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ライフ  |    2024.01.29

女性アドレスホッパーの持ち物は?仕事は?実体験インタビュー|憧れのノマド生活

自分が行きたい場所にいける憧れのアドレスホッパー。とはいえ、実際にやっていけるのか、旅先で困ることはないのか、気になるところです。

「毎日笑って、ごきげんに過ごしたい」

今回は、そのような思いでアドレスホッパーを続ける池田実加さんにインタビューしました。

旅をしながら暮らすアドレスホッパーのリアルが気になる方は、ぜひ参考にしてください。

アドレスホッパーを始めた理由

アドレスホッパーとは、アドレス(住所)とホッピング(転々とする)から作られた造語。定住する家を持たずに移動しながら生活する人々や生き方のことです。

自然の中で車に乗って笑うアドレスホッパーの女性
心地よく感じる暮らしを追求したい

池田さんはかつて関西と東海・東北を行き来する営業の仕事をしていました。しかし、会社の売り上げを追い求めるだけの窮屈な生活に疑問を感じ、先に幸せが見えなくなってしまったとか。

「動いているほうが生き生きしている」という仲間の言葉で一大決心。請負の仕事が途切れたタイミングでそれまでの仕事を辞め、旅人としての一歩を踏み出したそうです。

住民票は実家に

気になる住民票ですが、池田さんの場合はご実家に置いているそう。住民登録できるシェアハウスのサービスを利用している人もいるようです。税金は住民票のある住所で支払えば問題ありません。

「家賃を払うより行きたい場所に行って、そこで部屋を借りたら生活できるじゃん!」

そう考えた池田さんは、以後は定住せず転々と移動しながら暮らすことを選びました。

自然の中で楽しそうなアドレスホッパーの女性
自然に囲まれた生活は心身をリフレッシュさせてくれた

22歳の頃から半年以上同じ場所に住むことはなく、Airbnbなどを利用して、大阪、京都、兵庫、さらには海外のシェアハウスやゲストハウスにも泊まるように。

郵便物はその時にいる住所、または駅にあるAmazonボックスやコンビニで受け取っているそうです。

シェアハウスは一人で宿泊している方がほとんどだとか。ルームメイトと一緒にご飯を作ったり、共同作業をしたりする機会があるため、無理なく交流できるそうです。

夕食を作る女性
みんなで買い出しに行き、夕食を作ります

晩ご飯をいただいた後は、まったりお話タイム。人生や価値観について語ったり、好きなことや話したいことを話して過ごします。「この時間が大好きなんです!」と笑顔で話す池田さん。

持ち物はキャリー1個

自分の身一つで旅をする池田さんの持ち物はキャリー1個のみ!中身を見せてもらいました。

アドレスホッパーの女性の持ち物
浄化塩とお香は外せない!

持ち物の内訳は以下のとおり。

服(3セット+スポーツウェア) / 寝間着 / お風呂・歯磨きセット/ コスメ / ヘアアイロン / ランドリー用品 / 消臭剤 / ノート / タブレット / 充電器 / 本 / カイロ / 浄化塩 / お香

女性の持ち物としては、とてもコンパクトですね。服は洗濯前提で最低限だそう。

少ない持ち物の中にも、かわいい小物やこだわりの浄化塩やお香が詰まっていることが印象的でした。好きなモノだけに囲まれる幸せを感じます。

仕事をしながら旅を続ける

気になるのは旅を続けるための収入源。池田さんの場合、隙間時間で働けるタイミーや住み込みで仕事ができるおてつたびなどで、生活費を稼ぎながら過ごしているそうです。

自然の中の過ごすアドレスホッパーたち
「今日はどこからきたの?」と仕事仲間からの質問も楽しい

おてつたびに来る人は、働きに来たというよりも、地元の人と深く交流できるというところに惹かれて来ている人が多いよう。

「こうでなければ」よりも「こうしたい」といった前向きな考え方の人が多いため、池田さんにとって、ありのままの自分でいられることが心地よかったそうです。

おてつたび参加者の年齢層は大学生からシニアと幅広く、年齢や性別、肩書きを超えた出会いがあります。池田さんが出会った中で最年長は、なんと世界中を飛び回って旅をする70代のおばあちゃん!

