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もの・こと  |    2024.03.16

京都と福井の交流拠点「若狭熊川宿」で忍術修行や食べ歩きを楽しもう!

福井県と京都府を結ぶいくつかの路線は、古くから「鯖街道」と呼ばれ親しまれています。鯖街道の由来は、その名のとおり鯖などの豊富な山海の恵みを運ぶときに通った道だからです。

若狭と京都の交易拠点「熊川宿」

古くは皇室の料理に使用する食材を運ぶ路線でしたが、現代では京料理に使用する食材を運ぶ路線として使用されています。

そして、交易の拠点として鯖街道に発展した宿場町が「熊川宿」でした。

熊川宿は平成8年に重要伝統的建造物群保存地区に選定され、さらに平成27年には日本遺産に認定された、歴史的建造物の多い地域です。一時期は静かな宿場町のイメージでしたが、近年は若い人向けのカフェも増え、週末になると観光客で賑わっています。

今回は、そんな熊川宿の魅力をお伝えしたいと思います。

伝建地区内に元位置のまま現存する番所建物はここだけ!

道の駅方面から熊川宿を散策していると、何やら視線を感じます。

明らかに誰かから見られている気がして、建物の中を見てみたら……

お役人様に見られていました。

国内で唯一、伝建地区内に元位置のまま現存する「熊川番所」

交通の要所に設置された番所は、積み荷の検査や税の徴収などを行った所です。伝建地区内に元位置のまま現存する番所は、国内広しといえど熊川宿の番所のみ。ただし、当時のままではなく、平成14年に復元されたものです。

特に支払いを命じられることもなかったので、恐る恐るお役人様たちと記念撮影を済ませて通過しました。

忍者道場で手裏剣打ち

若州忍者道場では予約をすれば忍者講習会も受けられる

さらに歩いていると、「若州忍者道場(じゃくしゅうにんじゃどうじょう)」がありました。若州忍者道場では、からくり部屋を体験したり、手裏剣投げができたりします。また、予約をして忍者講習会を受ければ、忍道のライセンスを取得できるとのこと。

小腹が空いたら「岩本商店」で手作りこんにゃくの唐揚げ

岩本商店では手作りこんにゃくのから揚げが食べられる

忍者修行をして、小腹が空いたと思いながら散策を続けると「こんにゃく」の看板が見えてきます。ここは「岩本商店(勘治郎)」です。

岩本商店は地元では有名な手作りこんにゃくのお店。店舗では観光客向けに、手作りこんにゃくの唐揚げが販売されていました。こんにゃくの唐揚げは生まれて初めて食べましたが、癖になりそうです。

紙コップに入れて販売されているこんにゃくの唐揚げは、大が300円、小が200円というリーズナブルな価格でした。醤油ベースのオリジナルスパイスがとても美味しいので、ぜひ一度食べてみてください。

若狭鯖街道熊川宿資料館 宿場館で熊川の文化を学ぶ

若狭鯖街道熊川宿資料館 宿場館

昭和15年(1940)に熊川村役場として建築された趣のある建物がありました。看板を見ると「宿場館」と書かれています。宿場館は熊川の歴史を物語る拠点の資料館です。

宿場館の入り口に設置されていた看板

入り口の立て看板によると、熊川宿は織田信長にとっての「飛躍の地」とのこと。歴史深い土地であることがよくわかります。

資料館の中には熊川宿の写真や、鯖街道の旅に必要な道具、熊川葛の製造に使用された道具などが展示されているので、ぜひご覧ください。熊川葛は京都の和菓子にも使用されているそうです。熊川宿でも葛を使用したお菓子が食べられます。

福井の蕎麦粉を使用したガレットに舌鼓

ガレット Kirariの「北川農園のミディトマト」

熊川宿にはカフェや食事処がいくつもあったのですが、気になったのが「ガレット Kirari」です。ガレットとは、フランス発祥のそば粉で作るクレープのこと。

福井県はそば粉の名産地でもあり、Kirariのガレットも福井県産のそば粉を使用して作られています。注文したメニューは「北川農園のミディトマト」です。北川農園のミディトマトは福井県の特産品とのこと。

ハムとチーズ、トマトが織りなすハーモニーが絶妙です。見た目は小さいのですが、そば粉を使用しているからか、満腹感が得られました。

Kirariで使用している箸は「若狭塗り箸」、食器は「鍋島焼」です。青と金の目立つ食器がとても気になったので、お店の人に聞いてみました。

「皆さん器がとても気になるようで、本当によく聞かれます。食器は若狭のものではなく、佐賀の鍋島焼なのですが、蔵にたくさんあったので使用しています」

熊川宿のカフェは古民家を再利用しているため、お宝が眠っているのかもしれません。鍋島焼については、下記の記事もおすすめです。

お土産に最適な若狭塗り箸

熊川宿を散策していると、若狭塗り箸を販売している松井商店もあります。若狭塗り箸の端材は無料で提供されていましたので、端材も含めてお土産にいかがでしょうか。

熊川宿ではイベントも盛り沢山

取材当日は「ここ結キッチン」にて、地元の瓜生小学校6年生が考案した駅弁を販売していました。残念ながら一般販売はなく、チケットを持っている人のみが購入できるとのこと。

2024年3月16日、北陸新幹線の金沢ー敦賀間が開業されるということで、福井県内では多くのイベントが開催されています。この日開催されていたイベントは、新幹線開業に合わせた駅弁の販売でした。

若狭の特産品入りビビンバ弁当

駅弁は小学校でのSDGsに関する取り組みで、若狭の特産品「若狭牛」「熊川こんにゃく」「福井梅」を使用しています。

熊川宿では、常に何らかのイベントが開催されているわけではありません。熊川宿で開催されるイベントについては、公式サイトのイベントカレンダーをご確認ください。

熊川宿を訪れるなら土日祝日がおすすめ

熊川宿のマップ

熊川宿の観光客向けのカフェなどは平日に営業していない店舗が多いため、事前に調べてから足を運んでみてください。出かけるなら、土日祝日がおすすめです。

駐車場はいくつかありますが、熊川宿の中央付近の駐車場か、道の駅を利用する方がわかりやすいでしょう。地図は下記を参照してください。

その他の観光スポットや散策マップなどは、「道の駅 若狭熊川宿」の公式サイトがわかりやすくかかれています。ぜひ参考にしてください。

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この記事を書いた人

のがわ

滋賀県担当のアラフィフライター「のがわ」です。地元の滋賀県や隣県の福井県に関する情報をお届けします。趣味の剣道は練士七段ですが、試合は中学生にも負けるレベルです。色々な地域に出稽古に行き、出会った方々の物語や観光情報などを記事にします。

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