Mediall(メディアール)

オンリーワン・ナンバーワンをキュレーションする地方創生メディア

スポット  |    2023.07.09

半径5キロの街歩き 福岡・平尾山荘 〜梅雨〜

紫陽花の咲く平尾山荘

紫陽花

6月。梅雨の晴れ間に、紫陽花を撮りに行きました。
中旬になっていたので、紫陽花は最後を迎えようとしていました。

今回、そんな紫陽花が咲く平尾山荘(公園)を紹介します。

福岡にある平尾山荘は、近隣住民の憩いの場です。住宅が立ち並ぶなか、薄暗く木立に囲まれた小さな空間があり、そこに平尾山荘はあります。

道路を挟んで向かい側には、子ども用に新しい公園が作られました。
以前は老朽化が進んでおり、子どもが遊ぶには躊躇するほどでしたが、数年前に新しい公園にリニューアルされて以来、子どもたちが戻って来ています。

平尾山荘の歴史〜野村望東尼

賑やかな子どもたちが遊ぶ公園とは対照的に、平尾山荘は静かに佇んでいます。
この平尾山荘は、郷土出身の幕末の女流歌人「野村望東尼」の閑居地です。
実際の草庵は腐朽してしまったので、現在の建物は復元・再建されたものです。

野村望東尼、本名は「モト」。
彼女は、福岡藩士浦野重右衛門勝幸の三女として生まれました。
藩士野村新三郎貞貫の後妻となり、夫と共に歌人大隈言道に師事。
その後、夫と共に平尾山荘に移り住み、夫と死別すると「望東尼」となりました。
彼女は、勤王の志をもって、高杉晋作ら勤王の志士たちを庇護したと伝えられています。

平尾山荘の風景〜何も無いのが良い

遊具と広場で作られた子ども用の公園と異なり、平尾山荘のある広場には何も無く、大きな木々に覆われています。

その何も無いのが良い。

大きな木々が作る木陰は日差しを遮り、涼しく風が吹き抜けます。
人がいない時間帯は、スズメや鳩たちが一休みしています。

梅雨は紫陽花

平尾山荘公園には、梅や桜、紅葉などがあり、四季折々の自然を楽しめるようになっています。
桜の季節になると、皆わらわらと、シートとお弁当を持ち寄ってお花見をしています。

今は梅雨。
紫陽花が咲いています。
平尾山荘公園を訪れると、季節を身体全体で感じ取ることができます。

ひとり時間を味わう

静かな自然の中でひとり時間を楽しみたいなら、早朝がおすすめです。
平尾山荘公園にあるベンチには、時々ひとり、ぼうっとしている人を見かけます。

大きな荷物を置いて、仕事の合間にひと休みしている人。
お弁当を食べている人。
スマホをじっと眺めている人。
ベビーカーに赤ちゃんを寝かせたお母さんやお父さん。
犬の散歩にやってきた人……。
どこに行こうか悩んだときには、ここを訪れてみてください。

子どもが自然とふれあう場所

平尾山荘は、子どもたちが自然と触れあうことのできる貴重な場所となっています。

夕方になると、子どもたちが広場でボール遊びやかけっこをしています。夏になると虫捕り、秋には、松ぼっくりやどんぐりなど。季節によって、さまざまな楽しみ方があります。
ただ、夏は蚊のすみかになっているので、虫除け対策は必須です。

何も無いから、誰の居場所にもなる

平尾山荘周辺には、松風園や平尾八幡宮などの名所があり、さらに足を延ばせば、福岡市動植物園などもあります。
健康のために散歩をしている方におすすめの地域です。
これらの名所にもたくさんの魅力が詰まっているので、今後も引き続きお伝えしたいと思います。

平尾山荘は、散歩の途中にふらっと立ち寄っても良いし、子どもを連れて自然と触れあっても良い。
友だちと長話をするためでも良いし、ひとりで時間をつぶすためでも良い。
何も無いからこそ、誰の居場所にもなる場所です。

アクセス

平尾山荘(公園)
住所:〒810-0014 福岡県福岡市中央区平尾5-2-28

アクセス方法
西鉄電車:「西鉄平尾駅」から徒歩
西鉄バス:「南山荘通」、「教会前」からそれぞれ徒歩
車:近くに有料の駐車場あり

記事をシェアする

この記事を書いた人

nob

猫と娘を愛するフリーライター。 地域ブランドを活かしたまちづくりを専門とする、元地域研究者で博士(政治学)。シンクタンク・大学教員時代は、日本全国を飛び回るフィールドワーカー。現在は、フリーランスでライターとして活動中。ママソレ(https://mama.chintaistyle.jp/article/tag/nob/)にて、ママライターとして子育てのヒントやほっこりエピソードなども発信しています。

関連記事