南に荘厳な法皇の山々、北に穏やかな瀬戸内の海を望むことができる四国中央市。
実は、四国山地と法皇山脈の間に金砂湖(きんしゃこ)と呼ばれる大きな人造湖があるのはご存じでしょうか?バスフィッシングをされる方なら一度は聞いたことがある湖かもしれません。
春夏秋冬、様々な顔を見せてくれる金砂湖、中でも秋の紅葉がおすすめです。水鏡が美しい絶景スポットや、周辺のスポットについてもご紹介していきたいと思いますので、読んでいただけるとモーレツにうれしいです。
金砂湖のふか~~い歴史とロマン
まず、金砂湖のことを紹介する前に、ふか~い歴史があることについても触れておきたいと思います。金砂湖の名前は、1300年以上前の奈良時代にこのあたりを流れる銅山川から砂金が採れていたことが由来になっているそうです。そして今から約70年前の1953年に柳瀬ダムの完工の際、人造湖として誕生した湖です。実は、この湖の底には、かつて平家落人の里があったそうで、家屋186世帯、田畑約50ヘクタールが水没しています。先祖代々800年前からこの地を守りながら住んでいた人たちがいたことも忘れてはいけないと思いました。湖底に沈んだ平家の里に思いをはせながら散策すると、また趣深い気持ちにもさせてくれます。
水が少ない時には、湖の中をこんなふうに走り回ることもできちゃいます。カラッカラッの時期もあるのですが、それはそれで貴重なタイミングです。普段は見えない湖底をぜひ探検していただけたらと思います。また今度、そんな金砂湖湖底探訪編もレポートしたいと思います。
そして金砂湖は、県立自然公園にも指定されており、自然美と人工美が絶妙に調和しながら四季折々の楽しさを見せてくれます。
風光明媚な山と湖にシンボルの赤橋が調和する景色
雄大な山々と荘厳な湖にかかるこの赤橋が金砂湖の絶景ポイントのひとつです。可愛らしいアーチ型のトラス橋、この橋を架けた人は天才ではないかと思うほど、個人的にお気に入りの眺めです。
さらに、湖面に波の無い時には、こんな絶景も見えちゃいます。
これは、旦那さんが早朝にバス釣りに出かけたときに撮影した1枚です。(季節は10月下旬頃でした)金砂湖の翠波橋のあたりから撮影したそうです。
朝靄や木々、空が鏡のように湖面に映りこみ、静けさが写真からでも伝わってきます。別世界にきてしまったかのような感覚です。翠波橋周辺も、また違ったタイプの赤橋とのコントラストが美しい紅葉絶景ポイントのひとつです。
バス釣りに行こうと誘われたのですが「興味ない、眠い」で家で爆睡していた時、この1枚が送られてきました。なんとこの写真、スマホで撮影したそうです。一眼レフで撮影したくなるほどの美しい絶景、思わず悔しぃぃぃいってコウメ太夫みたいになりました。早起きは三文の徳ってやつですね。
まさに逆さもみじならぬ、逆さ紅葉です。
金砂湖でまったりタイム
バスフィッシング、ピクニック、わんちゃんのお散歩などなど、みなさんそれぞれ思い思いの過ごし方をされています。私たちは、ピクニックをしによく行きます。朝マックやお弁当なんかを持っていき、湖を眺めながらみんなで食べるひと時は最高に贅沢な時間です。
そして、過ごしやすい気候に気温、湖に移る紅葉と赤橋のコントラストが映える秋は、とっても最高です。紅葉の見頃は、10月下旬から11月中旬くらいで、最近(11月上旬)遊びに行って見ると、もみじが少し色付きはじめていた様子でした。今年は11月中旬もしくは下旬頃になるのではないかと思っています。
ちょっとした大型遊具や大きな広場もあります。子どもたちはそこで遊ぶのが大好きで、放っていたら何時間でも走り回っています(笑)人が少ないからこそ自由にのびのびと遊ばすことができるので、いつでも気軽に遊びにいけます。
さらに、地元の方のお話によると、2年に1度「湖水まつり」というものがあるそうです。カラオケやダンスなどのステージや大迫力のナイアガラ、水中花火が楽しめるそうです。普段は、静かな里山に屋台も集まってきて、ご当地品なども販売し、とても楽しいお祭りが開かれます。私たちはまだ行ったことがないので、次の機会に必ず行ってみたいと思いました。
金砂湖周辺のスポットについて
金砂湖周辺は誇大な自然、厳かな寺社や史跡が多く残っています。
翠波高原(金砂湖から車で15分)
標高892mの翠波峰を中心に広がっている高原です。春は菜の花、夏から秋にかけてコスモスが一面に咲き乱れます。和紙の原料であるミツマタが植えられている「みつまたの里」もあります。
下長瀬あじさい公園(金砂湖から車で3分)
6月中旬頃から紫陽花が見ごろのスポットです。色とりどりでとても美しい紫陽花がたくさん咲いています。この公園に行くまでの道もあじさいロードとして有名で、ドライブも楽しめます。
法皇湖(金砂湖から車で15分)
富郷ダムを建設する際にできた人造湖です。カエデやウルシ、ハナミズキなどさまざまな木々が紅葉する秋がおすすめだそうです。
ジェラテリアGhiro(金砂湖から車で23分)
お店の方がとても優しく温かく迎えてくれる素敵な古民家のジェラテリアです。ジェラートはミルク、チョコなどの定番のものから、地元の柑橘類やお野菜を使用したものも有り、どれも手作りでとても美味しいです。ここもまた記事にしたいオンリーワンなお店ですので、また取材に行ってみたいと思います。
新宮方面へ走れば、手漉き和紙の多羅富來和紙工房さんや四国別格二十霊場の十三番札所である仙龍寺もあります。見どころがたくさんあるので、金砂湖を中心にたくさんお出かけしてみてください。
まとめ
春は満開の桜、夏は新緑と湖水まつり、秋は美しい紅葉、冬は幻想的な気嵐(早朝、タイミングがよければ湖の上を漂う気嵐といわれる蒸気霧が見れるそうです)
自然と人工物が共存し、四季折々の良さが楽しめる金砂湖は、来る人たちの心をそっと癒して明日への活力をくれます。水鏡映る景色を眺めながら、ゆったりとした自分の時間を過ごしてみてください。
参考文献/伊予三島市史 上巻
金砂湖湖畔公園
住所:愛媛県四国中央市金砂町平野山232
駐車場:50台 トイレ、あずまや、遊具有り