アクセサリーの「手作り」「ハンドメイド」と聞くと、どのような作品をイメージしますか。
作り手のぬくもりを感じる手芸作品?それとも天然石やビーズで作られたキラキラしたアクセサリー?どの作品もほとんど一点もので、自分好みの作品と出会えたら優越感さえ感じるほど。近年はマルシェイベントやネット販売で個人のハンドメイド作家が活躍できる場も増えました。
選べる楽しさとワクワクを手軽に味わえることとあわせて、製作者を身近に感じるとさらに愛着もアップします。
数多く存在するハンドメイド作家の中で「職人」ともいえる存在と出会いました。
大人モードアクセサリー「SEEK」
ナンバーワンでオンリーワンな大人モードアクセサリーブランド「SEEK」
初めてSEEKを見たのはマルシェイベント。洗練されたデザインとクオリティに、本当に作っているのか何度も聞き返したほど。お話を聞いてもイメージできず、それでも信じられず興味がわくばかり。
なんと今回は、取材をかねて特別に制作風景を見せて頂けることに。SEEK作家のKeiさんを訪ねて札幌のおとなり、江別市にあるアトリエにお邪魔しました。
SEEKはもうすぐ2周年
2022年5月にオープンしたSEEKのオンラインストア。服飾の専門学校に通っていたこともあり、もともとファッションに興味があったKeiさんですが、アクセサリーを作ることに全く興味がなかったとのこと。
アクセサリー制作はもとより、見知らぬ人が作った「顔」が見えるアクセサリーより、大量生産されたものの方が好きだったそうです。
そんなSEEKのKeiさんがアクセサリー制作を始めたきっかけは、コロナの影響が大きかったといいます。
自分の作品を作りたい
世間がコロナの影響を受けていた2022年、Keiさんが働く会社も大きな打撃を受けました。会社のスタッフ全員が出勤停止になり、終わりの見えない休みにじわじわと不安が襲ってきます。
焦りの中、もともとファッションが好きで通っていた服飾の専門学校時代を思い出したKeiさん。当時漠然と考えていた自分の作品を作りたいという感情が、ふたたび湧き上がってきました。
これが「SEEK」誕生のきっかけです。
「SEEK」ブランド制作開始!
やるなら徹底的にオリジナルブランドを作りたいと、ネットを中心にリサーチを開始したKeiさん。
手作りのぬくもり感もいいけど、いい意味で手作り感のない無機質なものを作りたいとシルバーアクセサリー作りを決断。SNSやYouTubeの動画で作り方をみながらイメージトレーニングをくり返し、いざ制作開始。
ゼロからスタートしたアクセサリー制作
専門学校で服飾の経験はあるKeiさんですが、シルバーアクセサリー制作は全くの素人。作りたいイメージを固めてパーツ専門店へ。
「これの名前は?」
「これとこれを付けるのは、どうしたらいい?」
「つなげる接着剤や機械はどれを使うの?」
パーツ専門店の店員さんを相手に、スマホで動画を出しながらあれこれ質問していくKeiさん。質問していくうちに「そもそも何からスタートしたらいいのだろう」と店員さんと大笑い。
初心者向けのスターターセットを勧められて購入。早速やってみようと開封してみたところ、説明書の最初のステップに「丸カンと丸カンをつなげてみよう」と書いてあり目が点に。
「丸カンってなにー?」
最初の一歩からなかなか進めません。
※丸カンとは、パーツとパーツを繋げる輪っかのことです。
渾身の一作目が完成!
