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フード  |    2024.09.01

大和市民なら一度は訪れたい!コーヒー豆と雑貨のお店「WASHIN」|開業の秘話【後半】

大和市の東急田園都市線つきみ野駅から徒歩4分の場所に、コーヒー豆と雑貨のお店「WASHIN」はある。店主は歩くパワースポットとも言われるほど、元気で面白い方だ。大和市民だけでなく、近くを通りかかった人は、ぜひ一度訪れてほしいお店である。

詳しくお店の情報を知りたい方は、前編を読んでいただきたい。今回は、WASHINの誕生秘話について店主の猪砂竜一さん(以降:竜さん)にお話を伺った。

おそらくこの記事は、商売を始めようと考えている人だけに留まらず、自分の好きなことや得意なことを模索している人の心にも刺さる内容だ。

Topic——「“稼ぎたい”と“儲けたい”は違うからね。稼ぎたいは私利私欲のため。儲けたいは、お客さまのため。結局、地域発展とか……」果たして、大和市で愛される雑貨屋の店主である竜さんが語った商売論とは。

「失敗したくない」が原動力|WASHINの誕生秘話

大和市 雑貨屋 WASHIN
WASHINの看板

店主の竜さんは、もともとリノベーションを得意とする建設会社に勤めていた。10年ほど勤めた会社だが、事業の方向性と自分のやりたいことの違いを感じ退職。それから親父さんの会社を受け継ぎ、今の店舗であるWASHINを開業した。

お店を開くときは、不幸にもコロナウイルスが世界中に蔓延している最中だった。だが、竜さんは不幸とは捉えず「ピンチはチャンス」という信念のもと、WASHINの開業に踏み切ったという。

「家族でやっていた事業が倒産したこともあるから、商売を始めること自体はあまり大ごとではなかったんだよね。ましてやリベンジとか見返したいとかはないし、ただ儲けたいと思ったんだよ」と語る竜さん。

大和市 雑貨屋 WASHIN
店主の猪砂竜一さん

「儲けたいって言ったけど、【稼ぎたい】と【儲けたい】は違うからね」

——稼ぎたいと儲けたいは違う……ですか。

「うん。【稼ぎたい】は、私利私欲のため。【儲けたい】は、お客さまのため。結局、地域発展とか社会貢献とかって言うけど、納税をしている時点で最低限の貢献は果たしていると思っている。だから、うちでは売上を『感謝高』、利益を『感動高』と考えて、感動高(つまり儲け)をお客様に還元する。もっと感動してもらえるように、いただいたお金を使って新しいことに挑戦したり、会えない人に会えるような機会を作ったりとか」

竜さんは、地域発展や社会貢献などと大きなことは言いたくないらしい。ただ目の前のお客様に感動してもらえるよう、お店を経営しているのだ。

はあ、それってつまり、地域の活性化にも繋がるな……。結果的に地域の人々に愛されているWASHINは、地域の発展に役立っていると思わずにはいられない。

大和市 雑貨屋 WASHIN
WASHIN店内

——ところで竜さん、「お客様に感動を与えたい」っておっしゃってましたけど、なぜそのような考え方に至ったのですか?

「失敗したくない、という観念に気づいたからかな」

——はあ。観念、ですか。

「自分はあれこれが得意で、どれそれが不得意とか、自分の中で勝手に得意不得意や好き嫌いを決めつける。それを判断するための基準(意識)が、観念かな」

大和市 雑貨屋 WASHIN
WASHINオリジナル商品のハーブ養生茶

「でも、観念に漬物石みたいなのが蓋をしちゃって、段々と自分の嫌いや不得意の理由が見えなくなっていっちゃうんだよね。で、いろいろと勉強させてもらっているときに『失敗したくない』という自分の観念に気がついたんだよ。新しいことも、思い切ったこともしたくない。そんな自分の中にあるのは、失敗したくない、失敗したら恥ずかしい思いをするという恐怖心だったんだよね」

食わず嫌いとかも、そのような感覚に近いかもしれない。きっと観念に蓋をして、苦手である理由がわからず知ろうともしないのだ。だから味もわからないのに、食べようともしない。私たちは観念に蓋をすることで、あらゆるチャンスを逃している。だが反対に、その観念に気がつけたら、何かが変わるかもしれない……。

大和市 雑貨屋 WASHIN

——「失敗したくない」という観念に気づいたことと、「お客様に感動を与えたい」ということは、どのように繋がるのでしょうか?

「人から『ありがとう』って言われることが、めっちゃ嬉しかった。そして『ありがとう』と言われるってことは、失敗はしてないってことでしょう?誰かからありがとうを言ってもらえることが、自分の中での存在意義となって、じゃあありがとうと言われることを求めていけば、生きてて然るべき人間になっていくと思った。だからお客様に感動を与えたい」

竜さんがWASHINを通してお客さんに「ありがとう」を伝える。そしてお客さんからも「ありがとう」がもらえる。この【ありがとうの好循環】で、WASHINは地域の人だけでなく、全国各地の人々をも魅了するお店となっているのだろう。

「失敗したくない」というマイナスの観念が【ありがとうを好循環させる】という考え方になったことで、結果的にプラスの力を生み出したのだ。

店主は歩くパワースポット?元気がないときはWASHINに行こう

大和市 雑貨屋 WASHIN
店主の猪砂竜一さん

大和市民である筆者も、よく妻と娘と一緒にWASHINへ訪れるのだが、竜さんはなかなかに話がうまい。いつもお客さんと楽しそうに接しているところを見かける。そこで、こんな質問をしてみた。

——竜さんは、なぜそんなにお話が上手なのでしょうか?

「才能」

と、一言。思わず笑みが溢れるほど清々しい回答が返ってくる。長年の経験が、竜さんの接客スタイルとトーク力を磨き上げてきたのだろう。

そんな竜さんは、歩くパワースポットと言われているそうだ。たしかに何やら不思議なパワーがもらえるような気もする。きっとそれは、竜さんと話をするのが楽しいからだろう。雑貨やコーヒー豆の香りに包まれながら談笑できるお店は、多分ここにしかない。

大和市 雑貨屋 WASHIN
店内の様子

「ちょっと元気がないときに来てほしいですね。あ、でも本当に癒されたいときは来ないほうがいいかも。笑」

竜さんは、持ち前のトーク力でお客さんの心を鷲掴みにする。少しだけ元気がなくて落ち込んでいるときは、美味しいお菓子を買っていくついでに、竜さんとお話をしてみると良い。まるで新しい顔をもらって元気が100倍になるような感じがする。

WASHINは、大和市のつきみ野駅から徒歩4分の場所にある。近くを通った際は、ぜひお店に立ち寄って、コーヒーかお茶を試飲しながら、竜さんと話してみてはいかがだろうか。

▼WASHINの情報▼
〒242-0002
神奈川県大和市つきみ野7-12-2
瀧本ビル1F-B

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この記事を書いた人

みくと

映画と映画館をひたすら愛する映画ライターです。2000年に横浜で生まれ、現在は妻と娘と大和市に住んでいます。普段は映画レビューの寄稿やSEO記事の執筆、ホームページのライティングなどをしています。趣味は、次に観る映画を「何にしようか」と悩むことと、文章を書くことです。Mediallでは、地域の映画館や神奈川の魅力溢れるお店などをご紹介します。

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