
ペリー来航の地として知られる神奈川県・浦賀。
この静かな港町には、約300年にわたって人々の暮らしを支えてきた小さな船があります。
それが「浦賀の渡し」です。
一見すると観光用の船のように見えますが、その本質は現在も使われ続けている“生活の交通手段”。
本記事では、浦賀の渡しの仕組みをご紹介するとともに、実際に乗ってみた様子や、近隣スポットと組み合わせた楽しみ方をお伝えします。
■ 浦賀の渡しとは?
浦賀の渡しは、浦賀港の東西を結ぶ渡し船です。
「ポンポン船」という愛称で親しまれており、かわいらしくどこかレトロな雰囲気が印象的。
この区間は水上の「市道」として扱われていて、片道約200m、乗船時間はわずか3分という短い航路を結んでいます。
船は1隻のみで運航されており、決まった時刻表はありません。
利用者が桟橋にある呼び出しボタンを押すことで、対岸から迎えに来てくれる仕組みです。
現在は観光客も利用できますが、もともとは地域住民の移動を支えるための交通手段。
その役割は、今も変わらず受け継がれています。
■ ポンポン船に乗ってみた!
「時刻表もないのにどうやって乗るんだろう…」
「生活の足なのに、観光で乗っても大丈夫?」
そんな疑問を抱きつつ、実際に浦賀の渡しに乗ってみました。
乗り場と料金
まずは船場の位置関係から。
浦賀港を挟んで、西渡船場と東渡船場が向かい合うように設置されています。
どちらも浦賀駅から徒歩で20分ほど。
今回は西側から乗船しました。


料金は
- 大人:400円
- 小・中学生:200円
さらに50円を支払えば、自転車の持ち込みも可能です。
支払いは船内で現金にて行います。
呼び出しボタンで乗船
船が対岸にいる場合は、桟橋に設置されたボタン(ブザー)を押します。
しばらくすると対岸から船がこちらへ。
「呼べば来る」というシンプルな仕組みも、どこかローカルで心地よい体験です。

いよいよ出発
やってきたのは、朱色が印象的な小さな船。
江戸時代の「御座船」をイメージした12人乗りのコンパクトな船体です。
船内には自転車用の固定スペースもあり、乗船時は係の方がサポートしてくれるので安心感があります。

そして、いよいよ出発。
3分間の船旅は、想像していたよりも揺れが少なく、穏やかに進んでいきます。

どんぶらこと水面を進む感覚は、どこか懐かしく、ゆったりとした時間が流れます。
水上から見る浦賀の景色
陸路とは違い、水上から眺める浦賀の景色も新鮮です。
「向こう側」に見えていた場所へ自分が近づいていく感覚は、ちょっとした旅情を感じさせてくれますよ。
■ 「叶」の形をした吊り革
船内でぜひ注目したいのが、吊り革のデザインです。

よく見てみると、その形は「叶」という字をモチーフにしています。
浦賀には、「東叶神社」と「西叶神社」という2つの神社があり、西叶神社で授かった勾玉を、東叶神社のお守り袋に納めて持ち歩くと良縁に恵まれる、そんな言い伝えが残る場所です。
浦賀の渡しは東西のエリアを行き来できることから、この2つの神社を巡る際の移動にも利用することができますよ。

■ ささやかだけれど、印象に残る移動体験
わずか3分の乗船時間。
その中には、この土地の歴史や人々の暮らしが、
ぎゅっと詰まっているように感じられました。
浦賀を訪れる機会があれば、
この小さな渡船に乗ってみてはいかがでしょうか。
基本情報
西渡船場
所在地:横須賀市西浦賀1-18-2(南消防署浦賀出張所そば)
アクセス:京急バス「紺屋町」バス停前/浦賀駅徒歩約20分
東渡船場
所在地:横須賀市東浦賀2-4-21(浦賀ボートパークそば)
アクセス:「新町」バス停から徒歩約3分/浦賀駅徒歩約20分
〈共通事項〉2026年6月時点
・乗船料金
大人:400円
小・中学生:200円
※横須賀市民は半額
※自転車・大きな荷物:50円
※1日乗り放題パスあり(600円)
※ペット乗船可
・運航時間
7:00~17:00
※荒天時や点検時には運休となる場合があります。
最新の運行情報は公式サイトをご確認ください。
※本記事の情報は、浦賀の渡し公式サイトを参考に作成しています。



