と冷やし中華。私は仙台市出身なのですが…冷やし中華が仙台発祥であることを、これを受け取って初めて知りました。東北の食文化は奥が深い!
そして気になるのが、もう一つ渡される“きき酒券”。東北風土マラソンはランナー以外も大勢が会場に集まるのですが、その秘密がココにあります。

実は会場で「東北日本酒フェスティバル」「登米フードフェスティバル」という2つの飲食イベントが同時開催されているのです!会場中に張られたテントではご当地グルメのほか、東北各地の酒造がたくさん出店。さきほどの“きき酒券”を使うと、5杯まで好きな日本酒を飲めます。
いたるところから届く美味しそうな匂い。そして、日本酒は県外ではなかなか手に入らないような種類も。走る人も、走らない人も楽しめる。全国から大勢が集まるのも、これなら納得できるのではないでしょうか。私は毎年、「来年も必ず来よう」と心に決めて会場を後にしています。
走って、食べて、飲んで、東北の魅力がぎっしり詰まった東北風土マラソン。気になる方は、ぜひ大会情報をチェックしてみてください。家族や友達を連れて、旅行がてらの参加もおすすめです!