三宮で21年。流行り廃りの早いこの街で、変わらず魚目当ての客足が絶えないのが「居酒屋ちゃき」です。
派手な演出や奇をてらった料理ではなく、「美味しい海鮮を食べられる」という理由で選ばれ続けています。
今回は、実際に訪問して旬のメニューを存分に味わってきました。
どれを頼むか迷うほど豊富なメニュー

メニューを眺めてまず感じるのは、その選択肢の多さです。
刺身だけでも数種類が並び、さらに焼き物、珍味、季節限定の一品まで含めると、自然と「今日は何を中心に食べようか」と考えたくなります。
特徴的なのは、魚種だけでなく調理法の幅があること。同じ魚でも、造り、焼き、シンプルな塩味と、素材に合わせた出し方が用意されており、魚の個性を引き出す意図がはっきりしています。
初めて訪れる人はもちろん、何度か通っている人でも、毎回違った組み合わせを楽しめるでしょう。
この日も、どれを頼むかしばらく迷いましたが、結果的に選んだのは、生牡蠣、お造り、焼き物、そして季節の珍味。その選択が間違っていなかったことは、料理が運ばれてきた瞬間に確信できました。
生牡蠣ポン酢

通常は兵庫県産の牡蠣を扱っているそうですが、2025年は海水温上昇の影響で不漁とのこと。この日は宮城県産の牡蠣が使われていました。
身はふっくらとしつつ、口当たりは軽やか。濃厚さを前面に出すタイプではなく、さっぱりとした後味で、ちゅるりと喉を通ります。ポン酢の酸味は控えめで、牡蠣の甘みを引き立てる役割に徹していました。
産地に固執せず、その時いちばん状態の良いものを選ぶ姿勢が、この一品からも感じられます。
ヒラメのお造り

まずは塩でいただくと、コリコリとした歯ごたえとともに、ヒラメ特有のやさしい甘みが広がります。
水っぽさは一切なく、身の締まりが良いことがはっきり分かります。
次にわさび醤油で食べると、香りが加わり、味わいはより引き締まった印象に。切り付けの厚みも適切で、食感と旨みのバランスが非常に良い一皿でした。
もさ海老

山陰名物のもさ海老は、海老好きならぜひ食べてほしい一品です。
口に入れた瞬間、強い弾力とともに、濃厚な甘みが一気に広がります。ねっとりしすぎず、噛むほどに旨みが増していく感覚があり、鮮度の高さを実感できます。
余計な調味をせず、素材そのものの味で勝負している点に、この店のスタンスがよく表れていました。
ボラ白子の塩焼き

冬限定のメニューで、あれば迷わず頼みたい一皿です。
高級珍味として知られるカラスミがメスの卵であるのに対し、こちらはオスの白子。表面は香ばしく焼かれ、中はとろりと濃厚で、非常にクリーミーです。
クセはなく、コクと旨みがしっかり感じられ、日本酒との相性も抜群。知っている人ほど嬉しくなる、通好みの一品だと感じました。
サワラの塩焼き

脂はしっかりとのっていますが、重たさはなく、非常にバランスの良い仕上がりです。
身はふっくらとジューシーで、焼き加減も的確。塩だけでここまで美味しくなるのは、素材の良さと扱いの確かさがあってこそだと感じます。
皮目の香ばしさと身のやわらかさの対比も良く、最後まで飽きずに食べ進められました。
おわりに
生牡蠣は後味を軽く仕上げ、ヒラメは食感を活かす切り付けで。
もさ海老は甘みが立つ状態を見極め、ボラ白子は香ばしさとクリーミーさのバランスを取り、サワラは脂の乗りを見越した火入れで仕上げる。
今回いただいた料理を振り返ると、どれも「素材任せ」ではなく、魚ごとに適切な調理が施されていることが分かります。
味付けは控えめでも、切り方、焼き加減、提供のタイミングといった細かな判断が積み重なり、料理としての完成度を高めている印象です。
刺身、焼き物、珍味とジャンルが変わっても、どの皿にもブレがない。その安定感が、長く支持されてきた理由なのだと感じました。
居酒屋ちゃき
住所:兵庫県神戸市中央区下山手通2-15-11ラムズコート1F
営業時間:17:00〜23:00
定休日:火曜日
電話番号:078-391-2156




