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もの・こと  |    2023.08.26

鹿児島発!「明治日本の産業革命遺産フォトコンテスト」開催中

鹿児島には3つの世界遺産がある。その一つが、2015年7月に世界遺産登録された「明治日本の産業革命遺産」だ。

この遺産は、明治以降の日本の近代化において重要な役割を果たした産業遺産群であり、19世紀後半から20世紀初頭にかけて、わずか50年ほどの短期間で産業化を成し遂げたことが世界から評価された。

世界でも類を見ない産業化までのプロセスを物語る産業革命遺産は、23の資産で構成されており、それらは全国8県11市に点在する。

その23のうち、3つが鹿児島にある。「旧集成館」「寺山炭窯跡」「関吉の疎水溝」だ。

旧集成館「旧鹿児島紡績所技師館(異人館)」(写真協力:公益社団法人 鹿児島県観光連盟)
寺山炭窯跡(写真協力:公益社団法人 鹿児島県観光連盟)
関吉の疎水溝(写真協力:公益社団法人 鹿児島県観光連盟)

長らく鎖国状態にあった江戸時代末期から薩摩藩主・島津斉興とその息子・斉彬は欧米列強に対抗するため、軍備力の強化を推進していた。その舞台となった鹿児島市磯地区の洋式工場群「集成館」が日本の近代化に大きく貢献したといわれている。

この集成館の工場群を見たイギリス人たちは「日本のマンチェスター」と呼んでいたそうだ。

このことについては、mediall別記事でも取り上げているのでご覧いただけたら嬉しい。

全国8県11市に点在する23の構成資産

・橋野鉄鉱山(岩手県釜石市)

1858年、盛岡藩士の大島高任は、鉄鉱石を原料とした良質な銑鉄を鉄製大砲の素材として供給するため、西洋の技術書を頼りに高炉を建設。これにより、日本初の連続銑鉄に成功。釜石は日本の近代銑鉄発祥の地となった。

・韮山反射炉(静岡県伊豆の国市)

幕末期に日本の近代化の礎となった最先端工場・韮山反射炉が築かれた。今も現存する。

・萩反射炉、恵美須ヶ鼻造船所跡、大板山たたら製鉄遺跡、萩城下町、松下村塾(山口県萩市)

幕末に西洋技術を取り入れ、萩(長州)藩は鉄製大砲や西洋式軍艦の製造を目指し、吉田松陰は社会全体の近代化を夢見た。

・官営八幡製鐵所、遠賀川水源地ポンプ室(福岡県北九州市/福岡県中間市)

明治維新後の産業近代化に伴う鉄鋼需要の高まりに対応するため、1901年、原料から製品までを1か所で製造する日本初の銑鋼一貫製鉄所・官営八幡製鐵所を創業した。1910年には国内鋼材生産量の90%以上を賄うほど、日本の発展に大きく貢献。

・三池炭鉱・三池港、三角西港(福岡県大牟田市/熊本県荒尾市/熊本県宇城市)

明治政府が掲げたスローガン「殖産興業」を支えた炭鉱。開削や採鉱の技術を西洋に学び、創意工夫を施し、明治から昭和にかけて三池を黒いダイヤの山へと変えた。また、三角西港はオランダ人の水理工師ローエンホルスト・ムルドルの設計によって築港された。

・三重津海軍所跡(佐賀県佐賀市)

幕末の日本で最もモダンな藩といわれた佐賀藩は、いち早く西洋の技術を取り入れ、独自に様式海軍の創設と洋式艦船の整備・運用を実現。また、佐賀藩が蓄積した技術と育成した人材は、明治日本の近代造船の礎となった。

・小菅修船場跡、三菱長崎造船所第三船渠、三菱長崎造船所 ジャイアント・カンチレバークレーン、三菱長崎造船所旧木型場、三菱長崎造船所占勝閣、高島炭坑、端島炭坑、旧グラバー住宅(長崎県長崎市)

西洋の窓口・長崎には、早い段階から西洋と化学や技術を交流する伝統が培われていた。

・旧集成館、寺山炭窯跡、関吉の疎水溝(鹿児島県鹿児島市)

集成館は日本の近代工場発祥の地であり、先人たちが自力で作り上げようとした想いと培われた技術が、その後の日本の近代化に大きく貢献した。

明治日本の産業革命遺産フォトコンテスト

(出典元:https://www.pref.kagoshima.jp/ac02/jmirphotocon.html)

概要

「明治日本の産業革命遺産フォトコンテスト」は、誰もが応募できるオンライン上で行う写真コンテスト。23の構成資産を魅力的に切り取った写真を募集している。

これは2025年に控える「世界遺産登録10周年」に向けたプロモーション事業の一環であり、昨年始動した。今年はその第2回にあたる。初回となった昨年のフォトコンテストでは、全国から1,000を超える作品の応募があったという。昨年の受賞作品はこちら

今年の募集テーマは「記憶」。

国境を越えて人類が共有し、次世代に受け継いでいく世界遺産の「今」の姿をとらえ、そこに眠る「記憶」に耳を傾けてほしい。

事務局はそんな想いを込め、フォトコンテストを企画している。

最優秀賞(1作品):10万円分の旅行券

優秀賞(2作品):5万円分の旅行券

エリア賞(11作品):入賞エリアの特産品詰め合わせ(15,000円相当)

応募方法

①応募フォームに入力
②応募作品をアップロード
③応募完了
④審査
⑤受賞者発表

お手元のスマートフォンで撮影した写真でも応募OK

フォトコンテストというと本格的なカメラでの撮影や編集が求められると思いがちだが、このコンテストでは「気軽に応募してほしい」という事務局の思いからスマートフォンで撮影した写真の応募も受け付けている。

応募期間は、7月15日から10月15日までの3カ月間。


・「身近にある構成資産を撮影・応募してみようかな」
・「カメラが趣味なので、これを機に撮影しに行って応募してみようかな」
・「構成資産巡りを兼ねて撮影してこようかな」

そんな方におすすめのフォトコンテストだ。

詳細は、「明治日本の産業革命遺産フォトコンテスト」の公式サイトでご確認を。

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この記事を書いた人

きゃんまり

鹿児島出身、関東在住。広告代理店に勤務し、ライターとしても活動中。取材ありの記事執筆やイベントレポートの作成が得意。一歩鹿児島を出ると、「鹿児島の本当の魅力が知られていない」「鹿児島と無縁の人が多い」と痛感しています。大好きなふるさと鹿児島を一人でも多くの人に知ってもらい、ファンになってもらうために、鹿児島のモノ・コト・ヒトに関する情報をお届けします。

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