みなさんは、自分に合った美容液をお使いでしょうか?
というのも、辻堂で、究極の和風美容液なるものの存在を聞きつけたからです。
しかし、はっきり言って、美容液とは縁遠い私(男性46歳:趣味サーフィン)です。
美容には縁遠い私ですが、『美容業界のレジェンドが創り出した究極の和風美容液』と聞くと取材したくなるのが、”ライターの性”というもの。
今回の取材では、この美容液を作った”美容業界のレジェンド”とお会いすることができました。本記事では、究極の和風美容液と、創り出した湘南在住の美容業界のレジェンドを紹介致します!!
この記事には後編がありまして、今回を前編として「究極の和風美容液」をご紹介。
後編では、ご紹介するレジェンドが抱く、尽きることの無い仕事への情熱をお伝えします。
そもそも美容液とは?
さっそくWikipediaで調べてみました。
”美容液(びようえき)とは、基礎化粧品の1つであり、保湿成分や美白成分などの成分が濃縮して配合された製品を指す。それらの成分が他の基礎化粧品よりも高濃度で配合されているために、他の基礎化粧品と比較して高価格であることが多い。”
Wikipediaより引用
・・・へー。
その他の情報から導かれたことは、次の通りです。
- まずは基本的な肌の手入れ(洗浄、化粧水で水分補給、乳液で水分保持)が必須
- ピンポイントで狙った効果を発揮してくれる
- 肌トラブルの予防や改善に期待ができる
・・・あ、そうなんだ。
美容液を使う理由としては、目的別・パーツ別に基本的な肌の手入れ以上の効果を狙って使うものなのだそう。
掘り下げると、10〜20代前半であれば、肌の水分保持に関しては十分に保たれているものの、20代後半に差し掛かると徐々に水分量が減少し、乾燥が進んでいくため、基本的な肌の手入れだけでなく、個々人の応じたスキンケアが必要、とのこと。
・・・全く気にしてこなかった!!(笑)。
個々人の肌の状態に応じたスキンケアのために必要なのが『美容液』と言えますね。
なぜ”和風”美容液?
化粧品やスキンケアに疎い男性目線ですが、美容液について若干の知識を得られました。
“美容液”だけでなく『和風』がついているのを忘れてしまいそうになったため、『和風美容液』についても触れなければなりませんね。
そこで頼みの綱であるWikipediaで検索しましたが、『和風美容液』の定義はないのか、出てきませんでした。
今回紹介させていただく美容液には、酒粕が使われているそうです。
・・・だから和風か!!
酒粕の美容効果は、日本の歴史が物語ってくれます。日本酒をつくる職人=”杜氏(とうじ)”をご存知の方は多いのではないでしょうか。
『杜氏の手は白くてきれい』とは、現代にも伝えられています。
なぜなら、杜氏が扱う日本酒には、肌をきれいに保つ成分が豊富に含まれているからです。日本酒の絞り粕である”酒粕”ですが、日本酒同様の美肌成分が含まれており、美白効果も期待できるもの。
・・・ということですが、冒頭で述べた”究極”には、まだたどり着けていません。
究極、と言える理由はこちら
酒粕には美肌効果のある成分が豊富に含まれていることは理解できましたが、究極といえるまでには至ってないのが現状です。
現状を打破できる情報がこちら。
“酒粕エキスを配合したたくさんの製品が酒酵母菌から抽出した成分を用いているのに対し、本製品は発酵時に生成した生の酒粕をそのまま用いているので純度の高い有効成分がより優れた美肌効果をもたらしてくれます。”
バイタルビューティーエッセンス スリービープラス
付け加えて、保湿のヒアルロン酸、美肌のエンザミン成分を組み合わせることで、3つのバイオ成分がさらなる相乗効果を生み出す、とされています。
・・・成分については、承知致しました。
モニタリングを行われたそうで、「しばらく使っていたら肌質が良くなった」との回答が86%だったとか。
まだ、信用してないため、
- 酒粕エキス
- エンザミン
- ヒアルロン酸
を調べます。
酒粕エキス
非常に高い保湿成分を持ち、くすみのないしっとりとした肌に導く。主成分のアミノ酸は、しみの原因を抑制、日焼けの改善などが期待できる。
エンザミン
過度のストレスなどで起こる肌のトラブルを未然に防ぐだけでなく、早期解消が可能なため、美しくキメの細かい肌を作り維持できる。
ヒアルロン酸
加齢とともに減少する肌の保水力低下、それに伴うたるみ、しみの発生を抑制。
・・・上記の効果を実感できるそうです。和風美容液に付け加えられた、”究極”の理由が、少し理解できた気がしました。
あとは『誰がどのように作ったのか』が大変気になるため、記事冒頭でご紹介している、”美容業界のレジェンド“にお話を伺います。
湘南在住の美容業界レジェンドとはこの方!!
