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もの・こと  |    2025.05.19

ゴミ拾い✕中学生・笠原颯愛さん【ゴミ拾いで人生に魔法が】「後編」|山口県周防大島町

小学6年生でゴミ拾いを始めたり、著者に直筆で手紙を送り講演会を主催したりするなど、大人でも難しいことを実現してきた中学1年生の笠原颯愛さん。

「どうやったらこんなステキな子どもに育つのだろう?」と疑問に感じる方もいるでしょう。

後編では、颯愛さんや父・隆史さん、母・亜裕美さんへインタビューした内容を紹介します。

>>>>前編はコチラ

前編はこちら

ゴミ拾い✕中学生・笠原颯愛さん【ゴミ拾いで人生に魔法が】「前編」|山口県周防大島町

颯愛さんへのインタビュー

子どもたちからも大人気の颯愛さん

ゴミ拾いを始めたきっかけは?

「小学6年生の5月に、学校からもらったプラスチック問題のパンフレットがきっかけですね。

10分でもごみ拾いしてみようっていうことが書いてあったので、帰るときにゴミ拾いをやってみました。

やってみると楽しかったんです。

家族で協力する姿は美しいです

7月など辞めていたときもありますが、吉川さんの本を読んだり、お父さんから『いいことだったら続けたら?』と言ってもらったりしたのがきっかけで、小学校を卒業するまでずっとやってきました。

中学生になり時間割りなどが変わったため、今は小学生のときの習慣が崩れていますが、またゴミ拾いを始めようと思っています」

続けるモチベーションはどこから?

「モチベーションではなく、習慣にしたらいいんじゃないかっていう感じでやってました。

ゴミを一つ拾うたびに街が少しずつきれいになると、不思議と楽しくなってくるんです。

慣れた手つきでゴミを分別する颯愛さん

そんな体験を重ねるうちに、ごみ拾いは心まで磨いてくれるんだと感じるようになりました。

学校が終わってからやるって決めてたので、予定が入ってない限りはずっと無心でやってました。今日はやらなくてもいいかなみたいには思わなかったですね」

中学校に入学後2週間ゴミ拾いをできていない中で変化はありましたか?

「友達に冗談で『キモい』などと言うときがあったので、反省しています。

自分も言われて落ち込んだときがあり、相手にそういう思いをさせないためにも、言っちゃいけないことだなと思っています。

締めの挨拶をする颯愛さん

ゴミ拾いは作業じゃなく、自分自身も周りの人も幸せにする行動だと、改めて感じるようになりました。5月からゴミ拾いを再開したいと思っています」

10年後はどうなりたいですか?

ステキな親子

平和と環境について、吉川さんのように本を出版し、日本でうまくいけば、英語で翻訳したものを世界中で出版したいです。

中学校では未来創造科という学科で授業を受け、1年生から3年生までの間に、幸せや環境、平和について追求するので。

他に、趣味的な感じで漢字のゲームをやり、YouTubeで発信することにも興味があります」

環境をよくするアイディアはありますか?

ゴミ拾い仙人・吉川さんの前で真剣にゴミを分別する颯愛さん

「吉川さんが出版した本はごみ拾いをすることで上機嫌になる内容なので、環境問題と合わせるといいんじゃないかと思っています。

環境はゴミ拾いをするとよくなりますよね。それで、ゴミ拾いをしたら幸せになり、 幸せになったら平和につながるんじゃないかって思ってるんです。

いい環境が平和を作るのではないかと」

講演会を主催してどうでしたか?

「ちょっと失敗したけど、自分も楽しめたし、みんなも楽しめたのでやってよかったです。ちょっとだけ緊張しました笑」

颯愛さんの父・隆史さんへのインタビュー

隆史さんの人柄に惹かれます

颯愛さんが高い視座で物事を考えられるのはなぜでしょうか?

子どもたち(※颯愛さんは3人姉弟の2番目)は本を読むのが好きなので、その影響はあるかも知れません。親が言うことより、子どもたちは本から学んできているのかなと思います」

颯愛さんのように自ら行動できる子どもに育てるには?

