香川県の名物といえば、まず思い浮かぶのはうどんかもしれませんが、もうひとつ外せないのが骨付鳥です。
骨付鳥には「おやどり」と「ひなどり」があり、どちらを選ぶべきか迷うのも楽しみのひとつ。噛みごたえを楽しむか、ジューシーさを取るか、好みが分かれるのではないでしょうか。
今回訪れたのは、高松で長く親しまれている骨付鳥の名店「蘭丸」。ここで、おやどりとひなどりの両方を実際に食べ比べてみました。
ひなどり|迷ったら選びやすい王道の一皿

最初にいただいたのはひなどり。骨付鳥を初めて食べる人や、ジューシーさを重視したい人に選ばれやすい一皿です。
提供されたひなどりは、皮目がこんがりと焼かれ、表面にはスパイスがしっかりとまぶされています。鉄皿の上で音を立てる脂と、立ち上がる香ばしい香りが、食欲を一気に引き上げます。
一口かじると、驚くほど柔らかい食感。中からあふれる肉汁が印象的で、噛み切りやすく、ストレスなく食べ進められます。
味付けはしっかりしていますが、重たさは感じません。にんにくや胡椒の風味はありつつも、鶏肉そのものの旨みが前に出ており、バランスの取れた仕上がりです。キャベツと一緒に食べることで、脂の甘みと塩気が和らぎ、最後まで飽きずに楽しめます。
おやどり|噛むほどに旨みが増す通好みの一皿

次にいただいたのがおやどり。ひなどりと比べると、見た目からして力強さがあります。皮目の焼き色はやや濃く、鉄皿の上でじっくり火が入っていることが分かります。
一口目から感じるのは、はっきりとした歯ごたえ。ひなどりのように簡単に噛み切れるわけではありませんが、その分、噛むたびに鶏の旨みがじわじわと広がっていきます。
肉質は締まっており、スパイスやにんにくの風味に負けない存在感があります。塩気や胡椒の刺激はしっかりしていますが、脂の重さは控えめで、意外と食べ疲れしません。

特に印象的だったのは、後半にかけての味の伸び。噛み続けることで旨みが増し、キャベツを挟みながら食べ進めると、ひなどりとはまったく違う満足感があります。
柔らかさよりも、味の深さや食べごたえを求める人には、おやどりのほうがしっくりくるはずです。「骨付鳥らしさ」を強く感じられる一皿でした。
食べ比べて分かったひなどりとおやどりの違い

ひなどりとおやどりは、同じ骨付鳥でも印象が大きく異なります。実際に食べ比べてみて感じた一番の違いは、食感と満足感の質でした。
ひなどりは、柔らかくジューシーで、噛んだ瞬間に旨みが広がります。肉離れもよく、テンポよく食べ進められるため、骨付鳥を初めて食べる人でも扱いやすい印象です。脂の甘みも分かりやすく、全体として親しみやすい味わいでした。
一方のおやどりは、噛みごたえがあり、時間をかけて味わうタイプ。一口ごとの旨みはひなどりよりも深く、噛むほどに鶏のコクが増していきます。スパイスや塩気との相性もよく、食後に残る満足感はかなり高めです。
どちらが優れているというより、向いている人が違う、というのが正直な感想。軽やかに楽しみたいならひなどり、しっかり食べた感覚を求めるならおやどり。同じ店でここまで印象が変わるのも、骨付鳥という料理の面白さだと感じました。
おわりに
香川県の名物というと、どうしてもうどんの印象が強くなりがちですが、高松の夜には骨付鳥という、もうひとつの定番があります。蘭丸で食べたひなどりとおやどりは、それぞれに明確な個性があり、食べ比べることでその違いがよく分かりました。
柔らかさとジューシーさを楽しめるひなどり。噛むほどに旨みが増す、食べごたえのあるおやどり。どちらも骨付鳥らしさがあり、好みによって選べるのが魅力です。
初めて訪れるなら、まずはひなどり。骨付鳥の奥深さを知りたくなったら、おやどりにも挑戦してみるのが良いのではないでしょうか。
骨付鳥 蘭丸
住所:香川県高松市大工町7-4
営業時間:17:00~22:00(L.O.21:45)
定休日:なし
電話番号:050-5484-1897




