地域創生メディア  Mediall(メディアール)

オンリーワン・ナンバーワンがそこにある 応援の循環を作る 地域創生メディア

フード  |    2026.04.04

来たときより元気になれる場所に。東大阪・カフェポコーの想い。

カフェポコー/Cafe Pokój――お店の玄関、看板

東大阪市の西の端っこ、寿町にある「Cafe Pokój(カフェポコー)」。お庭を眺められる落ち着いた空間と、野菜たっぷりのドライカレーが印象的なカフェです。

ゆったりとした時間が流れるお店づくりの背景には、ご店主の原体験とやさしい想いがありました。

仕事帰りの喫茶店巡りが、カフェ開業のきっかけに

カフェポコー/Cafe Pokój――コーヒー豆を挽いている手元

「前職のころ、仕事終わりに喫茶店に立ち寄って、帰宅前に自分の気持ちや頭をリセットする習慣があったんです」

電車で自宅の最寄り駅を乗り越し、気の向くままに喫茶店という喫茶店へ足を運んでいたというご店主。仕事のストレスをそぎ落とし、1日を振り返って頭の中を整理する。そんな時間と空間を与えてくれたのが、「喫茶店」という場所でした。
なかでも印象に残ったのが、神戸・元町で訪れた一軒のお店だったといいます。

「物静かな年配のマスターが1人でやっていらっしゃる喫茶店で、初めて入ったときに『私もこんなお店をやってみたい』って思いました」

薄明かりの照明に、雰囲気のある椅子とテーブル。煙草のにおいがする、昔ながらの喫茶店。「妙に落ち着く空間」に触れ、その空間を自分でも作りたいと感じたのだそうです。

カフェポコー/Cafe Pokój――お店のロゴが入った革製のコースター
pokójはポーランド語で『平和』という意味

もともとは定年後にと考えていた開業でしたが、前職で「一区切りついた」と感じたタイミングで、やりたかった夢を叶えるために動き出します。
当時、大阪の北摂に住んでいたというご店主は、店舗探しもまずそのエリアから始めました。頭の中にあった絶対条件は「緑が見える場所」だったそうです。しかし、北摂ではなかなか理想の店舗に出会えず、とあるきっかけで東大阪の物件を紹介されました。「内見したときにカフェの具体的なイメージが湧いた」というこの場所は、部屋のどこからでも庭の緑が見えるのです。

こうして東大阪市へ引っ越したご店主は、2023年にお店をオープンしました。

庭を眺める空間と、野菜たっぷりのドライカレー

カフェの調度品は、ご店主の好きなもので揃えられています。お客さんにとって居心地のよい空間を作るのはもちろんですが、自分にとっても心地よい空間にしたかったのだそうです。

カフェポコー/Cafe Pokój――窓際のテーブル席と、中庭

こだわりのキリシマツツジや十月桜、プランターのかわいらしい花たちが庭を彩ります。テラス席も作れそうなスペースではありますが、「部屋からぼーっと眺めて癒やされてほしい」とのことで、あえて席は作っていません。

カフェポコー/Cafe Pokój――看板メニューのナスのドライカレー

看板メニューは、ナスのドライカレーです。もともとご家庭でよく作っていた得意料理で、食欲がないときでもこれだけは食べられたのだとか。味を整えるのに欠かせない揚げナスは、「一度ナス抜きで食べてみたら、コクが全然違っちゃって」とおっしゃるほど重要な存在。「自分でも本当に美味しいと思える、自信を持って出せるもの」というこのドライカレーが、最初に決まったメニューだそうです。

そしてもうひとつ特徴的なのが、ボリューム感のある副菜です。オープン初期はオーソドックスなサラダを添えていましたが、今では旬の野菜や珍しい食材がたくさん使われ、バリエーションも多彩になってきました。ご店主自ら産直市場や道の駅へ足を運び、調理したことのない、初めて見るような野菜でも積極的に取り入れています。

カフェポコー/Cafe Pokój――珍しい野菜たち(ロロンカボチャ、バターナッツカボチャ、カーボロネロ、つぼみ菜、日野菜カブ)
左:ロロンカボチャ、バターナッツカボチャ、右上:カーボロネロ、つぼみ菜、右下:日野菜カブ/写真提供:Cafe Pokój
カフェポコー/Cafe Pokój――ドライカレーの副菜

『ここに来たら珍しいものが食べられる』とか『知らなかったお野菜を知れる』とか、そういった喜びや驚きをお客さまに感じてもらいたいなぁって。少しでも『来てよかった』と思ってもらえるように、新しい食材は絶対に使うようにしていますね」

初めて扱う野菜は特徴に合った調理法を丁寧に調べ、持ち味や栄養価を損なわないよう工夫しているというご店主。農家の方におすすめレシピを教えてもらうこともあるといいます。

東大阪で感じた、あたたかな人のつながり

カフェポコー/Cafe Pokój――ご店主ポートレート

「ここは、人と人の距離が近いのかな」

東大阪市に移り住み、お店を構えてみての心境をお伺いすると、そんな答えが返ってきました。東大阪という地域に対して、以前はもう少し「ガヤガヤした街」のイメージがあったというご店主。今では、周りの人がとにかく優しく、親しみを持って接してくれていることを実感すると語ってくださいました。日々の営業の中で、お客さんとの心温まるやりとりも多いのだそうです。

「一人暮らしの女性のお客さまが、『体調が悪くなったときに、ポコーさんのお野菜を食べに行こうって思うんです』と言ってくださったことがあって。体調が優れないタイミングでこの店を思い出してもらえるのが、とても嬉しかったですね」

一方で、ご店主自身が体調を崩し、休業せざるを得なかったこともありました。そんなときには、お客さんから励ましのメッセージが届いたといいます。カフェを1人で切り盛りしていると、どうしても忙しくなってしまう場面がありますが、それでもお客さんたちはそんな様子を理解して、あたたかく声をかけてくれるのです。

「応援してもらっている、見守られているという感覚で、いつもお仕事させてもらってます」

もうひとつの居場所として

カフェポコー/Cafe Pokój――カップにコーヒーを注いでいる様子

カフェポコーが目指すのは、自分の家以外の「ちょっと特別な場所」として気軽に立ち寄れるお店です。

「自分をリセットしたり、考え事をしたり、おしゃべりをしたり、ぼんやり過ごしたり、それぞれの時間を自由に過ごしてほしいですね。『ポコーで寛いで元気をチャージしよう』って思ってもらえるような、癒やしの空間づくりが目標です

訪れた人が、来たときよりももっと元気になって帰っていく場所でありたい――。
カフェポコーには、そんな想いが込められています。

 

 

Cafe Pokój(カフェポコー)

住所:大阪府東大阪市寿町3丁目21-14
営業時間:火・水・金・土 11:00〜18:00(祝日はお休み)※臨時休業日はInstagramをご確認ください。
Instagram:@cafe.pokoj

※1組最大5名まで。3名以上でご利用の場合は事前予約をお願いします。
予約電話番号:06-7410-2209
(前日までのご予約ならInstagramのDMも可)

記事をシェアする

この記事を書いた人

九重 十彩

生まれも育ちも東大阪市。カフェ巡りから一人飲みまで、美味しいものと共に在りたいWebライター。 実は調理師免許を持ってるけど、ほぼほぼ持ってるだけ。 大阪の中核市としての一面と、生駒山系の自然、振り幅の広~い「モノづくりのまち東大阪」の魅力を発信していきます。

関連記事