特別に何かをしたわけではありませんが、姉弟の中で一番行動したりすぐに反応したりする感じはありました。

こちらから投げかけると『わかった。ちょっとやってみる』という感じですぐに行動するタイプだったので。

性格的には、1つのことに集中してコツコツ積み重ねていく感じですね」

交流会の場も円滑に取り仕切る隆史さん

颯愛さんを厳しく叱ったこともありますか?

「一番して欲しくないことをしたときは、厳しく言ったことがあります。約束した時間に遅れるなど、期日を守らないことを僕は許せません。

自分の時間だけを無駄にするならよいですが、相手の時間を奪うっていうのは人生の時間、つまり命を奪うことだとも言えるからです。

颯愛さんを温かく見守る隆史さん

約束を守れないんだったら、早めに連絡したり、そもそも約束をしないようにしたりするのが大事だと思うので、子どもたちには伝えてきましたね」

颯愛さんの母・亜裕美さんへのインタビュー

笑顔がステキな亜裕美さん

初の講演会主催ということで大変だったのでは?

「大変な部分もありましたが、やってよかったです。

颯愛を応援してくださったり『頑張ってて偉いね』と言ってくださる方への恩返しじゃないですけど、聞いてもらえたらいいなと思っていたので。

県外の中学校に入寮するまで、放課後や休みの日、ゴミ拾いしながら友達の家に遊びに行く途中などに、颯愛はチラシを配っていましたね。

母親であり店長としての顔も持つ亜裕美さん

ゴミ拾いをしてるとき、お菓子をくださるおばあちゃんなどにも颯愛は声をかけていました」

小学6年生でゴミ拾いを始めたことについてどう思いますか?

「最初は地域をきれいにしようっていう思いでやってるのかなって思っていました。

何考えてやってるのかと聞いたら『何にも考えてない。鼻歌を歌いながらやってるよ♪』と返ってきたことがあります。

講演会で吉川さんが話していた通り、今通っている中学は一度落ちたんですよね。

当日は近所の方やスタッフの方が大勢サポートに加わります

私と主人と颯愛の3人で先生に挨拶しに行った帰りに、『お父さんお母さん、先帰っていいよ。僕はゴミ拾いしながら帰るから』と言われました。

そのとき、自分の気持ちを落ちつかせるためにこの子はやってるんだなと気づきました」

隆史さん亜裕美さんが運営する「KASAHARA HONEY」の基本情報

父親の背中は大きい

「KASAHARA HONEY」はテレビや雑誌などに取り上げられることもある人気店で、全国的な知名度を誇ります。

心を込めて作られるはちみつの美味しさに感動したゴミ拾い仙人・吉川さんは、1度に4万5,000円分も購入したとか。

周防大島町に旅行するときは要チェックです。

住所〒742-2102
山口県大島郡周防大島町東三蒲473−1
公式サイトKASAHARA HONEY
SNSインスタグラム
YouTubeKASAHARA HONEY
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ゴミ拾いをすると人生に魔法がかかる

乾杯の音頭を取る颯愛さん

心からの笑顔で、颯愛さんについて話す隆史さんや亜裕美さんを見ていると、本当に愛情を持って颯愛さんを育ててきたことが伝わります。

笠原家の近所に住んでいるという女性は「隆史さんや亜裕美さんはいつも姿勢が低く、悪口を言っているのを見たことがない」と話しているのが印象的でした。

以前、KASAHARA HONEYで働いていたという男性は「小さい頃から、颯愛は畑作業を手伝うなどステキな子どもだったよ」といいます。

隆史さんや亜裕美さんがステキな生き方をしているため、颯愛さんは「周防大島・世界をよくする」という高い志を持っているのかもしれません。

10年後や20年後、颯愛さんがどのような大人になるのか本当に楽しみです。

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この記事を書いた人

渡邉 謙

愛媛県松山市でWebライターとしてお仕事させてもらっています。 県外の出身だからこそわかる、愛媛の人の暖かさや街の魅力。 自信を持ってオススメしたい商品やサービスなどを、わかりやすく発信します。 気になるお店にはぜひ足を運んでください♪

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