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スポット  |    2025.03.31

税関の歴史から密輸の実態までわかる!「横浜税関資料展示室」で大人も子どもも無料で楽しめる社会科見学|神奈川県横浜市

横浜には名建築と言われる建物が数多く残されています。「キング・クイーン・ジャック」と呼ばれ、親しまれている「横浜三塔」もそのひとつです。

「横浜三塔」のなかでも「クイーン」の愛称で知られている横浜税関。この建物には、税関の歴史やお仕事、密輸の実態などを無料で学べる「横浜税関資料展示室」があります。

今回は、大人も子どもも楽しめる穴場の観光スポット、神奈川県横浜市中区の海岸通りにある「横浜税関資料展示室」を紹介します!

「横浜税関資料展示室」とは?無料で学び、体験できるスポット

みなとみらい線「日本大通り」駅から歩いて3分。海岸通り沿いの一角にあるのが横浜税関。どこかオリエンタルな風情を感じさせます。

「横浜税関資料展示室」は、この建物の1階にあります。周辺には象の鼻パーク、少し歩くと赤レンガ倉庫や山下公園などがあり、観光や散歩がてらに立ちよりやすい場所です。

フラっと立ち寄れる入口

税関は全国に9カ所あり、それぞれ資料展示なども行っていますが、一般の方が気軽に入れるのは横浜税関だけなのだそう。

入口では税関のイメージキャラクター「カスタム君」がお出迎え。さらになかに入るとぬいぐるみのカスタム君がいます。

横浜税関資料展示室は12のゾーンに分かれていて、それぞれのブースで税関の歴史や役割などが学べます。また、密輸の手口や偽ブランド品を紹介。税関のお仕事をプチ体験できるコーナーもあります。

充実した内容でありながら、無料で見学できるとは驚きです。

横浜税関の歴史と役割を知るコーナー

(提供元:横浜税関

「横浜税関資料展示室」の12のゾーンは次の通りです。

  • 横浜港の建築物とクイーンの塔
  • 横浜開港と横浜税関のはじまり
  • 歴史を飾った税関長
  • 税関庁舎は港のシンボル
  • 横浜港と横浜税関のあゆみ
  • 横浜港と貿易立国・日本
  • くらしを守る税関
  • 社会悪は通さない(これまでに摘発した密輸の手口)
  • 迅速税関
  • 知的財産
  • ワシントン条約
  • キッズコーナー

さらに体験コーナーがあります。

順路に従って歩くと、まず始めに横浜税関の歴史コーナー。横浜税関の前身、「神奈川運上所」の門が再現されていて、フォトスポットにもなっています。

1853年にペリーが来航。1859年に開港した際、函館、横浜、長崎の3つの港にのちの税関となる「運上所」を設置。諸外国は、現在の東神奈川よりの神奈川宿周辺での開港を希望していました。宿場町として栄えていた神奈川宿を開港することで、諸外国の影響力の拡大をおそれた江戸幕府は、人口500人ほどの小さな村だった横浜を選びました。

文献の写しもあります

諸外国との貿易が拡大していくと、違法な取引や密輸なども増えていきます。開港当初から密輸入を水際で止めるなど、税関の役割は今も昔も変わっていません。

「横浜開港と横浜税関のはじまり」コーナーでは、日米通商条約の文書の写しなども見られます。さらに館内を進むと、日本の近代化に貢献した歴代の税関長の写真。税関庁舎の移り変わりや横浜港の輸出入品の変遷などがパネルで学べますよ。

見どころはココ!密輸品の展示や裏側を体感

「横浜税関資料展示室」では、これまでに摘発された密輸品や密輸の手口も紹介しています。なかでも目をひくのは覚醒剤をコンテナの壁に入れた例。原寸大のコンテナの壁のすきまに大量の覚醒剤が隠された密輸の手口を再現したコーナーは迫力満点です。

コンテナのすきまに隠された密輸の手口を再現

密輸摘発の実例を横浜税関広報広聴室室長・裏辻さんにうかがったところ、税関検査で不正薬物とわかった場合、犯人を摘発するために警察などと連携し調査をすることもあるそう。

