1週間(168時間)まるごと寄り添う新しい学びの形|株式会社shared

日々の学習計画や進捗管理、そして学びの途中で生まれる悩みや不安にまで伴走し、受験を超えて社会に出ても自ら学び続けられる「生きる力」を育む
それが仙台発・東北大出身3人組による株式会社sharedの「168(いろは)塾」だ。
最大の特徴は、オンラインで専任コーチと生徒がリアルタイムでつながり続けるアプリ「168share(いろはシェア)」を使った全方位サポートで、全国どこでも質の高い学びを体験できること。
彼らはなぜこの事業を立ち上げ、いかにして新しい学びの形を築き上げたのか。
その挑戦の軌跡をたどる。
代表取締役 難波諒太朗が家庭教師・塾講師経験で感じた喜びと葛藤
難波が伴走型オンライン学習塾の構想を描き始めたのは、医学生時代の家庭教師や塾講師アルバイトがきっかけだった。それぞれの目標に向かって、一歩ずつ着実に努力を重ねる生徒たち。
難波にとって、生徒たちが自分の学習指導を通じて、解けなかった問題が解けるようになったり、自信を取り戻して笑顔になったりする瞬間に立ち会えることが、大きな喜びであり、何よりのやりがいだった。
しかし、同じように努力していても、すぐに成果が出る生徒もいれば、思うように伸びない生徒もいた。限られた授業時間だけでは、生徒一人ひとりの可能性を十分に引き出すことは難しい。塾に通っていない時間の方が圧倒的に長く、その間に不安や迷いが再び生まれてしまっているように感じた。
「その時間にこそ、寄り添える塾が必要ではないか」
難波自身も高校時代、地元に自分に合う塾がなく、大学受験は独学だった。学習計画を全て自分で決め、不安を抱えながらも現役合格をつかみ取った。その経験がより一層、教育において「伴走してくれる存在」の重要性を感じさせ、次第に難波の中に「1週間=168時間まるごと寄り添う」という塾の根幹となる発想が芽生えた。
COO桑久保皓大の決断。共鳴した「真っ直ぐで底知れぬ熱」と共に
大学の学生向けラウンジで難波と出会った当時教育学部生の桑久保も、地方の教育格差を痛感してきた一人だ。浪人時代、往復3時間かけて塾に通った経験から、物理的距離をはじめとした環境のハンデを超える学びの仕組みを求めていた。集団授業では先生との距離が遠く、勉強の悩みを気軽に相談できない不便さも感じていた。
桑久保は教育心理学を専攻し、「学ぶ意欲はどうすれば高められるのか」を研究テーマに選んだ。さらに人材系企業でのインターンを通じて、経営者の姿や新規サービス創出の現場に触れ、教育の仕組みづくりにも興味が広がっていた。
偶然にも地元が同じ宇都宮市ということもあり、難波と桑久保2人の会話はすぐに深まった。難波から共に挑戦しないかと誘いを受けた時、桑久保は少し迷ったが、決断に時間はかからなかった。難波の構想を聞いたとき、桑久保は塾のコンセプトに共感したのはもちろん、難波のまっすぐで底知れぬ熱に心を動かされ、一緒に歩むことを決めたのである。
CTO安部央人の参画。 教育とテクノロジーの架け橋としての在り方を
山形県米沢市出身で当時工学部生(現在は大学院情報科学研究科在籍)の安部もまた、進学する高校が学区で決まる環境のもとで自分の夢や可能性に自らの意志でチャレンジできない縛りを体感した一人だった。安部は、塾に通わず独学で大学受験を突破し、教育機会の格差をなくすことに関心を抱いていた。共通の知人を介して難波と桑久保の想いを知り、深く共感した安部は、教育とテクノロジーを結びつける役割を担うこととなった。
アプリ開発にあたっては、従来の学習塾の常識にとらわれず「今の生徒にとって最善の形」を3人で何度も議論した。難波は独学受験やアルバイト経験をもとに、理想の学習支援をまとめた手書きのアプリ開発指示書を作成し、それを安部が形にした。安部にとってアプリ開発は初めての挑戦であったが、独学で開発プロセスを学び、試行錯誤を繰り返しながら一つひとつ機能を実装していった。教育への理想とアプリの現実性のギャップが大きくなりかけると、桑久保が冷静な視点で両者を見極め、進むべき道を見失わないよう調整役を担った。

オンラインでも対面以上の信頼関係を築ける独自開発アプリ「168share」
完成した独自開発アプリ「168share」は、学習計画や進捗、気分や気づきまで記録できる仕様である。学習の戦略設計担当と日々の伴走担当の2人のコーチによるWサポート体制で、状況に応じて学習計画の修正や学習動機を明確にする対話を行う。オンラインであっても対面以上の信頼関係を築くことを可能にした。



未来への力
起業から2年半、従来の塾では拾いきれなかった生徒と向き合い、着実に成績向上や志望校合格の実績を伸ばして、多くの笑顔を生み出している。勉強の習慣がなかった生徒が、日々コーチとコミュニケーションを取る中で継続力を身につけ、成績を上げた事例や、社会人からの再受験で医学部合格を達成した事例もある。
3人が立ち上げた伴走型オンライン学習塾は、教育格差をなくし、学びたい人すべてに手を差し伸べるための挑戦を続けている。
「どこにいても、どんな状況でも、学びたい気持ちを諦めさせない」
「学ぶ楽しさを知り、その先の人生を歩む力へとつなげたい」
その想いは、これからも一人ひとりの歩みに寄り添い、新しい未来へとつないでいく。