
毎年、11月の酉の日に関東各地の寺社で行われる「酉の市」。商売繁盛や開運招福を願うお祭りで、江戸時代に始まったとされます。ニュースなどでも取り上げられ、特に有名なのが浅草の酉の市です。
と言っても、全国的には「酉の市?」という方が多いかもしれません。実際、静岡県出身の私は横浜市に住むまで、酉の市の存在を全く知りませんでした。しかし、横浜市の「金刀比羅大鷲神社(ことひらおおとりじんじゃ)」では毎年、酉の市が盛大に行われています。そこで今回は、「横濱のお酉様」で行われる「酉の市」を紹介しましょう!
2025年は11月12日(水)に「一の酉」が、11月24日(月)に「二の酉」が行われました。2025年の酉の市は既に終了していますが、来年以降も11月の酉の日に行われますので、ぜひいらしてみてください。
「金刀比羅大鷲神社」は横濱のお酉様

横濱のお酉様「金刀比羅大鷲神社」があるのは、神奈川県横浜市南区真金町。横浜市営地下鉄ブルーライン「阪東橋駅」から歩いて5分ほどの場所です。「横浜橋通商店街」のすぐ隣にあり、酉の市の日には商店街を含めた街全体がお祭りムードに包まれます。
屋台がたくさん出ていて目移りしてしまいますが、まずは神社でお参りすることにしましょう。

神社の前には参拝者の列があり、警備員さんも立っています。今回は平日の15時過ぎに行き、15分ほどで参拝を済ませられました。夕方になるほど列が長くなるため、できるだけ早い時間にまずはお参りしたほうが良いかもしれません。

境内にはたくさんの奉納提灯が並んでいます。景色として眺めるには、提灯の灯りが映える夕刻のほうが美しいかもしれませんね。

神社の入口には、落語家の桂歌丸師匠の玉垣があります。
実は、ここ「南区真金町」は、歌丸師匠が生まれ育った街です。近くには遊郭があり、おばあさまが「富士楼」を経営されていました。横浜橋通商店街とも縁が深く、商店街前の大通り公園には「歌丸桜」が植えられています。
横浜橋通商店街とたくさんの屋台で食べ歩き

参拝を終えたら、さっそく食べ歩きに行きましょう。
この日は金刀比羅大鷲神社を中心に街全体がお祭り会場といった状態になっており、屋台の数は400店以上とか。横浜橋通商店街の中にもさまざまな食べ歩きメニューがあります。屋台を見て回るのも楽しいですが、私としてはまずは商店街での食べ歩きがおすすめです。

酉の市での食べ歩きと言えば、何といってもこちらの「福美」さんは外せません。商店街の入口近く(大通り公園から見て)にあるキムチ専門店で、酉の市の日には名物「トック」が販売されます。今回は空いていたのですが、例年は並んでいることが多く、お店周辺はトックを食べる人達で大混雑です。

このご時世に1杯300円というお安さ!トック(お餅)もたくさん入っていました。昔からずっと、値段が変わっていない気がします。(もしかすると、昔は200円だったかもしれません)
ただし、コロナ禍前までは自分で自由に好きなだけキムチを入れられるスタイルでしたが、現在はお店の方が入れる形になりました。昔はよくキムチを山盛り入れて食べていましたが、今はさすがにそこまで多くありませんね。
以前は商店街を入って左側にある店舗で販売していましたが、数年前からトックの販売は右側の店舗に移っています。久しぶりに行かれる方は、あの辺りをぐるっと見回してみてください。すぐにわかると思います。

「福美」さんのすぐ近くにある「デリカキング」さんもおすすめです。食べ歩きもいいですが、家で食べるためにお持ち帰りするのも良いと思います。いつも混んでいるお店です。

横浜橋通商店街は全長350mほど。全国的には「シャッター商店街」なんて言葉もありますが、この商店街はいつも賑やかです。酉の市の日はお休みしているお店もありますが、ぶらぶらと歩いてみるのも楽しいのではないでしょうか。

路地を入ると、こんな雰囲気の場所もあります。
さらに、広い屋台エリアを散策するのも酉の市の醍醐味です。焼きそば・お好み焼き・はし焼き・フランクフルト・ベビーカステラ・10円パンなどなど、ありとあらゆるものがあります。近くにはタイ料理のお店などちょっと変わったものもあるので、横浜橋だからこその食べ歩きメニューもチェックしてみてください。
酉の市の縁起物「熊手」にも注目!

酉の市と言えば、縁起物の「熊手」を忘れてはいけません。「福運をかき集める」として、特に商売をされている方が購入されます。大きくて豪華なものも素晴らしいですが、程よい大きさで可愛らしいデザインのものもあるので、玄関に飾っても良いかもしれません。

熊手を扱うお店は、大通り公園沿いにずらっと並んでいます。熊手を買う予定がない方も、このエリアは要チェックです。昼間も良いですが、夕刻、薄暗くなり始め明かりが灯る頃になると、その風景の美しさはまさに圧巻、荘厳といった言葉がピッタリに。

熊手を購入すると、お店の方が威勢のいい掛け声とともに柏手を打ってくれるのですが、薄暗くなっていく街の何処からかこの掛け声が聞こえてくると、神々しささえ感じます。

大きな熊手の迫力には、圧倒されます。ぜひ、頭上を見上げながら歩いてください。

夜になるほど、そのきらびやかさが引き立ちます。

もちろん、片手で無理なく持てる大きさの熊手もあります。

酉の市の雰囲気を感じながら熊手を見上げて歩くひとときは楽しいですが、人が多いため同行者とはぐれてしまわないように注意しましょう。特にお子さんと一緒の場合は、しっかり手を握ってあげてください。
横浜・酉の市へ行ってみよう!
横浜の酉の市は、南区真金町の金刀比羅大鷲神社を中心としたエリアで行われています。
神社へのアクセスは横浜市営地下鉄ブルーライン「阪東橋駅」から徒歩5分ですが、お祭りのエリアは「伊勢佐木長者町駅」からも簡単に歩ける範囲です。また、京急「黄金町駅」からなら徒歩10分ほどでしょう。車は渋滞しているため、あまりおすすめできません。
屋台の出店時間:11:00〜21:30
昼間のほうが空いているため、ゆっくりと見られると思います。
暗くなってからはかなり混むため、迷子にならないように注意してください。
金刀比羅大鷲神社へのアクセス
住所:神奈川県横浜市南区真金町1-3
電話番号:045-231-3208
アクセス:横浜市営地下鉄ブルーライン「阪東橋駅」から徒歩5分




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