千葉市緑区にある有限会社 わかな造園は、日本庭園を得意とする造園会社です。古民家をリノベーションし、誰もが使えるコワーキングスペースへと生まれ変わらせた「古民家 和かな」は、地方創生へも貢献しています。
今回、二代目社長 若菜 義大さんに古民家 和かなの魅力を聞いているなかで、地方創生へ向けてさらなるチャレンジをおこなっていることがわかりました。
「日本庭園を広めたい気持ちが、いつの間にか地方創生になっていた」
地方創生で経営のチャンスをつかみたい人や、なにか行動するきっかけと勇気がほしい人は、ぜひ最後までお読みください。
※コワーキングスペース 古民家 和かなの魅力についてはこちらの記事をご覧ください。
日本庭園を広めたい気持ちが、地方創生へとつながる
――はじめに、若菜社長がどのような取り組みをしているのかを教えてください。
若菜 義大さん(以下、若菜):私が生まれ育った千葉市にある古民家を、外国人に向けて販売するための活動をしています。
千葉市は、日本の良さを感じ取れるような古民家が残っている地域です。貴重な資源と私がもつ日本庭園のノウハウを組み合わせて、地方創生をしていきたいと思っています。
――日本庭園の需要は、日本よりも海外にあるのでしょうか?
若菜:はい、国内では日本庭園を新しく作る機会が減ってきてしまったものの、海外ではいまだ需要があります。今回、海外在住の日本人の方などへ調査をおこない、日本文化を取り込みたい外国人が多くいることがわかりました。
実際に、2022年にベトナムにオープンした五つ星ホテル「ダナン三日月ホテル」には日本庭園が採用されており、わかな造園がプロデュース・作庭をおこないました。
――事業に取り組むうえで、課題となっていることはありますか?
若菜:まちにある古民家をどのように確保していくのかは、試行錯誤が必要な課題の一つです。
古民家のような昔からある物件は、名義変更がされないまま譲渡されているケースがあるんですよね。つまり、誰がオーナーなのかわからず、交渉をする術がないんです。
また、現実的な話にはなりますが、やはり新しいことをするためには資金がなくては始まりません。現在、いろいろな団体と交渉を進めており、一緒に夢を追ってくれる人を探している段階です。
挫折が夢を諦めさせ、また新しい夢を作った
――若菜社長が、日本庭園を始めようと思ったきっかけを教えてください。
若菜:私が当時人生をかけてチャレンジした「プロサッカー選手」への道のなかで、挫折を味わったのがきっかけです。
高校時代は、自らセレクションを受け、青森山田高校のサッカー部に入学しました。いまでこそ全国大会常連校ですが、私が入った頃は全国にやっと出られるかどうか。それが、私の代で全国3位という成績を残すほどに成長したんです。
しかし、上り詰めた大きな舞台は、プロサッカー選手の夢を諦めるきっかけにもなりました。のちに全日本代表となる選手とマッチアップをしたときに、ボールを一切触らせてもらえなかったんですよね。
私自身、これ以上は努力できないほどの日々を積み重ねていたので、本当にプロになる人間を目の当たりにし、心がポキっと折られました。
そして、人生をかけたサッカーを諦めたその先にあったのは、好きなことをやらせてくれた両親への感謝だったんです。それからは造園の学校に通い、卒業後も修行を続けて、父親から二代目を譲り受けました。
もし、サッカーを本気でやっていなかったら、いま地方創生について考えていないと思います。新たな夢に向かっているいま、どのような辛いことが起きても、あの挫折経験以上のものはないと思いながらチャレンジを続けています。
自分にしかできない、ワクワクすることから始める
――千葉市への外国人移住が成功すると、どのような効果が期待できるのでしょうか?
若菜:人口減少が続くまちに、日本文化が好きな外国人が移り住み、地域活性化が期待できます。
なかには、外国人が多く移り住んだら「そこはもう海外では?」という意見も耳にします。しかし、少子高齢化に向かう日本の現実から目をそむけず、外国人の移住を視野に入れていく時期が来ていると思うんですよね。
たとえば、気候変動の激しい地域に住む外国人が、近い将来日本へ移住してくることもあるかもしれません。いまのうちに外国人の受け入れ体制を整え、地方創生へとつなげていくことが大切です。
――最後に、地方創生のために動き出したい人に向けて、はじめの一歩を踏み出せるようなメッセージをお願いします。
若菜:まずは、自分自身がワクワクすることのなかで、地域の課題解決につながるものを見つけてみてください。
先ほども言いましたが、ゼロからなにかを生み出していくのは時間もお金もかかります。なので、よほど好きな気持ちがなければできないと思うんですよね。
実際に私も、日本庭園を広めたいと思いながら活動していたら、気づけば地方創生につながっていただけなんです。私には日本庭園しかないので、自分にできることだけをやり続けるつもりです。
有限会社 わかな造園
所在地 〒267-0055
千葉県千葉市緑区越智町171
TEL 0120-500-295
FAX 043-308-8616
コワーキングスペース 古民家 和かな
TEL:080-6894-4301
ADD:千葉県千葉市緑区越智町171
OPEN:9:00〜17:00 CLOSE:不定休※飲食の提供はしておりません。