初心者用キットを購入するも最初の一歩からつまづいたKeiさん、何回もパーツ専門店に通っては店員さんのレクチャーを受けながらついに完成。上記の写真が記念すべき第一作目です。
ここからKeiさんの才能が開花し、あっという間に作品が増えていきました。
「何か物足りない……」
アクセサリー制作のコツをつかみ、シルバーパーツでロングサイズやプチサイズ、揺れるタイプのピアスなどいろいろ制作していたKeiさん。
「なにか違う、物足りない……」
「どれも同じように見える」
「個性が欲しい、パンチを効かせたい」
モヤモヤした気持ちを抱えながら研究は続きます。ネットであれこれ検索、道内にある手芸専門店へたびたび足を運び、実物を手に取りながらあれこれ考える日々。
研究を重ねるうち、あるとき「ボタン」を使ったアクセサリーの存在を知ったKeiさん。「これだ!」と雷に打たれたような衝撃を受けたそうです。
ヴィンテージボタンとSEEK
洋服を留めるパーツとしてなじみ深いボタンの歴史は古く、紀元前4000年頃にエジプトの遺跡から出土されたものが原型といわれています。
ボタンが本格的に使用され始めたのは16〜18世紀くらいですが、当時は宝石がちりばめられた高級品で、ひとつひとつ職人が手作りしていました。
18世紀のイギリスやフランスで作られた高貴なデザインのボタンは男性の身分を表し、かわいらしいデザインは女性の地位や教養の高さを表す象徴という役割もあったといいます。
今も世界中で流通している貴重なヴィンテージボタン。興味深い物語が詰まったヴィンテージボタンの魅力をアクセサリーで伝えたい。「究極の大人モード」というコンセプトが決まり、SEEKブランドがついに動き出しました。
あとは作る、作る、そして作る日々
コンセプトが決まったSEEK、ブランド立ち上げに向けて一気に加速します。
インターネットや手芸店、ヴィンテージグッズを扱う店に通いアクセサリーにしたいボタンを探します。ボタンを見つけてデザインを決めて、加工する、これの繰り返し。
ヴィンテージボタンは基本的に数個まとめて購入します。そのため作業はまるで工場のライン作業だとKeiさんは笑って話してくれました。
【超貴重!】SEEK作業風景をほんの少しご紹介
今回、特別にSEEKのアトリエにお邪魔しました。Keiさんの活動に影響ない範囲で作業風景をお伝えします。
100円ショップで見つけたネイルチップを作るグッズを愛用しています。ピアスのパーツを取り付けるため、接着剤(レジン)をぬりぬり。3〜5個まとめて流れ作業。
塗り残しがないように、強力に接着させるように、つまようじで細かく丁寧に塗り込んでいきます。
本来はジェルネイルを固めるドーム状の機械に入れて接着剤を固める、固まったら重ね塗り、これを4~5回繰り返します。接着剤を固める間も別のパーツを加工したりと作業はエンドレス。ひとつのアクセサリーが完成するまで少なくとも2日はかかるそうです。
2022年5月のブランド立ち上げからもうすぐ2年。イベントやネットを中心に活動の場を広げ、高い注目を集めるようになりました。
振袖ブランド「BeauT」とコラボ
出店するイベントで高い注目を浴び、ネット販売は売り切れ続出、メディアにも取り上げられるなど、急成長を続けるSEEK。ついに企業から声がかかるようになります。
振袖はこうあるべき、という価値観を抜け出して自分らしい美しさを求める振袖ブランド「BeauT(ビュート)」とSEEKがコラボすることに。写真のモデルさんが使用しているピアスはSEEKが制作したものです。
ヴィンテージボタンピアスが振袖とモデルの魅力を引き出します。SEEKと和装のコラボレーション、今後の展開が楽しみです。
SEEKのこれから
発注から制作、発送まですべてひとりで(時々家族を巻き込みながら)こなすKeiさんに、SEEKのこれからについてお話を伺いました。
SEEKオリジナルシルバーリング
ビンテージボタンを使ったアクセサリーのほか、純銀粘土を使ったシルバーリング制作に挑戦したいと話すKeiさん。シルバーリング作りのノウハウはワークショップで取得済み。準備を整えて近日公開するそうです。
目標はフォロワー1万人!
今後の目標
- ・アパレルブランドとコラボ
- ・百貨店や量販店でポップアップストア(短期出店)の定期開催
- ・インスタフォロワー1万人
- ・モードアクセサリーブランド「SEEK」として成長したい
すでにレビュー100件を超えているSEEK。フォロワーが1万人になったらオリジナルノベルティを作って、応援してくれる人に感謝したい、そう語るKeiさん。感謝を込めた丁寧な梱包と、必ず添える手書きのメッセージカードだけでは伝えきれない想い。
クールなデザインに込めた熱い情熱とKeiさんの人柄。SEEKファンはしっかり受け止めている、そんな気がしてなりません。
まとめ
究極の大人モードをコンセプトに、現代に生まれ変わったヴィンテージボタン。ピアス・イヤリング以外にもキーチェーンやペンダントなど種類は豊富にあり、主張しすぎない存在感はイヤミがありません。
プレゼントにも最適なシルバーアクセサリーは、貰った人がファンになってリピートするケースが多いとのこと。年齢性別に関係なく、溶け込んでいくデザインは唯一無二の職人技。
見つけてほしい、これからも探し続ける、そんな思いを込めてつけた名前が「SEEK」
ぜひ公式オンラインストアやInstagramで、SEEKの世界観を覗いてみてください。
SEEK
公式オンラインストア:https://seek2022.theshop.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/seek.209/
イベント出店、販売期間などは上記をチェックしてください。
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取材のご協力ありがとうございました。