地方創生メディア  Mediall(メディアール)

オンリーワン・ナンバーワンがそこにある 応援の循環を作る 地方創生メディア

もの・こと  |    2025.09.13

香取市防災ツアー|香取でホームサバイバル

2025年6月21日に、千葉県香取市のぴよぴよハウス九美上にて防災ツアー~香取でホームサバイバル~が開催されました。

ツアーを企画した担当者の声

香取市地域おこし協力隊の皆様が企画の立ち上げから準備まで行っています。

担当者に、今回の香取市防災ツアーについてお聞きました。

今回のツアーは、企画者ご自身が北海道胆振東部地震を経験され、防災士の資格を取られたことがきっかけと伺いました

当時、私はマンションの3階に住んでおり、震度6弱の揺れを経験しました。

それは人生で体験したことのない揺れで、あまりの恐怖に何もできず、ただ主人と手を取り合うのが精一杯でした。

夜が明けて目にしたのは、ブラックアウトで信号が消え、液状化で道が陥没しガソリンスタンドには長蛇の列ができるという非日常の光景でした。

絶望的な状況の中、ようやく繋がったネットで友人と「生きて会おうね」と励まし合った時、人と繋がることの心強さを感じました。

「自分にできる小さな輪でもいい。その輪のみんなで一緒に乗り越えたい」

という強い気持ちが芽生えたのです。

近くに住む一人暮らしをしている友人等2人を家へ呼び、私たち夫婦と4人で友人の家に電気が戻るまでの3日間を一緒に過ごしました。

幸い我が家は偶然にも備えていた水や食料、カセットコンロがあり、家具も固定していたため被害がありませんでした。

この経験から、何気ない普段からの備えが自分と大切な人の安心を守ること、加えて正しい知識を持って備えることの重要性を身をもって学びました。

また、「一緒に乗り越える精神」と「備えの大切さ」という二つの気づきが、防災士の資格取得、そして現在の活動地である香取市の皆さんと「有事の際に共に乗り越えたい」という思いに繋がりました。

今回の企画には、実体験から生まれた

「どうすれば、みんなで生き残り、助かることができるのか。一緒に考える場を作りたい」

という私たちの想いがあります。

香取市ならではの自然環境や民泊施設での宿泊体験について教えてください

香取市は2019年に台風19号で大きな被害を受けた地域です。

数日間停電になりましたが、農村部の方にお話を聞くと、自宅の発電機を動かして電気や水(井戸水なので電気があれば蛇口から水がでる)を自給し生活したそうです。

田畑に囲まれた湧水豊富な地域なので、都市のように被災したら支援を待つというよりは、新しい状況の中で自ら生活を立てる必要のある地域だと思います。

そして、非常時に備えるために重要なのは普段からの地域の方とのつながりです。

今回の会場となる民泊施設は鶏や蜜蜂を飼い、地元のお米や野菜を活用するなど地域の方々とつながりながら営んでいます。

ご参加いただいた方は、そのつながりのなかで防災体験をしていくことになります。

被災状況下では、「そこにあるもの」を用いて生活する必要性が都市部との最大の違いだと思います。

特に、都市部では「買うもの」とされる水や塩を自分で手に入れる、また作る体験は普段の意識を大きく変えるものではないでしょうか。

「そこにあるもの」で豊かに暮らすという考え方は、特に地方社会では、災害時だけでなく普段の暮らしの中で意識しなければいけないことだと思います。

本ツアーはどのようなことを体感できるプログラムなのでしょうか?また参加を通じて、地域住民や移住希望者とのつながりがどう育まれると期待していますか?

本ツアーでは、自助の観点から自分が準備している避難バッグの中身や非常灯の動きを確認するなど、普段からの防災対策にフォーカスしています。

また、共助の観点から、水汲みやシェルターづくり、調理など「みんなでやってみる」を大事にしています。

活動を通して私たち協力隊の人となりを知ってもらい、信頼関係を築いていけたらと思っています。

オリエンテーションを実施

災害が発生したと仮定して、みんなで対策をしていきます。

周りの道は遮断されてしまい、物資は届かず電話やインターネットもつながらない状態です。

まずは、参加者や香取市地域おこし協力隊の皆様、市役所の方などでオリエンテーションを行いました。

地域おこし協力隊の方がデザインした、香取市のトートバック。写真ではわかりづらいですが、千葉県の形をしていて、赤い部分が香取市です。

長期保存水を準備しています。良品物語は5年間もつので安心ですね。

(7年もつ商品もあるそうです)

少し味見したのですが、冷やしていなくても十分美味しかったです。

災害時に食べられるような食品は豊富に揃っています。いざという時のためにしっかりと備えておきたいですね。

ラジオやランプも見せてくれました。災害時は最新の情報と明かりが重要であり、普段から準備しておきたいものだと思います。

水の確保体験

まず、湧水の調達にいきます。

車で5分ほど行った場所に、きれいな水が流れている場所があります。

丁寧に水を汲んでいきます。子供たちも一生懸命に手伝ってくれましたよ。

水がたっぷりと入っているので重いのですが、二人で手分けして運んでくれます。

川で汲んだ水は主にお手洗いで使います。

断水した状態を想定しており、汲んできた水を使って流します。

寝床の確保体験

水を汲んだら、次は寝床を確保していきましょう。

周りをブルーシートで囲んでいきます。

強い風が来ても、はがれないようにするのが大変でした。

皆で協力して、簡易基地がついに完成しました。

しっかりと、風や日差しから守ってくれています。

次に段ボールや梱包材を使って寝床や机などを作っていきます。

作ったベッドに入ってみます。お子さんには十分なサイズですね。

頑丈に作る方法を知っておけば、いざという時でも安心です。

基地と寝床ができたところで、次はいよいよ夕食を作っていきます。

香取市防災ツアー2日目|夕飯作りから海水汲み~お昼ごはん作りまで」の記事をご確認ください。

後編はこちら

香取市防災ツアー2日目|夕飯作りから海水汲み~お昼ごはん作りまで

記事をシェアする

この記事を書いた人

くま

個人事業主としてWebライター、デザイナー、翻訳、司会業などをして5年目になります。 いろいろな地域で出会った風景、グルメ、そのほか文化に関連することなどを紹介していきます。 メインは千葉県ですが、仕事やプライベートでよく行く場所のおすすめも発信していきますね。

関連記事