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フード  |    2024.10.13

誰もが安心して食べられるおやつを。素材にこだわった手ごねドーナツ|東大阪「そらしど」

近鉄奈良線「河内永和駅」から徒歩5分、法務局や簡易裁判所が立ち並ぶエリアに店を構える「そらしど」。懐かしいザクザク食感の手ごねドーナツを求めて、親子連れや近所の人たちが訪れる人気店です。

ショーケースには、手づくりの温かさを感じるドーナツが並びます。

小さい子どもから大人まで楽しめるドーナツが誕生した経緯を、店長の宮本美由希さんに伺いました。

みんなが安心して食べられるおやつを作りたい

店頭に立つのは店長の宮本さん(右)と姉の水野千秋さん(左)。フレンドリーな接客も人気の理由

出産を機に、添加物をなるべく避ける食生活を始めたという宮本さん。

ところが、市販の食べ物には添加物が含まれているのが当たり前。子どもたちに安心して食べさせられるおやつがあまりないことに、頭を悩ませたといいます。

「ちょっと小腹が空いても、コンビニなどには無添加のものはなかなかありません。大人も子どもも、気軽に食べられる安全なおやつがあればいいのにと思っていました。特に長女の友達は、アレルギーのある子が多くて。そういう子たちが家に遊びに来たときに食べられるおやつを作りたくて、ママ友たちと一緒にお菓子づくりを始めました」

子どもたちのために、趣味として始めたお菓子づくり。当時は、自分でお店を出すことは考えていなかったそうです。

開店のきっかけは「懐かしのドーナツ」との再会

そんな宮本さんは、かつて布施にあった「sonnet(ソネット)」というお店のドーナツの大ファンでした。sonnetが遠くに移転してからはなかなか買いに行くことができず、寂しい想いをしていたのだとか。

しかし数年前に偶然、sonnetの元オーナーがクラウドファンディングに挑戦していることを知ります。なんとその返礼品として、ドーナツの作り方を伝授してもらえることになったのだそうです。

「sonnetのドーナツを、家で作れるようになったらうれしい」。

そのときもまだ、お店を出すことはまったく考えていなかったといいます。

約1年間、月に1〜2回のペースで師匠のお店に通い、ドーナツづくりを伝授してもらう日々。通い始めて半年ほど経った頃、宮本さんの心境に変化が訪れます。

「師匠のところへは父と一緒に習いに行っていたんですが、途中で父が『習ったことを生かさなければもったいない』と言い始めて。たしかに2人でこれだけ頑張っていて、得たものを自分の中に持っているだけでいいのか?と思ったんですね。そのとき初めて『お店を出す』ということが現実として頭に浮かびました」

周囲の環境にも恵まれていたといいます。

「幸い、母が事務所として使っていた物件が元喫茶店で、厨房がある。そして私たちは師匠のドーナツを習得しつつある。場所と技術があるなら、あとは自分が動くだけだなと思いました」

製法はそのままに、素材へのこだわりをプラス

宮本さんのお父さんが磨いている厨房はいつもピカピカ

約1年の修行期間を経て、師匠の技術を習得した宮本さん親子。sonnetのドーナツと同じ、外はザクザク、中はふわふわの食感を再現できるようになりました。

製法は、sonnetのドーナツとまったく同じ。そらしどのドーナツは、そこに宮本さんの素材へのこだわりがプラスされています。

  • 国産小麦100%
  • よつ葉のバターとクリームチーズ
  • 北海道産てんさいビートグラニュー糖
  • 非遺伝子組み換え飼料のPHF卵
  • 非遺伝子組み換えのなたね油

厳選した素材でつくられたドーナツは、どこか懐かしさを感じるやさしいお味。

「誰もが安心して食べられるおやつを」という宮本さんの想いが表れています。

おいしい、そして安全。多くの人に愛される商品がたくさん

店頭には常時、10種類ほどのドーナツが並びます。

一番人気はプレーン。素材の風味が感じられる、やさしい甘さが人気です。

日替わりで2種類登場する野菜ドーナツは、卵を使っていないため卵アレルギーのお子さんがいる人がよく買っていくそう。

この野菜ドーナツとアーモンドのドーナツは、アレルギー対策として他のドーナツとは別の油・鍋で揚げています。そのような安心安全への配慮が、多くの人に支持される秘密といえそうですね。

ちなみにドーナツ以外では、米粉クッキーも隠れた人気商品。「毎回、米粉クッキーだけを買っていく人もいるんですよ」と姉の千秋さん。小麦アレルギーがある人や健康志向の人に支持されている、コアなファンが多い商品なんだそうです。

みんなで食べるよろこびを、より多くの人に

最後に、今後の展望について宮本さんに尋ねると、笑顔でこう答えてくれました。

「小麦や乳のアレルギーがある人でも食べられるドーナツを作りたいです。たとえば兄弟でドーナツを買いに来て、お兄ちゃんは食べられるのに弟はアレルギーで食べられない……ってなったらすごく悲しいですよね。みんなが食べられるようになったらいいなと思って、少しずつ試作をしています。私自身が子育てでバタバタしていて、なかなか進まないんですけど(笑)」。

「誰もが安心して食べられるおやつを」―――。

これが宮本さんの原点であり目標であり、ブレない”芯”となっているようです。

そんな宮本さんの想いがこもったやさしいドーナツは、これからもファンが増え続けるに違いありません。

・写真提供(3,5,7枚目)/そらしど

そらしど

住所:大阪府東大阪市高井田元町2丁目12−7

営業時間:11:00~17:00頃(売り切れ次第終了)

営業日:不定期営業(Instagramをチェックしてください)

Instagram:https://www.instagram.com/sorasido.donut

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この記事を書いた人

もとお稜子

大阪生まれ・大阪育ち|整理収納アドバイザー1級・クリンネスト1級のお片づけ・お掃除ライター|2人の姉妹のママ|Mediallでは、大阪の魅力を伝える記事を心を込めて執筆中。情報だけでなく、この土地に生きる人たちの「想い」や「ストーリー」をお伝えします|本・映画・猫が大好き

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