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もの・こと  |    2024.11.11

中津川市川上(かわうえ)地区。自然豊かな小さな地区の小さな挑戦、始まります【後編】|岐阜県中津川市

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中津川市川上(かわうえ)地区。自然豊かな小さな地区の小さな挑戦、始まります【前編】|岐阜県中津川市

初めてのイベント!今年の夏に行われた「夏のワクワクマンデー」で分かったこと

さて、先日前編でお伝えした、中津川市川上地区の小さな挑戦。

自然いっぱいで穏やかな人々の暮らし、日々の営みがのんびりしているこの地区にも、人口が減少し、保育園が統合され、住民のみなさんがそれぞれ将来について漠然とした心配や不安を抱えていました。

そこで、川上地区は新たな試みを行います。

元気な川上にするための座談会や川上暮らしに関するアンケートで70代までの方の声、さらには社協や民生委員さんたち経由でさらにご年配の方々の声を拾うなど、多くの方々の声を踏まえつつ、試みたのは保健福祉施設かたらいの里でイベント「夏のワクワクマンデー」を行ったことです。

実は川上地区、こうしたイベントも初でした。

ただ「イベントやりましょう」というものではなく、根っこは「川上の方がワクワクする事、気軽に集う催しを楽しめる場所を作りたい」ということからスタート。住民の方達から「気軽にみんなと顔を合わせたり、集まっておしゃべりできる場所がほしい」「飲食店がほとんどなくなってしまって寂しい」「子どもや孫を連れて行ける場所がほしい」「運動浴槽(プール)でもっと気軽に泳いだり遊べるようにしてほしい」というリアルな声が発想の元でした。

このイベントは7月15日~8月26日の毎週月曜日に行われ、飲食店が少ない川上地区に、市街地、市外の飲食店が出店しました。

「6月に企画が持ち上がりましたがすでに予算が決まっていたため、お金をかけずにイベントを行うことになりましたが、大好評でした」

と中津川市集落支援員川上担当、川上まちづくり推進協議会理事(移住定住促進部会長)の鈴木さん。

イベントが行われた保健福祉施設かたらいの里は、温泉も入れます。

この天井の高さ!もちろんヒノキでできてます。こうした公共施設が川上地区にあるのは豊かさから

寒い冬が来ても、近くに温泉に入れる場所があるのは贅沢!しかも銭湯並みの料金です!

実は同じ中津川市でも知らない方も多く、このイベントで初めてかたらいの里について詳しく知った人もいるとのこと。温水プールも使えるのですが、通常はウォーキングをする方が優先で、泳ぐ人は遠慮しながらの利用になります。が、このイベント期間中は遠慮なく泳いだり遊んだりでき、浮き輪OKに。夏休みということもあり、多くの人が集まり1200人以上の方が来館したという予想以上の集客でした。

川上地区の人口は、約650人。

人口の2倍の来館があったということですね。

このイベントは、川上地区の人にも大好評だったのですが、それ以外にも「こんな素敵な場所があるなんて」と多くの方に知ってもらうきっかけになるイベントでもありました。

また、人柄のいい人が多い川上地区。参加した出店者の方々もとても楽しく販売できたそう。

ワクワクマンデーは、来年も実施予定との事です。

発展するより川上らしさが大事。人と自然、穏やかな日が過ごせる場所に

「川上の冬は確かに寒いですが、実は天然のアイススケート場があり、小学校と協力し、地元の人みんなでメンテナンスして楽しんでいます。雪は積もっても10㎝程度ですが、時々大雪が降ることも。とても静かな雪の中、動物たちの足跡を楽しむことができますよ。冬の過ごし方も素敵なのです」

美しい自然とともに暮らせる場所。日本にはたくさんの田舎がありますが、川上はそこに穏やかな人々が多い地区。ちょっと変わった人であっても、受け止める度量もある。

川上の人々は、ボランティアで何かをする、人のために動く方も多いそうで「逆にお金をもらうと恐縮してしまう方が多いくらいです(笑)」というくらい、人のいい方々が集まる地区。

「お互いをよく知っていて車も覚えているので、さっき車であそこにいたよね?などと言われてしまうこともありますが(笑)、それくらい絆が強いんです。650人の小さな地区なので団結力がすごく、地震や災害があったとしても助け合えると思うと、不安は少ないです。日頃の生活でも、例えば誰かが、街に行きたいけど車がない、運転できる人がいない、といえば『私も用事あるで一緒にいこまいか』というやりとりも日常的にあり、思いのほかタクシーなどの利用が少ないんです」

そういった意味ではSNSよりも強い?穏やかながらもたくましい、異変があれば臨機応変に動けるフットワークとチームワークがあるそうです。

豊かな自然がありつつ、穏やかな人たちかつすぐに動ける人々がいる地区というのは、日本広しといえども、なかなかあるものではないのかもしれません。

「確かに川上地区も人口減少の波が来ています。が、川上は自然と人柄のいい土地柄、のんびりとした自然の中で生きていくにはとても素敵な場所だと思ってます」

と、鈴木さん。

「移住については、中津川市役所を通してでもいいのですが、川上総合事務所の集落支援員宛に直接連絡していただいてもOKです。空き家や市営住宅の詳細など、様々な情報をお伝え出来ますし、中には『週末だけ過ごしたい』『拠点にしたい』という移住以外の使用を考えている人もいるので、そういったところもお気軽にご相談していただけたら嬉しいです」

この美しい川上のよさに恋ができたら、移住する方も増えそうですね!

変わらないこと、変わること。うまくバランスを取りながら独自のまちづくりを

「川上らしい生活ができる地域であり続けるためには、やはりある程度の収入も必要となってきます。オーバーツーリズムは川上としては望んでいないので、バランスが必要となりますが、海外からの修学旅行生受け入れやマウンテンバイクパークなどなるべく地域の人たちに負担がかからないような収入源を模索していきます。それから旧保育園をどう活用するべきかも検討中です。これは私たちの権限では進められない部分もあるので、中津川市にはスピード感と結果や効果を重視して対応していただきたいところです。どのように使うかは無限大ですね。住宅以外の建物がほとんどない地域なので、世代を超えた体験学習的なものを行ったり、園庭を子供たちに開放したり、飲食店にきてもらって住民が気軽に集まれるようにしたり、フリーランスや小規模事業者などに部屋ごとに借りてもらったり、色々考えています」

こんな大自然の中で仕事できるなんて、とっても楽しそう!

川上には未来がある。そして、これから、どう川上が変わっていくのか?

これからのアクションに期待です!

かたらいの里公式サイト

川上総合事務所公式サイト


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この記事を書いた人

nakatsugawayuruyuru

こんにちは!中津川&恵那ゆるゆると申します。 海なし県、茶色いお土産が多いことでも知られている ちょっぴり地味な岐阜県の片隅、中津川市&恵那市の情報を、まったりのんびりとお伝えしていきます!

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