愛媛県伊予市で、自動車リサイクルの会社として、世界の発展に貢献し続ける株式会社ヤツヅカ。
専務として会社の成長を支えているのが、今回紹介する井上佳二(以下、井上さん)さんです。
中途入社から20年以上に渡り、井上さんは会社への貢献を続けています。
組織で働いている方の中には「頑張っているけど認められない」と悩んでいる方もいるかもしれません。
井上さんからは出世するために必要なマインドや行動などを教えてもらえたため、何かしら現状を打開するヒントを得られるでしょう。
ここから、井上さんにインタビューさせてもらった内容を紹介します。
入社したきっかけは?

「1350円事件です(笑)20歳で前職を辞めてフラフラしていたとき、今の社長に『時給1350円のバイトがある』って言われたんですね。
当時の時給は600円とか700円でした。そこで飛びついていった先が、株式会社ヤツヅカでした。
先代の社長との面接後、『最初は600円からな』と言われたので、話が全然違うと思いましたが、入社を決意しました。
なので、面接が終わって外を出た瞬間に今の社長と喧嘩しました(笑)当時はすぐ辞めようと思っていました(笑)」
出世した理由は何だと思いますか?

「成長するために行動したり反省したり、業務以外のことにも手を挙げてやったりしたことかなと。
中小企業家同友会の勉強会など、問われたら基本的に行くようにしていたので、極力断りませんでした。
20代から30代前半、業界自体の教育システムがあり、全国の同業者が集まって研修をしたりとか、勉強をしたりするときもありました。研修が軍隊方式で、そこでかなりしごかれた部分はあります。

あとは、出世する景色が見たかったというのもあります。出世することによって責任とか、対外的な見られ方とかがどう変化するんだろうっていう好奇心ですね。
一方で、周囲から頼りにしてもらえる部分が大きくなる中で、心境は少しづつ変化していきました」
実績で評価された部分はありますか?

「かなり売上が下がっていたタイミングで、5年ぐらい事務所のヘルプに入ったときがありました。当時、客離れがかなり大きかったんですね。
お客さんから問い合わせが来て、返答や部品の紹介をする部署だったのですが、お客さんの目線に立てていませんでした。ライバル社との比較や市場調査もしてないような状態で。

自分の肌感で、お客さんに選んでもらうことや喜んでもらうこと、または仕事をする楽しさっていうのが、あまりなかったんです。
なので、社長に怒られながらも、1年ぐらいかなり利益を繰り下げて、イメージを転換するために、いろいろなアクションを起こしました。

売れていく楽しさや、お客さんから感謝される嬉しさなど、原点に立ち返ろうっていうのが自分の中であったので。そのうえで、少しずつ利益を得られる体制に戻していければと。
具体的にどういう戦法で攻めていくかは、担当者などと話し、数年かけて過去最高を更新できるようになりました」
井上さんが高い視座を持てるのはなぜですか?

「社長との接点が多かったのがかなり大きいんじゃないかなと思うんですね。
前職は全国にあるような大きい会社にいたんですが、面白くなかったので2年ぐらいで辞めてしまったんです。

ヤツヅカに入社した当時、30人ぐらいの規模だったので、社長と毎日顔を合わせていました。
話をする中で『すごい』と感じる部分があり、大きな影響を受けました。
難しさを感じつつも、会社を存続させたりとか、発展させたりするために行動させてもらっています。
勉強し続ける姿勢っていうのも、絶対的に必要だろうなっていうのは感じてます」
中小企業家同友会・松山同友会などで経営者の方から刺激を受けているのでしょうか?

「はい。経営者って元気な方が多くてすごく憧れているんですよ。
70歳になってもゴルフに行くなど、元気でアグレッシブな方が多く、そういう人生を過ごしたいなと。
60代で結構雲泥の差が出るなと感じます。帰ってテレビ見てお風呂入って寝るという生活をしている方がいる一方で、全然違う生き方をしてる人もいますよね。
その違いって多分、30代40代50代から生じると思います。生き方や生活習慣は一気に変えられないので。
30代からの生活リズムがすごい影響するんだろうなと」
パフォーマンスアップのために継続していることはありますか?

「まずは健康面が大事かなと思ってるので、二日酔いでも元気なふりをします(笑)
睡眠は極力7時間ぐらい取れるようにしています。
食事面では、なるべく野菜を摂取することを意識しています。
ここ数年、コロナのとき以外は休んでおらず、自分から挨拶したり声をかけたりするっていうことも意識してきました」
運はいい方だと思いますか?

「そうですね。1年前ぐらいに、軍を動かし移動させることが運の語源だと知ったんです。
軍を走らせ続けた者が運を手にし、勝っていたことを知り、行動を起こしたりとか、チャレンジしたりとかを追求していかないとなと思いました。
棚からぼたもち的なラッキーは、本当の意味で運がいいわけではありません。
なので、常にチャレンジ・アクションを起こすっていうのは念頭に置いています。
一気にレベル100にはなれないので、一歩ずつでもやってみようと思います。
決意するとか行動するとか、その積み重ねかなと」
最近始めたチャレンジはありますか?

「提携業務的なものではなく、0から1を達成したりとか、改善したりとかが多いので、日常業務の中でも何かしらあるのではないかなと。
今アプリに自分の夢とか目標とか、やりたいことを入れています。
漠然とですけど、自分の中では〇〇歳までにやると決めてますね」
編集後記

井上さんに取材を依頼させてもらったきっかけは、愛媛県中小企業家同友会の経営指針ワンシート作成の発表会です。
会社の業績・未来を自分ごととして捉え、真剣に考え抜く姿勢に感動したためです。
井上さんへのインタビューを通して、改めて主体的に仕事に取り組むことが組織で出世するうえで基本になると感じました。
行動に移すのは難しく感じられるかもしれませんが、なにか1つでもやってみるところから未来は拓けるのかもしれません。
井上さんの印象について、従業員さんからは「困ったときに相談できる頼れるボスですね」というお話を聞きました。
自分を高め組織へ貢献することで、周囲を幸せにし、自分も幸せにすることにつながるのでしょう。
株式会社ヤツヅカの発展と、井上さんの今後のますますのご活躍をお祈りします。