ドラマや映画の世界だと思っていたことが現実にあり、気の遠くなるような調査によって犯罪を未然に防いでいたことに驚きました。

他にも石材に不正薬物を埋め込んで輸入しようとした実例など、過去にあった実例も紹介。

体験コーナーでは、ファイバースコープや金属探知機などの検査器具に触れられます。

金属探知機を荷物にかざす

ブランド品などの本物とコピー品を見分けるコーナーもあり、子どもだけでなく大人も楽しめる資料展示がされていますよ。

年に数回、「横浜税関庁舎公開日」がある

(引用元:横浜税関

横浜税関では、税関のお仕事や役割を「資料展示室」で紹介するだけでなく、1年間に3回程度「横浜税関庁舎公開」を開催。普段は職員しか入れない税関庁舎の7階テラスに入れます。7階のテラスからは横浜港が一望できて、天気がよいと気持ちのいい場所ですよ。

非公開ゾーンの保存室

また歴史好きの方には、普段は非公開になっている保存室の見学ができます。横浜税関創建当時の状態に復元された応接室や、歴代の税関長が執務してきた旧税関長室などの記念撮影も可能。

さらに麻薬探知犬のデモンストレーションや税関音楽隊による演奏会もあります。税関イメージキャラクター「カスタム君」も登場し、子ども用の税関制服を着用して記念撮影ができるなど、盛りだくさんの内容となっています。

近々では3月8日(土)に開催されました。今年は6月、11月頃を予定しているそう。詳しい日程は公式ホームページやSNS等で告知しているので、ぜひチェックしてみてください。

横浜税関庁舎公開の詳細はこちら

まとめ

横浜税関資料展示室は、日本の安全を守る税関の役割を学べる無料の施設。「クイーン」の愛称で親しまれている歴史ある建物で、気軽に立ち寄れる横浜観光の穴場スポットです。

館内では、実際にあった密輸の手口や偽ブランド品などの展示。金属探知機やファイバースコープ体験など、税関の仕事をリアルに体感できます。

コピー品と本物を見分けるコーナー

また年に数回、横浜税関庁舎公開日があります。普段は入れない保存室や7階のテラス、麻薬探知犬も見られますよ。

最後に横浜税関広報広聴室室長・裏辻さんに横浜税関資料展示室の今後についてうかがいました。

「税関の役割や仕事を多くの人に知ってもらいたいです。お子さんも大人の方も観光ついでに、もっと気軽に来られる場所にしていきたいですね」

広々とした展示スペース

また、事前に予約いただければ、団体での見学も対応可能とのこと。子どもたちの社会科見学にもおすすめの施設です。横浜税関資料展示室は、大人も子供も楽しめる場所。お近くに来られた際はぜひ立ち寄ってみてくださいね。

取材場所:横浜税関資料展示室
住所:神奈川県横浜市中区海岸通1-1 横浜税関本館1階
アクセス:みなとみらい線「日本大通り駅」から徒歩3分
JR根岸線「関内駅 」から徒歩15分
JR根岸線、横浜地下鉄「桜木町駅」から徒歩20分
TEL:045-212-6300(税関広報広聴室)
開館時間: 10時~16時
休館日:年末年始・施設点検日
駐車場:なし
ホームページ:https://www.customs.go.jp/yokohama/museum/tenjishitsu.htm
Xアカウント: @Custom_kun
Instagram アカウント:@custom_kun
YouTube:https://www.youtube.com/user/mof

 ※休館日やイベントは変更となる場合がありますので、最新の情報は公式ホームページ等をご確認ください。

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この記事を書いた人

chillco

【神奈川県公認Medallライター】神奈川県横浜市在住。生まれも育ちも横浜取材・インタビューを中心に活動するWebライター。旅・酒・食・音楽がテーマ。訪れた国は25か国を超える。お酒やグルメ、スィーツ、イベントなど地元・横浜の魅力を発信していきます!

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