滋賀県長浜市の国道365号線から清流の草野川に沿って東へ向かうと、左手に小さな山が見えます。その山の麓にある、今にも日本昔話に出てきそうな古民家が「森のハジマリ」です。
長浜市大門町にある「森のハジマリ」は手作りの食器やアクセサリーを展示販売しているだけでなく、カフェやレンタルスペース、デイキャンプ場としても利用できる場所です。こちらの古民家は、オーナーの伏木さんが購入し、2年の歳月をかけてDIYで改修したもの。
「森のハジマリ」は新たなチャレンジの場としても最適です。今回はオーナーの伏木さんに、オープンのきっかけや業務内容などについて詳しく伺いました。
「森のハジマリ」オープンのきっかけ
オーナーの伏木さんは市民活動団体「Stay Forest」の代表として、里山の整備に取り組んでいます。里山の整備に使用する道具を置く場所が欲しいと考えていたとき、タイミングよく「長浜市空き家バンク」に現在使用している古民家が登録されたとのこと。
道具を置くだけではもったいないとの想いから、当時から制作していた木工クラフトのギャラリーやカフェ、レンタルスペースなどを併設して開業することにしたそうです。
約2年間をかけてDIYで修繕
いざ購入した空き家に入ってみると、購入直前まで人が住んでいたとは信じられない状態だったといいます。冬には隙間から雪が入ってくる状態で、暖房器具がまったく効かなかったそう。
伏木さんは極力費用をかけないように、DIYでの修繕作業に取り掛かりました。
まずは畳をすべて取り払い、柱の下部を取り替えます。床には生コンを入れ、壁も断熱材を入れて漆喰を塗りなおしたとのこと。
「森のハジマリ」を活用して新たなチャレンジを!
「森のハジマリ」は単なる店舗ではありません。レンタルスペースやデイキャンプ場としての利用も可能です。ここでは、具体的な活用方法について紹介しましょう。
ワークショップやポップアップができるレンタルスペースとして
「この地域にはお店を出店できる場所がないので、ここを使ってワークショップやポップアップ、飲食店などに挑戦してほしいと思っています」と伏木さんは語ります。
大門町の近辺ではワークショップの開催や飲食店をしたくても、手軽に利用できる施設がありません。地域が活性化されないのは機会や場所がないからだと考え、安価な料金で利用できるようにしたとのこと。利用料金は下記のとおり。
- 年会費:2,000円/年
- 利用料金:800円/1時間(会員価格600円)
- 延長料金:400円/30分
プロジェクターの貸出しやWiFiの利用も可能です。ただし、室内の大きさを考慮すると、一度に10人程度までの少人数での利用が最適となります。
デイキャンプでのびのび遊ぶ
「森のハジマリ」の庭はデイキャンプ場としても利用可能です。テントを張ったり、BBQを楽しんだりできます。夏には近くの草野川での水遊びもおすすめ。川魚も獲れるかもしれません。
デイキャンプの利用料金は下記のとおりです。
- 大人:1,000円/人
- 小人(小学生以下):500円/人
- 未就学児:無料
七輪・網・炭・タープなどは有料での貸出し、100V電源、トイレ、水道は無料で利用できます。
また、登山口のすぐ近くにあるため、「Stay Forest」の活動で整備した八丈岩までの軽登山やハイキング、トレイルランも楽しめます。八丈岩までは徒歩で上り40分、下り20分のコースです。
山遊びやトレイルランが好きという伏木さん夫妻が経営する「森のハジマリ」は、アウトドア好きの心を揺さぶる施設となっています。子供会行事でのウォークラリーを企画しても楽しいかもしれません。
彼岸花の里として有名な徳山町も約2kmの距離にあり、9月下旬に訪れるのもおすすめです。
森カフェではコーヒーを飲みながら仕事もできる
週末にレンタルスペースの利用がない場合のみ、森カフェとして営業しています。本格的なカフェではないためメニューが少ない点は否めませんが、人里を離れた場所でのんびり過ごしたい人やパソコン作業をしたい人にもおすすめです。
「森のハジマリ」はWiFi完備のため、ネットワークを通じて仕事をしているフリーランスの癒し場所にもなります。自然豊かな環境のため、行き詰ったときには八丈岩へのハイキングもおすすめです。
伏木夫妻が制作した木工作品を購入できるギャラリーを併設
ギャラリーには伏木さんが制作した木の器やコップ、スプーンなどの食器類や奥様が制作したアクセサリーを展示しています。気に入った作品があれば、その場で購入も可能です。
「森のハジマリ」基本情報
「森のハジマリ」は、山の麓で遊びたい人や木の温もりが好きな人、新しい仕事に挑戦したい人におすすめの施設です。気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
後編では、木工制作へのこだわりについて詳しく紹介します。
木のぬくもりを感じる「森のハジマリ」で新たなチャレンジを!【後編】