「元気なおばあちゃんで私のほうが体力負けしそうでした(笑)」と池田さん。

軒下に並ぶ作業着
軒下に並ぶ参加者の作業着

自分の人生を思い切り楽しんでいるおばあちゃんと話すうちに、池田さんの「こうでなきゃ!」とがんじがらめだった心が削ぎ落とされたそう。人生経験豊富な年長者の言葉には重みがあります。

住み込みの仕事は若くないとできないと思っていたのですが、意外に年配の方も多いそうでびっくりしました。子育てが終わり、リタイア後に挑戦してみるのも楽しそうですね。

おてつたびの仕事とは?

おてつたびの仕事は、1〜3日程度の短期のものから2週間と長いものまでさまざま。決められた期間のお手伝いをして最低賃金以上の報酬を得られるサービスです。交通費は出ませんが、宿泊は無料です。(一部例外もあります)

池田さんが参加した山形県西川町はとくに人気の地域だとか。

山形県西川町は、さくらんぼで有名な寒河江市の近く。東京から山形新幹線で約3時間、山形駅から約1時間で到着するのどかな町です。

山形のさくらんぼ
山形のピカピカさくらんぼ

この地域の仕事では、1市4町(寒河江、河北、西川、大江、朝日)主催のサイクリング大会「ツール・ド・さくらんぼ」で、運営のお手伝いをされたそうです。

イベント運営の仕事をする女性アドレスホッパー
西川町サイクリング大会運営のお手伝い

「ツール・ド・さくらんぼ」では、池田さんの発案で参加者に配るバナナに応援コメントを書くことになったそう。これはもらってうれしいバナナ!

応援メッセージの入ったバナナ
参加者に配った応援バナナ

その他、池田さんがおてつたびを通じて取り組んだ仕事は、草刈り、左官、マルシェ企画・運営、空き家DIYなど多岐にわたります。

どれも普段なかなか体験できない魅力的な仕事ばかりです。

左官の仕事をする女性アドレスホッパー
人生初、左官で土間作り

池田さんが参加した「おてつたび」の仕事はこちら。しかし、残念ながら、こちらの仕事は現在募集されていません。

おてつたびには、他にも旅館、農園、キャンプ場など日本全国から魅力あふれる地域のお仕事がたくさん掲載されています。全国を旅しながら、地域の方々と深く交流できる機会がもてるなんて素敵ですね。

おてつたび

「毎日笑ってごきげんでいること」が目標

自然の中で風を感じる女性アドレスホッパー
規則正しい生活で心身共にヘルシーに

「社会的な評価や期待に沿った選択ではなく、自分の”毎日の生活”をより良くするための選択をしていく。自分は何が好きで、何が心地よく感じるのか、どんな人と出会ってどんな自分に気づくのか、など自分と深くつながれるきっかけがたくさんあります」

アドレスホッパーについて、このように語る池田さん。

家、車、家電。モノを保持するために頑張るよりも、今は何も持たずに自由に動き回りたい。自分が好きだと感じることにエネルギーを注ぎたい。

キッチンがあること、お風呂があること、寝られるベッドがあること。日常の一つひとつの当たり前に感謝できるようになったそうです。

山道の階段で振り向く女性
今を大事にしたい

移住先を探すために、アドレスホッパーをしている人もいます。しかし、池田さんはそうではなく、好きなことを好きなだけ好きな人と過ごし「毎日笑ってごきげんでいること」が目標なんだそうです。

ごきげんに過ごすコツは、人から認められるために頑張るのではなく、認められなかったとしてもいいから毎日を楽しく過ごすこと、だとか。

「今を大事にしたい」

そう話す池田さんの輝く笑顔につい引き込まれます。この人と話したい、この人と関わりたい、と思わせる池田さんのキラキラ光る魅力的なオーラ。自分をしっかりと大切にしているからこそ放たれているのかもしれません。

池田さんのInstagram | 地球を生きるタビノキロク

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この記事を書いた人

さわ

広島県出身、千葉、京都を経て、現在は大阪府枚方市在住のフリーライター。 幼少期から常にペットがいる環境で育ちました。今はフェレットを飼っています。 食べること、遊ぶこと、そして「人」が大好きです。地方の魅力をどんどん発信していきます!

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