「令和6年能登半島地震」発生から2ヶ月が経ちました。
発生後の1月末に、最も大きな被害が発生し、震源地である石川県のため、私達「Mediallライター」として何ができるのか、議論を交わしたことがあります。
しかし、その段階では何をするべきか、結論は出ませんでした。
現在では、石川県を訪れることも可能ですが、未だに通行止めの箇所があるほどで、この度の震災被害の大きさは計り知れません。
本記事で紹介させていただくのは、掲題にある『美味しく食べて応援しよう』というもので、ライターが集まり”お花見”をしようということに。
今回の参加者の中で、石川県を訪れたことがあるライター・関係者は少なく、限られた時間の中ではありますが『石川県に思いを馳せながら、石川県の郷土料理を味わってみよう』という”お花見”を開催する運びになりました。
“お花見”にはもちろん、料理がつきもの
前述の”お花見”開催に向け、料理担当を立候補したのが、筆者です。
筆者は以前、石川県白山市に住んでいました。地元飲食店での食事や、職業で調理を行っていたこともあり、石川県の食文化に触れ、食べて飲んで、楽しませていただいた経験があります。
当時、ありがたいことに、石川県の職場の同僚や趣味でつながった友人から『地物食材の美味しい食べ方』を教わりました。
この時の「恩返し」として、筆者ができることが『より再現性の高い石川県の郷土料理を作り、石川県を知らないMediall関係者に味わってもらうことだ』と思いつき、提案したのが今回の”お花見”です。
以下に提供した料理、6品を挙げます。
- えびす/べろべろ
- 押し寿司
- かぶらずし
- ナスのオランダ煮
- 金時草の和え物
- 治部煮
筆者が味わったことがある&作った経験がある料理をチョイスしました。
今回作った料理のレシピを公開します
記事中では、ご家庭で試していただきたく、グラム(g)やccの単位で表記しました。
食材を取り寄せて、石川県で提供されている郷土料理を再現しています。
取り寄せたお店も紹介しているため、ご家庭でお取り寄せの際の参考にしてくださいね。
本記事は第1弾として、「えびす」「押し寿司」「かぶらずし」をご紹介。
第2弾として「ナスのオランダ煮」「金時草の酢の物」「治部煮」をご紹介します。
画像だけでは伝わらない石川県の”風土”や”人情”を、ぜひ石川県でご堪能ください!!
えびす/べろべろ
由来
❝「えびす」は、とき卵の寒天寄せ。祭りや祝いごとに欠かせない行事食である。江戸時代の料理書「江戸料理通」や「料理百珍」に記される「たまご寒天」にルーツがあるとされている。当時、貴重品だった卵と砂糖をごちそうに仕立てたものである。おせち料理の定番品目で数の子や紅白かまぼことともに一の重におさめられた。
地域によってさまざまな呼び名があるのも特徴。つるつるした見た目から「べろべろ」とも呼ばれる。旧加賀藩が置かれた富山県には「べっこう」の名で伝わっている。金沢や能登では砂糖と醤油が味付けのベースになるため、べっこう色の見た目をしている。小松、加賀地区では砂糖と塩で味付けするため、白っぽい見た目になる。❞
「うちの郷土料理」から抜粋引用
レシピ
卵 | 1個 |
水 | 450cc |
粉寒天 | 4g |
上白糖 | 36g |
濃口醤油(ヤマト醤油) | 45g |
塩 | 少々 |
おろし生姜 | 少々 |
作り方
- 分量の水と粉寒天を鍋に入れ火にかけ、沸騰したら弱火にして寒天を煮溶かす。砂糖、醤油、おろし生姜を入れる。
- 1に溶いた卵を少しずつ流し入れて、鍋ごとあら熱を取る。ある程度冷ましてから型に流して冷やし固める。