お会いする場所は、JR辻堂駅から徒歩15分。2023年12月にオープンしたばかりで、エステサロンやカフェを併設している”木造5階建て複合施設”「This is Me」。木造だということに驚かされました。
待ち合わせ時間通りに合流。わたしから自己紹介を皮切りに、どのようなメディアに取り上げられるのかご説明します。
無事、趣旨に賛同いただけたところで、インタビューの開始です!!
プロフィール:佐々木公夫
1946年 秋田県生まれ。藤沢市在住。「秋田だけに肌色は白かったよ」と笑いながら。
高度成長期の1965年に神奈川県の鎌倉市大船の大手化粧品メーカーの工場へ就職。その後、会社を退職するまで40年、ずっと化粧品だけを作って来られたのだそう。お姉さんが美容室をやっていたのもきっかけではないかとおっしゃいます。化粧品メーカーに勤務したのは偶然とのこと。
佐々木さん:
「就活時は紡績会社から製薬会社などなんでもあった。当時は大船には松竹撮影所があって、映画俳優が闊歩し華やかだった。勤め先の工場でも撮影があって。勤め先の工場で働いている人たちは、女性は8割。これだ!!と思って。笑
他は3交替だったり、ここは華やかだったり、それでここだ!!って決めたわけです。笑」
「ずっと大船にいさせてもらえたわけじゃなくてね、大阪とか、本社技術センターなど転々。それで基礎を磨いたよ。でも湘南が一番長いね。世の中は高度成長期だった。会社勤めをすることが一番良い時期でね、給料もぐんぐん上がったね。本当に化粧品だけ、化粧品だけを作って。それと原料を習った」
佐々木さんは、ずっと化粧品づくりを続けられた理由として、次のようにおっしゃいました。
佐々木さん:
「化粧品づくりが面白かった。使ってもらって喜んでもらえた。それが嬉しくて。だから続けられた。気がつけば、ずーっと続けていますね」
ーー最初から、美容液を作られていたのでしょうか?
「工場で勤め始めた当初は、香水(オーデコロン)を作っていた。勤めていた会社は、海外で工場建設をしていたんですよ。フランスとも提携して、工場もあった。そこで作られた化粧品は”メイドインフランス”とパッケージに書いてあって。
日本の会社なんだけど、フランスの工場で作ったら、原産国フランスとしてた。”原産国フランス”でお客さんは買っていた。同じ会社で作られたものだけどね。それで売れるんだから面白いよね〜」
会社を退職し、化粧品のコンサルタントとして活動し始めた佐々木さん。
OEM会社(工場を持たずに化粧品を出している会社)の顧問を務められてきたそう。
佐々木さん:
「化粧品の作り方を教えられるのは、会社勤めの40年で覚えたからこそ。原料、レシピの知識を蓄えられたのも会社のおかげ。振り返れば、改めて会社のコネクションに感謝。それだけは文句言えないね。笑
会社勤めを辞めてから、技術指導として中国の大手化粧品メーカーからコンサルタントの依頼が来てね。そこで酒粕を紹介した。酒粕って1年に一度だけ作られるものじゃない?それってワインと同じ。ワインと同じ時間をかけられた製法のもの。それが評判でね、発売5年で高評価を得られた」
家族への思いが、究極の和風美容液を創り出した
ーー酒粕の有用性を改めて認識した佐々木さんが、なぜ、この辻堂のエステサロンで使われる美容液づくりを始められたのでしょうか。
佐々木さん:
「実はね、孫達がエステサロンのスタッフとして働いているんですよ。で、使用感などのフィードバックをもらっている。ここのスタッフが使って、良いと言ってもらえるのが嬉しい。専門家が使って良いと言ってくれるのだから、ますます良いものを作っていこう、という意識でやっています」
