阪急南千里駅直結の千里ニュータウンプラザ2階に、吹田市立千里ニュータウン情報館があります。単なる情報館としてだけでなく、市民の交流拠点や、子ども達がまちを好きになる入り口としての役割も担っている同館を取材しました。

千里ニュータウンの歴史を知る貴重な資料
千里ニュータウン情報館は、日本初の大規模ニュータウンである「千里ニュータウン」のまちづくりを推進する施設として、2012年に開館しました。図書館や市役所出張所、公民館などの複合施設が入る千里ニュータウンプラザの2階にあり、まちづくりに関する資料や地域情報を発信しています。

館内には、千里ニュータウンの歴史年表や、開発当時の千里ニュータウンを再現したジオラマ模型などの展示が並びます。

半世紀以上にわたるまちの歴史を記した貴重な文書資料に加え、1961年の開発当時の記録映像など、ここでしか出会えない資料も。


1960年代に風呂のない団地で人気を博した「バスオール」の実物もあり、当時の暮らしを肌で感じることができる展示となっています。

近年では、まちづくりの参考にしたいと国内だけでなく海外からも視察に来られる方がいるとのことで、同館の資料の貴重性を感じました。
市民の交流拠点にも
千里ニュータウン情報館の曽谷さんは、情報発信だけでなく、市民の交流や居場所づくりにも力を入れていると言います。

取材させていただいた日には、もぐら調査団という団体の皆さんが、和気あいあいとした雰囲気で資料の調査をされていました。もぐら調査団では、千里ニュータウンやその周辺に住む人たちから話を聞き、次世代に伝えていく活動をされているそうです。

半年に1回発行している「千里もぐら新聞」。千里ニュータウン情報館などに設置されているほか、オンラインでも閲覧が可能です。

・千里もぐら新聞第7号
・バックナンバーはこちら(とよなかアーツプロジェクト リサーチ企画「千里考今物語」ページ )
また、同館の運営する「千里こだわりギャラリー」では、企画段階から職員も関わり、市民の方とともにギャラリーを形作っていくそうです。取材時には、矢野哲也アトリエさんの「ワンショットスケッチ 千里点描展」が開催されていました。

千里ニュータウンの様々な風景を鮮やかに切り取った水彩画が並び、実際にその風景を見に行きたくなる作品ばかりでした。


「千里万国春」で平和なまちを
館内に入ってすぐ目につく場所に「千里万国春(せんりばんこくしゅん)」と書かれた書があります。
千里万国春という言葉は、千里ニュータウンが完成した当時の大阪府知事・左藤義詮(さとうぎせん)氏による造語で、千里ニュータウンの完成と大阪万博の開幕が重なった春を寿いだ言葉だと言われています。
こちらの書は、左藤氏の言葉に感銘を受けた市民の方から寄贈されたものだそうです。

戦後復興の象徴とも言われた千里ニュータウンの完成、そして大阪万博の開催。「千里万国春」という言葉には、喜びとともに平和への願いが込められているのでは、と曽谷さんは話します。

未だ争いが絶えない現代にこそ、「千里万国春」の言葉が表すように、平和を礎としたまちづくりが求められているのではないかと感じました。
まちの未来を担う子どもたちに向けて
館内入り口には、来館した子どもたちに向けた風車プレゼントコーナーがあります。市民の方が手作りの風車を寄贈してくれたことがきっかけで、この企画が始まったそうです。

プレゼントだけでなく、オリジナル風車を作ることもできるそう。

ほかにも塗り絵や吹田市マンホールカードのプレゼントなど、子ども達の来館のきっかけとなる取り組みをされています。


これからの吹田を担っていく若い世代や子どもたちにまちの歴史を知ってもらい、好きになってもらう入り口に。そして、まちの歴史をつないでいってほしい。そんな想いが伝わってきます。
図書館帰りの小学生がふらっと立ち寄ってくれることもあるそうで、同館が情報館という枠を超えて市民の居場所となっている様子がうかがえました。
さいごに
取材を通して、単なる情報館にとどまらず、まちと人とのつながり、人と人とのつながりが生まれる場所として、地域の人々から愛される姿が見えてきました。
駅直結でアクセス抜群の千里ニュータウン情報館。図書館や市役所の出張所に行くついでに、また、子どもとのお出かけに、ちょっと立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
詳細情報
吹田市立千里ニュータウン情報館
公式ホームページ
アクセス:阪急南千里駅直結 千里ニュータウンプラザ2階
開館時間:9:00~17:30
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、12月29日~1月3日
入館料:無料




