大阪市東淀川区にある三協精器工業株式会社では、ネコが社員として採用され、一部のネコには役職までついています。
なぜこんなことになっているのか、仕事に影響はないのか、広報担当の三枝さんにお話を伺いました。
ネコ社員のはじまり
最初に保護されたネコは「チャトラン」です。ケガをした状態で見つかりました。病院に連れていった後、正式に会社で飼うと全社員の前で赤松社長が発表したそうです。チャトランは推定10歳くらいですが、副社長として現役で働いています。
わたしもチャトランのふわふわした長毛に触らせてもらい、幸せな時間を満喫しました。
最初にチャトランを引き取ってからネコはどんどん増え、現在12匹が事務所で暮らしています。営業時間内でも机の上に寝たり座ったりと自由にしています。
役職就任時には辞令が出る
引き取ったネコには名前がつけられ、とくに優秀なネコには社長自ら辞令を出し役職を与えます。
「ネコちゃんの顔や表情、雰囲気を見て役職名が決められているようです」(三枝さん)
確かにチャトランの落ち着いた雰囲気は、副社長らしい貫禄がありました。
2番目に保護された「こんぶ」は専務に就任しています。こんぶは仕事ができる専務のイメージです。
こちらは常務取締役のロイと常務秘書のネリです。真剣な顔で辞令を受けています。
新入社員が入社したときは全グループ社員にお知らせ
新しくネコを迎え入れたときは、社内アプリを通じて全グループ社員に写真付きで名前をお知らせします。入社したばかりの子は、人間とも先住ネコともゆっくりと時間をかけて心を通わせていくそうです。
「外から迎えるときは病気が心配なので、まずは病院に連れていきます。先生に健康状態を見てもらい、必要ならワクチンを接種、去勢や避妊もしますよ」(三枝さん)
入社後もネコの調子が悪ければ、その子にとって最適な病院を探し、ときには片道1時間かかる病院へ連れて行くこともあるとか。ネコファーストなので仕事中でも最優先です。
ネコ社員のお仕事は午後5時まで
ネコ社員は毎日事務所の2階と3階で過ごしています。敷地内にある工場だけは危険なので立ち入り禁止。事務所内なら階段も廊下も自由に動けます。
また、ネコ社員たちは必ず定時退社します。午後5時になったら社内に置いているケージに「帰宅」して夜を過ごします。
「夜間は警備システムで社内を監視していて、ネコが動くとセンサーが作動してしまうので…」(三枝さん)
人間が当番制でネコ社員のお世話をする
猫のお世話は人間の社員が当番で行っています。2階と3階におうちがあるので、社員が交代でケージやトイレ掃除、朝ごはんの用意などを行います。
おやつはおねだりされた社員が自発的にあげています。ネコがおもちゃを口にくわえてきたら、一緒に遊ぶのも人間の大切なお仕事の一つです。
ネコがいて困ることはないのか
今のところ困ることはないそうです。ネコを通じて社員同士の会話が生まれ、社内の良いコミュニケーションにつながっているんだとか。
「ネコがいると一人になることはないですよね。コミュニケーションが苦手な人がいたとしても、ネコがいれば話しかけられますので」(三枝さん)
ネコがいると自然に「かわいいね」「そうだね」と会話が始まり、その場の空気が和らぎます。社員にはそれぞれ推しネコ社員がいるそうですよ。
「社外からのお客様もそれぞれ推しネコがいるようで。ネコたちに会いたいと言ってくださるのがうれしいです」(三枝さん)
新聞に掲載されたときには、ネコへのプレゼントや手紙が届いたそうです。そんな愛されネコ社員たちですが、残念ながら人見知りする子が多く接客は苦手なんだとか。
ネコ社員は人間社員の癒やし
ある社員が飼っていたペットを亡くして落ち込んでいたとき、副社長のチャトランが数日間その社員に寄り添ってくれたそうです。仕事で忙しくしているときも、ネコたちがそっと近くに寄り添って寝ていることも。
会社で亡くなったネコは、社員が火葬場まで連れていき天国へ送り出します。
「悲しいですが、大切なお別れの勉強だと思っています」(三枝さん)
会社の中に入ってきたネコはみんな家族
人間も動物も命あるものは、いずれ亡くなる運命。「会社に入ってきたネコはすべて家族として養おう」というのが赤松社長の考えです。
ネコたちが「ここで育ててもらって良かった」と思えるような、そして社員も「この会社に入社して良かった」と言ってもらえるような環境作りをしていきたい、と三枝さん。
仕事で心がギスギスしても、ネコ社員のいる会社ならネコをモフモフすることで疲れも吹っ飛びそうですね。
ネコ好きにはたまらない!
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