さらに、酒粕を使った美容液についてと、佐々木さんの仕事の流儀もお話して下さいました。
佐々木さん:
「美容液の成分は色々あるんですよ。有効成分、アンチエイジング、肌の若さを守る成分とか。で、日本酒にたどり着いたんです。日本酒のアンチエイジングに有用な成分は酒粕に残っていてね。酒粕にはアミノ酸が豊富、アミノ酸は人間の体を作る元で、肌荒れやくすみを防ぎ、若々しさを保つ。
酒粕ってね、酒にとっては”粕”なんだけど、有効成分は実は、酒粕に豊富に含まれている。どうやってそれをエッセンス(美容液)の原料にしていくか、って感じかな。結構失敗もしてるんだけど。笑」
「もともと美容液は作ってなくてね。僕はね、家に化粧品づくりのための実験道具あるの。自分が家で手作りした美容液を、最初に使っていたのは家族と自分。6〜7年使っていて、自分も使って、良いねと。
市販はしてない。ここのエステサロンで施術時に使うアイテムが欲しい、と言う事で去年サンプルを作りました。このサロンで使うことを前提としてサンプルを全て作った。もちろん独自の製法で作っている。最初は完全に手作り。処方設計は自分。特徴的なのは、必要な成分しか入れていないことかな」
「基本原料の4つ(水、アミノ酸、エンザミン、ヒアルロン酸)で化粧水を作ったことがあってね。それを娘や孫に使わせたら『良い!!』。それで気付かされることがあった。結局のところ、良いと思われる配合の比率は、”なんだ基本かよ“って。
基本といえば、飾らない原料でお客さんが満足できるものを作る。10や20の原料を入れることがお客さんの満足につながるわけじゃない。
あとは、日本は四季があるから、季節ごとに配分を変える、ってことぐらいかな」
生命の源とも言える、3つの主原料
佐々木さんのご経験を元に、主原料について説明して下さいました。
ーー今回お作りになられた美容液は、3つの原料で構成されているものだとお聞きしました。
佐々木さん:
「主原料の3つは全て、バイオ成分。
“アミノ酸”は昔、鳥のトサカから作っていてね。天然のアミノ酸として。値段は200万円もした。現在出回っているアミノ酸は、培養技術を見つけ製品化されたもの。
“エンザミン”は、京都大学の博士たちが納豆菌を培養して作り上げた。当初はドリンクとして出されていた。それを僕のもとへ持ってきて、『これ化粧品にできないか』と。それで成分を抽出したものを使って手作りしてみたら、肌荒れが治った。これ、発酵エキスなんですよ。
“ヒアルロン酸”は、もともと人間の身体の中にあるものでね、体内で作られる。加齢とともに減少するの。ヒアルロン酸を補うことで、アンチエイジング効果を発揮する」
バイオ成分とは、天然物を発酵させたもの。言ってみれば地球の、『微生物から物をつくる』といった原点。アミノ酸、エンザミン、ヒアルロン酸は言ってみれば、地球の原点なんですよ」
美容業界40年の知識と経験から生み出される黄金比率。
家族に使ってもらい、フィードバックを取り入れ、さらに”良いもの”へ発展させるという、佐々木さんの化粧品への情熱は、とどまるところを知りません。
では、『後編』へ続きます。
『後編』では、佐々木さんが想う、
“化粧品づくりは『何か』と共通している”、”化粧品づくりの基本的概念”、”地元との関わり合い”
について、語っていただいております。
佐々木さんの懐の深さに、驚愕することでしょう。
取材で伺った『This is Me』はこちら
アクセス:辻堂駅北口 徒歩13分
住所:神奈川県藤沢市辻堂新町3丁目2-35