- 型のまま包丁を入れ、適当な大きさに切り、器に盛り分ける。
押し寿司
由来
❝石川県では祭りや祝いごとのハレの日に「押しずし」が食べられる。金沢市では、酢でしめた魚、すし飯、紺のりを木枠に重ね入れ、一晩押して寝かせたものが食べられている。一夜かけて重しをすることで、魚とすし飯が互いの旨味を引き出して調和するという。ほど良い酸味も食欲をかきたてる。春ならタイやイワシ、アジ、秋はサバ、シイラといった具合に季節や行事によって使う魚介も異なり、木の芽やきんかんなどの彩りがそえられる。❞
「うちの郷土料理」より抜粋引用
レシピ
精白米 | 3合(450g) |
もち米 | 35g |
水 | 540cc |
昆布(5cm幅) | 1枚 |
「A」合わせ酢(すし酢) | ※多めの分量です |
「A」穀物酢 | 90cc |
「A」塩 | 16g |
「A」上白糖 | 60g |
季節の魚 | 春・・・イワシ、アジ、小鯛 |
季節の魚 | 秋・・・サバ、シイラ |
魚を酢〆するための塩・酢 | 適量 |
生姜 | ひとかけ(針生姜にする) |
レモン、刻み昆布、桜海老 | 適量 |
作り方
- 精白米、もち米は洗って1~2時間水に浸け昆布を入れて炊飯する。
- 「A」を合わせて火にかけ、塩、砂糖が溶ける程度に温める。(すし酢を使用しても良い)
- 1をすし桶等にあけ、2の合わせ酢を振りかけて混ぜ、濡れ布巾をかけて冷ます。
- 魚は三枚におろし、強めに塩を打ち2~3時間おいて身をしめ、水洗いして水気を拭きとり、針しょうがを入れた酢に30分~1時間ほど浸けてしめ、皮をはぎ、柵取りして刺し身状の削ぎ切りにする。
- しょうがは千切りにし、水に浸ける。レモンはいちょう切りにする。刻み昆布は水にサッとくぐらせる。
- すし枠(なければバット等)にラップを貼り付け、レモン、魚を並べ、すし飯を広げる(1種類目)。桜海老、針しょうが、刻み昆布、すし飯を広げる(2種類目)。一晩押してなじませる。
- 6を切り分け皿(九谷焼が望ましい)に盛り付ける。
かぶら寿し
由来
❝塩漬けしたかぶらに塩漬けしたブリを挟んだ、石川県を代表する伝統的発酵食品。従来の酢飯を使うすしとは異なる、漬物に近い「なれずし」の一つである。
「うちの郷土料理」より抜粋引用
起源については、諸説ある。金沢市金石町の漁師が豊漁祈願・安全祈願で正月の行事食として食べはじめたという説や前田藩主が湯治で訪れた地元の温泉宿で振る舞われたといった説が伝わっているが、定かではない。少なくとも江戸時代には食べられていたという。魚屋や八百屋が年末、得意先に通い帳の入れ替えとごあいさつのために手づくりの「かぶらずし」を手土産にしたことから広がった。❞
作り方
こちらは石川県で作られたものを取り寄せました。以下、購入させていただきました「四十萬谷本舗」のHPから引用です。
❝四十萬谷本舗のかぶら寿しは、金沢近郊や能登の山里で育った「青首かぶら」を塩漬けし、脂の乗った天然鰤を低温でじっくり塩漬け熟成させた「熟成鰤」を挟み込み、米糀でゆっくり時間をかけて漬け込みます。青首かぶらの柿のような甘味、じっくり熟成させた天然鰤の上質な生ハムのような深い味わい、そして、かぶら寿し専用糀の優しく豊かな風味が織り成すハーモニーを是非お楽しみ下さい。❞
四十萬谷本舗
第1弾はここまで
食材を取り寄せて、できるだけ手作りを心がけましたが、「かぶらずし」だけは石川県の風土で熟成されたものが良いと思い、購入させていただきました。
その選択がやはり正解で、「かぶら」も「熟成鰤」もわたしの住む関東では、入手困難でした。
気になった方は、ぜひお取り寄せをして、石川県独自の風味をお楽しみください。