
山梨大学ワイン科学研究センターは4月1日、「究極の滴~100年先まで紡ぐ山梨大学ブランデー製造プロジェクト」と題した新たなクラウドファンディングを開始する。目標金額は300万円。昨年のワイン商品化に続く「シン・山梨大学ワインプロジェクト」第2弾として、山梨大学が保有する蒸留酒製造免許を活用した独自の取り組みだ。
第一章の成功—山梨大学初の商品ワイン誕生

山梨大学ワイン科学研究センターは昨年、大学による初めての本格的なワイン商品化を目指し「シン・山梨大学ワインプロジェクト」を立ち上げた。クラウドファンディングでは、わずか12日間で第一目標を達成。最終的に223名の支援者から780万円を集め、2025年夏までには山梨大学初の商品ワインが販売開始される予定だ。
この挑戦の核にあるのは「ワイン科学」というユニークな研究分野だ。栽培、醸造、マーケティング、地域づくりまでを一貫して研究する学問であり、実践と研究が密接に結びついている。同センター長の鈴木俊二教授は「大学でのワイン造りは単なる研究ではなく、地域社会や産業との共創の場でもある」と語る。
畑からボトルまで、全工程を大学の手で

シン・山梨大学ワインプロジェクトは、ブドウ栽培から醸造、瓶詰め、販売までをすべて大学内で行う、国内でも類を見ない取り組みだ。多くの大学がワインメーカーに製造を委託する中、山梨大学はその全過程を自ら手掛ける。
昨年のプロジェクトでは、支援者を招いた試飲アンケートを通じ、商品としてのワインに対する率直な意見を集めた。「研究用ワインとは違い、実際に商品として評価されることで、新たな発見がありました」と鈴木教授。学生たちにとっても、研究室の外に出て、市場の声を直接聞く貴重な経験となった。
理論と実践を融合するワイン科学の殿堂

山梨大学でワイン作りを学ぶ中心となるのは、生命環境学部の地域食物科学科に設置された「ワイン科学特別コース」。栽培学から醸造化学まで、理論と実践を一体化させた教育こそが『ワイン科学』という学問分野の特色だ。学生たちはブドウの栽培から始まり、醸造、品質管理まで、実際の製造現場さながらの経験を通して、包括的な知識と技術を身につける。
ワイン科学研究センターは、この教育を支える研究拠点として機能している。温暖化対策や有機栽培の研究など、ブドウ栽培やワイン醸造に関する幅広い研究を進めながら、次世代のワイン産業を担う人材を育成している。
次なる挑戦、第二章—ワインからブランデーへ

今回のブランデープロジェクトでは、さらに一歩踏み込んだ挑戦が始まる。山梨大学ワイン科学研究センターは果実酒、蒸留酒、そしてシェリーやポートワイン、マデイラなどの酒精強化ワインを製造できる3つの免許を持つ唯一の大学だ。この強みを活かし、ワインの商品化に続く3年計画の第2段階として、本格的な蒸留器を用いたブランデー製造に挑戦し、市販化を目指す。

「このプロジェクトは、単なる大学オリジナルのブランデー製造・販売の取り組みではありません。それは、78年のワイン科学研究センターの研究の歴史と、100年先の未来をつなぐ架け橋となるものです」と鈴木教授は語る。
本プロジェクトには、衆議院議員の堀内のり子氏も賛同。「山梨は、日本ワインのふるさとです。この取り組みは、豊かな自然の恵みを最大限に活かし、次世代へと受け継いでいく理念を体現する素晴らしい活動です」とコメントしている。
クラウドファンディングの詳細確認と支援は、以下のプロジェクトページから行える。
https://readyfor.jp/projects/brandy_yamanashi_univ