地方創生メディア  Mediall(メディアール)

オンリーワン・ナンバーワンがそこにある 応援の循環を作る 地方創生メディア

人  |    2024.12.21

地元の素材を生かした米粉パスタを普及させたい|長浜市『おへその森』
【後編】

米粉パスタを使ったメニュー(画像提供:藤野さん)

2022年に米粉製品の製造・販売業として『おへその森』を開業した藤野佐知子さん。35歳で妊娠発覚直後に癌を告知されましたが、手術と食事で癌を克服したと言います。

自身の経験とレシピを掲載した著書『私を笑顔にするキッチン』の発売と同時に、米粉パスタを普及させるべく新たな取り組みを始めました。

今回は前編に引き続き、『おへその森』の新たな取り組みについて詳しく紹介します。

前編はこちら

地地元の素材を生かした米粉パスタを普及させたい|長浜市『おへその森』
【前編】

親子で楽しめる米粉パスタの魅力を伝えたい

お子さんと料理を楽しむ藤野さん(画像提供:藤野さん)

藤野さんは、米粉パスタをより身近に感じてもらえるように、『親子で楽しめる米粉パスタの魅力を伝えたい!』プロジェクトを始動させました。米粉パスタへの思いを載せたクラウドファンディングの挑戦です。

じつは、藤野さんにとっては今回が二度目のクラウドファンディング。一度目は約2年前の創業直後でした。『おへその森』として最初の商品『お米のパスタ トルテッリーニ』を販売する際にスープの開発費用やリーフレットのデザイン費用、リーフレット制作費として、104名の方から支援を受けたといいます。

前回のクラウドファンディングでは、「食事を通して毎日がハッピーになれるような商品を日本中の方に届けたい」との目標を掲げて取り組んでいましたが、実際にはまだ米粉パスタの認知度は低い状況です。

「どうしても、『どうやって食べればよいのかわからない』『食べたことがないから購入する勇気が出ない』などの考えが先立ち、手に取ってもらえないケースが多々ありました」

藤野さんは日々悩み続けたと言います。どうすれば米粉パスタを認知してもらえて、多くの人が手に取ってくれるだろうかと。しかし、どうしても良いアイデアが浮かびません。

きっかけは、お米農家さんと一緒に行ったパスタ作り体験でした。

『手作り体験キット』で米粉パスタが身近な存在に

『米粉パスタ 手作り体験キット』の内容(画像提供:藤野さん)

藤野さんは、パスタ作り体験を通じて気がついたと言います。

「自分で作って体感してもらえば、もっと米粉パスタを身近に感じてもらえるに違いない。これだ!と思って手作り体験キットを販売することにしました」

新商品として販売を開始した『米粉パスタ 手作り体験キット』は、自分で作ったパスタをさまざまな調理方法で楽しめます。手作り体験キットを販売することで、レシピ本『私を笑顔にするキッチン』への挑戦にもつながったとのこと。

藤野さんの挑戦は、手作り体験キットの販売だけには留まりません。

二度目のクラウドファンディングに挑戦

『米粉パスタ 手作り体験キット』で製作する様子(画像提供:藤野さん)

藤野さんは現在、学童保育や農家さんと一緒に米粉パスタの手作り体験会を開催しています。農家さんとは田植え体験なども行っており、米粉を利用した商品にも興味を持ってもらえるよい機会です。

しかし、米粉パスタを知ってもらうには、より広い範囲で告知しなければなりません。藤野さんは、思いを伝えるためにクラウドファンディングへの挑戦を決めたと語ります。

「日頃、告知できる機会はマルシェやInstagramのみです。マルシェに来ていただける人に対しては情報を告知できるのですが、それ以外の人には告知できません。ですので、広く知ってもらうためにクラウドファンディングを利用することにしました」

クラウドファンディングの利用は、費用面のメリットだけではありません。挑戦することで、メディアが取り扱う点も大きなメリットです。すでに『中日新聞』の地方版や『滋賀夕刊』にも取り上げられました。

「普段は米粉パスタを購入されない人にも知ってもらえるきっかけになるので、大変ありがたいです。『記事を見たよ』と、多くの人に声をかけていただけるので驚いています」

藤野さんは、はじけるような笑顔で語ってくれました。

全国各地で体験イベントを開催したい

親子で楽しめる米粉パスタの魅力を伝えたい!(画像出典:CAMPFIRE

米粉パスタの手作りキットはまるで粘土遊びのように楽しむことができ、小さなお子さんでも安心です。

「買ってきたパスタを調理するだけでなく、米粉からパスタを作る時間を親子で楽しんでもらえたらありがたいと思っています」

一方で、現在開催している体験会は近隣の地域での開催のみ。今後はさらに米粉パスタを多くの人に認知してもらうため、要望があれば県外でも体験会を開催したいと意欲的に語ります。

藤野さんは、クラウドファンディングや既存メディアに頼るだけでなく、SNSや動画配信で米粉パスタの魅力を伝えたいと考えているとのこと。今後、どのような情報発信をされるのか楽しみです。

『おへその森』詳細情報

米粉パスタは和洋中の料理に使える(画像提供:藤野さん)

『おへその森』は実店舗がなく、商品を購入するにはサイトで購入するか、出店しているマルシェで購入しなければなりません。マルシェの出店情報は、Instagramをご確認ください。

ここでは、『おへその森』の商品ラインナップと公式サイトやSNSを紹介します。

商品ラインナップ

『おへその森』では、以下3つのカテゴリーの商品を提供しています。

  • お米と野菜の生パスタ
  • お米と野菜のトルテッリーニ
  • 手作り体験キット

また、生パスタの12袋(6種×2セット)がセットになった定期便も提供中です。

詳細情報

心の真ん中にある森

『米粉パスタ 手作り体験キット』はまるで粘土遊びのよう(画像提供:藤野さん)

『おへその森』では『OHESO』ブランドの商品や、体験できるサービスを提供しています。『OHESO』ブランドのコンセプトは「母から子へ栄養を送る」「心と体に栄養を送る」です。

「おへそ」は体の真ん中を意味し、「森」は木々がうっそうと茂って、盛り上がっている様相を表します。また、森を作り出すためには、大地となる土壌や水、微生物など多くの恵みが必要です。

本当の『おへその森』は、私たちの心の真ん中に整然とあるのかもしれません。『OHESO』ブランドは米粉パスタを通じ、人のつながりや自然の恵みを心の真ん中に届けてくれるでしょう。

米粉パスタの体験キットとレシピ本『私を笑顔にするキッチン』が、より多くの方の手元に届き、森のように盛り上がることを願っています。

記事をシェアする

この記事を書いた人

のがわ

滋賀県担当のアラフィフライター「のがわ」です。地元の滋賀県や隣県の福井県に関する情報をお届けします。趣味の剣道は練士七段ですが、試合は中学生にも負けるレベルです。色々な地域に出稽古に行き、出会った方々の物語や観光情報などを記事にします。

関連記事