
造船と塩業で栄えた町、岡山県玉野市にコワーキングスペース「うのベース」が2024年3月にオープン。
オーナーの東本さんは「地域の人たちのチャレンジをつなげたい」というビジョンのもと、イベントの開催やクリエイターチームを結成し、新しい挑戦を続けています。
この記事では、地方のコワーキングを拠点に仕事を創る方法について伺いました。地元で一歩踏み出したいとお考えの方は、ぜひお読みください。
地域発のコワーキングから仕事が生まれる
ーー利用者さんの間で仕事が生まれることがありますか。
はい。うのベースにはライターやデザイナー、Web制作などいろいろなスキルを持つ人が集まっています。業務上のちょっとした困りごとを相談できるため、利用者同士で仕事が生まれやすいんです。
たとえば、名刺・チラシ作成や取材案件の依頼、セミナー開催後にコンサルの仕事が生まれたこともあります。きっかけは、ランチタイムのおしゃべりやイベントが多いです。私も知り合いから「チラシを作れる人いる?」と聞かれ、うのベースを利用しているデザイナーさんを紹介したことがあります。
その流れでいうと、近々おもしろいイベントを計画しています。
ーー具体的にどのようなイベントでしょうか。
チャレンジしたい人と経営者さんをつなげる「callege(カレッジ)」というイベントです。

独立したばかりのフリーランスの方が「自身のスキルや実績(Can)、将来やりたいこと(Will)」をスピーチし、経験豊富な経営者や先輩フリーランスがアドバイスします。さらに、経営者の事業とスキルがマッチしたときは、仕事につながる可能性もあります。
独立したい人は、事業を進めるうえで仕事のパートナーを探しています。一方、経営者も「特定のスキルがある人」を探しています。
だったら「両者を引き合わせたらよいのでは?」と思ったんです。このイベントで、仕事が生まれたら地域経済も活性化するので、みんなWin-Winです。
チャレンジをつなげるためクリエイターチームを結成
ーー地元が元気になるのはうれしいですね。地域活性化として、ほかに取り組まれていることはありますか。
2024年11月に、うのベースの利用者と私の7名で「スイミー」というクリエイターチームを結成しました。

「スイミー」というネーミングは、教科書にも載っている小さな魚が集まって大きな魚のように海を泳ぐ話がもとになっています。メンバーは、マーケティングやWeb制作、デザイン、ライティングといった得意分野を持った人達です。
チームを組めば、ひとりではできないような大きな仕事も成し遂げられます。また、スイミーは単に仕事をこなすだけの作業者やディレクター、コンサルではなく、クライアントと伴走する「コーディネーター」になりたいと考えています。
どれだけ素晴らしいサービス・商品があっても、それを求める人に届かなければ価値を発揮できません。私たちは、それらを届けるための方法や仕組みを創り出し、必要なヒト・モノ・コトをつなぎあわせる、そんな集団を目指しています。
ーーなぜクリエイターチーム「スイミー」を結成したのでしょうか。
私たちがビジョンとして掲げている「あきらめたくないチャレンジを、可能性(スイミー)でつなぐ」を実現するためです。
事業は個人・企業にかかわらず、新たなチャレンジを繰り返しながら成長していきます。しかし、挑戦したくても資金が尽きたり、人材不足で諦めたりする事業者も多くいます。
そのような方々のチャレンジをつないでいきたい、という想いからスイミーを結成しました。
ーークリエイターチーム「スイミー」は、うのベースをつくる前から計画されていたのですか。
はい。コワーキングの構想段階から、ゆくゆくはチームをつくりたいと考えていました。当時は、2~3年後に結成できればいいと考えていましたが、オープンから9ヶ月でチームが組めたことに正直、私も驚いています。
うのベースがある玉野市は人口5万人ほどの小さな町。この規模でコワーキングの経営が難しいことはよくわかっています。
それでも、みんなの力が集まる場所を作れば、想像もできなかったようなおもしろい仕事ができると思い、うのベースをつくったんです。うのベースがなかったら、スイミーもありませんでした。
これからどのようにスイミーが大きく育っていくのか、すごくワクワクしています。
ーー最後に、チャレンジしたくても一歩踏み出すのに勇気がいる人に向けてメッセージをお願いします。
オフラインのコミュニティなら熱量が伝わりやすいので、まずはオフラインで交流していくことをおすすめします。ただ、限られた時間のなかでオフラインの場に行くのが難しい人は、オンラインコミュニティを活用してみましょう。私もオンラインから活動を始めました。
ひとりだとどうすればいいかわからず迷いがちになりますが、その道の先輩からのアドバイスで一歩踏み出しやすくなります。
そして、ひとりではできないことも、みんなの力が集まれば大きな力になります。どんどんチャレンジしていきましょう。お近くの方はぜひ、うのベースにいらしてください!
ーー地方のコワーキングを拠点に、みんなで仕事を生み出す話が画期的でした。東本さん、本日はどうもありがとうございました!
うのベース
うのベース公式サイト
うのベースInstagram
〒706-0011
岡山県玉野市宇野8−1−1 1F
利用時間:月〜日曜日 6〜22時
※一時利用は平日9〜17時まで
定休日:不定休(公式Instagramをご確認ください)